テレビCMの広告代理店の選び方|依頼先5タイプと比べる7つのポイント

「テレビCMを出したいけれど、どこに頼めばいいのか分からない」

「広告代理店、制作会社、テレビ局。見積もりを取るなら、どこから声をかけるべき?」

結論から申し上げると、テレビCMの依頼先は「何を任せたいか」で選びます。放送枠の手配から考査、CM制作、素材の搬入までまとめて任せたいなら広告代理店、出したい局が1つに決まっているならその局の営業窓口、CMの映像だけを作りたいなら制作会社が候補になります。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、テレビCMの依頼先の5つのタイプ、広告代理店に任せられる工程、放送局への直接申込との違い、代理店を比べる7つのポイント、見積もりで確認したい項目、依頼前に決めておくことをまとめます。

テレビCMの出稿・見積もりを依頼する(テレビCMの出稿代行サービス)>>

テレビCMの依頼先は5つのタイプに分かれる

テレビCMを出すには、「放送枠(CMを流す時間)を買う」ことと、「CMの映像を作る」ことの2つが必要です。さらにテレビCMでは、放送局による審査(考査)と、決められた形式での素材の納品(搬入)が欠かせません。依頼先によって、このうちどこまでを引き受けるかが違います。

テレビCMの依頼先5タイプ(総合広告代理店、放送・テレビに強い代理店、放送局系列の広告会社、放送局の営業窓口、CM制作会社)と、放送枠の手配・CM制作・考査と搬入の窓口の対応範囲を示した図
依頼先の5つのタイプと、主に引き受ける範囲
依頼先のタイプ主に引き受けること向いているケース確認したいこと
総合広告代理店テレビを含む複数の媒体の手配、CM制作、考査・搬入の窓口テレビとほかの媒体を組み合わせたい/窓口を1つにしたいテレビの局や枠にどれだけ詳しいか
放送・テレビに強い代理店テレビ・ラジオなど放送媒体の枠の手配と進行枠の選び方や本数の組み立てを重視したい制作を社内で持つか、外部と組むか
放送局の系列の広告会社系列局を中心にした枠の手配と制作特定の局やエリアを中心に出したい系列以外の局も比べてもらえるか
放送局の営業窓口(直接)その局の番組・CM枠の販売出したい局が1つに決まっている直接の申し込みを受け付けているか、制作や搬入はどうするか
CM制作会社企画、撮影、編集、ナレーション、仕上げ放送枠はすでにある/CMの映像だけ作りたい搬入の形式への対応、枠を持つ会社との連携

どのタイプが優れている、というものではありません。同じ「広告代理店」でも、扱える局の範囲や制作の体制は会社によって違います。名前の分類よりも、「自社が任せたい作業を、その会社がどこまで引き受けられるか」で比べると判断しやすくなります。

なお近年は、テレビCMに初めて出稿する企業のうち、少ない金額から始める企業が増えています。博報堂DYメディアパートナーズの分析(2024年9月4日発表、関東・関西・名古屋、2010年4月〜2024年3月のビデオリサーチのテレビ広告統計をもとに約7,000社を分析)では、出稿金額1,000万円以下の小規模な出稿企業が3倍以上に増えたと報告されています。初めての出稿では、手続きまで含めて相談できる依頼先を選ぶことが特に大切です。全体の進め方はテレビCMが初めての担当者へで解説しています。

広告代理店に依頼すると、どこまで任せられるか

テレビCMの出稿には、思ったより多くの工程があります。広告代理店に依頼する場合、一般的には次の作業をまとめて任せられます。会社によって範囲は違うため、見積もりの段階で確認します。

テレビCMを広告代理店に依頼したときの工程(局・枠の選定、考査、CM制作、CMコードの取得と素材搬入、放送、放送確認と効果の検証)を並べた流れ図
広告代理店に任せられる主な工程

