テレビCMの効果測定のやり方|指標の決め方とツールなしで始める検証方法

「テレビCMの効果は、どうやって測ればいいの?」

「『テレビは効果が見えない』と言われて、社内で説明できない」

結論から申し上げると、テレビCMの効果は「届いたか」「気持ちが変わったか」「行動が起きたか」の3つに分けて測ると、説明しやすくなります。届いたかは視聴率データで、気持ちの変化はアンケート調査で、行動は検索数・アクセス・問い合わせの変化で確かめます。大切なのは、放映の前に「何を、何と比べるか」を決めておくことです。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、テレビCMの効果測定の指標と、専用のツールを使わずに始められる検証のやり方をまとめます。

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「テレビCMは効果が見えない」と言われる理由

WEB広告は、クリックや購入の数を広告ごとに数えられます。テレビCMは、見た人がその場でクリックできないため、同じ方法では数えられません。また、CMを見てから時間がたって検索したり、お店で商品を手に取ったりする人もいて、どの広告がきっかけかを1つに決めにくい面があります。

ただし、測れないわけではありません。視聴率のデータで「どれだけ届いたか」は第三者の数字で確かめられます。行動の変化も、比べ方を工夫すれば確かめられます。

効果を3つの段階で測る

段階見る指標主なデータ
届いたか(到達)GRP、推定リーチ、平均接触回数、リーチ単価視聴率データ、放送確認書
気持ちが変わったか(態度)認知、好意、購入意向などブランドリフト調査(アンケート)
行動が起きたか(行動)指名検索数、サイトへのアクセス、電話・問い合わせ、来店、売上Googleトレンド、Search Console、GA4、受電記録、販売データ

1. 届いたかを測る

ビデオリサーチは、全国の32地区