・局と枠の選定:エリアと予算から、どの局のどの時間帯に何本流すかを組み立てます。スポットCM(期間と本数で買う)とタイムCM(番組を提供する)では、買い方も料金の決まり方も違います。違いはスポットCMとタイムCMの違いで解説しています。

・考査の手続き:考査は、放送局が広告主や広告の内容を放送してよいか確かめる審査です。日本民間放送連盟(民放連)の放送基準は、第97条で「広告主が明らかでなく、責任の所在が不明なものは取り扱わない」と定めています。会社を確かめる審査とCMの内容を確かめる審査があり、局ごとに行われます。くわしくはテレビCMの考査とはをご覧ください。

・CM制作:企画、絵コンテ、撮影、編集、ナレーションや音の仕上げ(MA)までを行います。

・CMコードの取得と素材の搬入:テレビCMの素材には、1本ごとに「10桁CMコード」という識別番号を付けます。完成した素材は、放送局が決めた形式で納めます。現在はインターネット経由で放送局に素材を送る「オンライン送稿」の仕組みが整っています(日本広告業協会「テレビCMオンライン よくあるQ&A集」)。

・放送の確認と効果の検証:放送された日時と本数を確かめ、反響を振り返って次回の出稿に生かします。

複数の局に出す場合、考査・搬入・請求は局ごとに発生します。窓口を1つにまとめられることが、広告代理店に依頼するいちばんの利点です。

「枠を買う会社」と「CMを作る会社」は別でもよい

テレビCMの実務では、放送枠を扱う広告会社(媒体扱い)と、CM制作を担当する広告会社(制作扱い)が別の会社になることがあります。日本広告業協会の資料でも、素材の搬入について「制作扱い広告会社」と「媒体扱い広告会社」の役割が分けて説明されています。

たとえば「CMはなじみの制作会社に作ってもらい、枠の手配だけを代理店に頼む」こともできます。その場合は、CMコードの取得や搬入をどちらが担当するのか、考査で修正が出たときに誰が直すのかを、最初に決めておくと進行が止まりません。

放送局に直接申し込む場合との違い

「放送局に直接申し込めば、手間も費用も減るのでは」と考える方もいます。放送局の受け付け方は局ごとに異なり、広告会社を通した取引を基本としている局もあれば、地域の広告主からの相談を受け付けている局もあります。直接申し込めるかどうかは、出したい局の公式サイトや営業窓口で確認してください。

明るいオフィスで、テレビCMの出稿スケジュール表を見ながら担当者が打ち合わせをしている手元の様子
依頼先によって、窓口の数と任せられる範囲が変わる
比べること放送局に直接申し込む広告代理店に依頼する
対応できる局の範囲申し込んだ局だけ複数の局を比べて組み合わせられる
枠の比べ方その局の中で選ぶ局・時間帯・BSやCSまで横断して比べられる
考査・搬入の手続き広告主が局ごとに対応する代理店が窓口になってまとめて進める
CM制作別に手配が必要な場合があるまとめて依頼できることが多い
向いているケース出す局が1つに決まっていて、社内に担当者がいる初めての出稿/複数の局に出したい/手続きを任せたい

テレビの放送エリアは32地区に分かれ、系列局と独立局を合わせると全国で127局あります(当社調べ)。商圏が複数の県にまたがる場合や、地上波とBS・CSを比べたい場合は、局を横断して比べられる依頼先のほうが負担は小さくなります。地域を絞った出し方はローカル局のテレビCMとはで紹介しています。

テレビCMの広告代理店を比べる7つのポイント

広告代理店を選ぶときは、同じ条件(エリア、期間、予算、目的)を伝えて、2〜3社に相談すると違いが見えやすくなります。比べるときは、次の7つを確認してください。

テレビCMの広告代理店を比べる7つのポイント(扱える局と枠の幅、見積もりの内訳、考査の経験、制作と素材搬入、効果の測り方、ほかの媒体との比較、契約と権利の条件)のチェックリスト
代理店を比べるときのチェックリスト

1. 扱える局と枠の幅

キー局のスポットだけなのか、ローカル局、独立局、BS・CS、番組提供(タイムCM)まで扱えるのかを確認します。扱える枠が狭いと、予算や商圏に合わない枠を勧められることがあります。

2. 見積もりの内訳が分かりやすいか

テレビCMの費用は、放映料(電波料)と制作費だけではありません。考査への対応、素材の搬入、出演者や音楽の権利にかかる費用なども加わります。項目ごとに分けて出してもらえるかを見ます。

3. 考査の経験があるか

業種によっては、考査で確認される書類や表現が多くなります。民放連の放送基準は第124条で「原則として、最大級またはこれに類する表現をしてはならない」と定めています。自社と近い業種の出稿を扱った経験があるか、原稿の段階で見通しを伝えてくれるかを確かめます。

4. 制作と素材搬入に対応できるか

CMを社内で作れるのか、外部と組むのかを確認します。既にあるWeb動画をテレビ用に作り替える(尺替え)相談ができるかも、費用を抑えるうえで大切です。制作の進め方はCM制作・動画制作のページでもご案内しています。

5. 効果の測り方を放送前に決めてくれるか

テレビCMは「出したあとに何を見るか」を決めておかないと、良し悪しを判断できません。視聴率データにもとづく報告があるか、問い合わせ数や検索数などをどう見るかを、放送前に一緒に決めてくれる代理店を選びましょう。方法はテレビCMの効果測定のやり方で解説しています。

6. ほかの媒体と比べた提案があるか

電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)によると、2025年のテレビメディア広告費は1兆7,556億円(前年比99.7%)で、インターネット広告費は総広告費の50.2%を占めました。テレビだけでなく、TVer広告やWeb動画と組み合わせる考え方も一般的になっています。テレビ以外の選択肢も含めて提案できるかを見ます。

7. 契約と権利の条件

出演者や音楽には、使える期間や範囲の取り決めがあります。期間が過ぎた後の延長や、Webや店頭で使う二次利用の扱いを、契約の前に確認します。二次利用の考え方は、契約の前に依頼先と確認しておきましょう。

見積もりで確認したい項目

複数の代理店から見積もりを取ったら、合計金額だけで比べず、項目ごとに並べて比べます。同じ項目でも、含まれている作業が違うことがあるためです。

項目内容確認したいこと
放映料(電波料)CMを放送する枠の費用局・時間帯・本数(またはGRP)が明記されているか
制作費企画、撮影、編集、ナレーション、MA修正の回数、撮影日数、素材の支給で減らせるか
考査への対応書類の準備と局とのやりとり局ごとにかかるか、追加の修正は含まれるか
素材の搬入CMコードの取得、局ごとの形式への対応局の数が増えたときの扱い
権利にかかる費用出演者・音楽の使用料使用期間と範囲、延長時の費用
効果の報告放送実績と視聴率などのレポート何を、いつ報告してもらえるか

当社では、ローカル局のスポットは月30万円からを目安としてご案内しています(概算)。金額は時期、局、枠の空き状況で変わります。費用の考え方はテレビCMの費用は15秒いくら?で詳しくまとめています。

依頼前に決めておく5つのこと

代理店に相談する前に、次の5つを社内で整理しておくと、提案と見積もりが早く、正確になります。決まっていない項目があっても相談はできますが、「何が未定か」を伝えておくと話が進みやすくなります。

木目のデスクの上に、地図、付せん、タブレット、ペンが並び、テレビCMの出稿エリアを検討している様子
エリア・期間・予算を先に決めると、提案が具体的になる

・エリア:お客さまがいる地域はどこか。全国か、関東・関西などの広域か、県単位か。

・放映したい時期:いつから、どれくらいの期間流したいか。新商品の発売日や繁忙期など、外せない日があれば伝えます。

・予算:放映料と制作費を合わせて、月いくらまで出せるか。

・目的と見る数字:認知を広げたいのか、問い合わせや来店を増やしたいのか、採用につなげたいのか。放送後に何の数字で判断するか。

・素材の有無:新しく作るのか、既にある動画を使えるのか。15秒か30秒か。

依頼から放映までの流れと期間

広告代理店に依頼した場合の、一般的な流れは次のとおりです。テレビCMでいちばん時間がかかりやすいのは、撮影よりも考査です。初めて取引する局では、会社の審査に時間がかかることがあるため、放映したい日から逆算して早めに動き始めます。

段階主な作業広告主が用意するもの
1. 相談・ヒアリングエリア、時期、予算、目的の確認上の5つの整理
2. 提案・見積もり局・枠・本数の案と総額の見積もり社内での比較と決裁
3. 考査の申請会社情報や許認可の確認、CM内容の確認会社案内、許認可の書類など
4. CM制作企画、撮影、編集、仕上げ企画の確認、撮影への立ち会い
5. 搬入・放送CMコードの取得、素材の搬入、放送完成したCMの最終確認
6. 報告・検証放送実績と反響の確認問い合わせ数などの社内データ

放映までの具体的な日程の組み方は、テレビCM放映までの流れと期間で逆算の方法を紹介しています。

テレビCMの依頼に関するよくある質問

テレビCMの依頼は何から始めればいいですか?

まずは「どの地域に、いつ、月いくらで」の3つを広告代理店に伝えてください。決まっていない項目があっても構いません。それをもとに、局と枠、本数の案と見積もりが出てきます。

1つの局だけ、少ない本数でも依頼できますか?

できます。広告代理店に依頼する場合も、局を1つにしぼった出稿や、短い期間の出稿は可能です。まず小さく試して、反響を見てから広げる進め方もあります。

制作だけ、または放送枠だけの依頼はできますか?

多くの広告代理店や制作会社で可能です。制作だけを依頼する場合は、枠を手配する会社と、考査やCMコード、搬入の段取りをすり合わせる必要があります。フリーザロックエージェントでは、制作のみ・枠のみのどちらのご相談も承っています。

広告代理店によって、総額は変わりますか?

放映料のほかに、制作費や考査・搬入への対応、権利にかかる費用などが加わるため、総額は依頼先によって変わります。同じ条件で比べられるよう、見積もりの内訳を項目ごとに出してもらうことをおすすめします。

考査に通らないことはありますか?

業種や表現によってはあります。考査の最終判断は各放送局が行うため、撮影の前に、企画や原稿の段階で見通しを確認しておくと安心です。

まとめ:テレビCMは「任せたい範囲」で依頼先を選ぶ

・テレビCMの依頼先は、総合広告代理店、放送・テレビに強い代理店、放送局の系列の広告会社、放送局の営業窓口、CM制作会社の5つのタイプがある

・枠の手配、考査、制作、CMコードの取得と搬入をまとめて任せたいなら広告代理店。CMの映像だけなら制作会社

・放送局への直接の申し込みは、受け付け方が局ごとに異なる。局を比べたい、複数の局に出したい場合は代理店のほうが負担が小さい

・代理店は「局と枠の幅」「見積もりの内訳」「考査の経験」「制作と搬入」「効果の測り方」「ほかの媒体との比較」「契約と権利」の7点で比べる

・依頼の前に、エリア、時期、予算、目的、素材の有無を整理しておく

フリーザロックエージェントは、キー局の系列局と独立局、BS・CSまでを横断して扱い、局と枠の選定から考査、CM制作、素材の搬入、放送後の効果の検証までお引き受けします。「うちの商圏ならどの局が合う?」「この予算で何本流せる?」といった段階のご相談も歓迎です。エリアと予算をお伝えいただければ、テレビCMの出稿代行のページから最短30分で概算をお出しします。

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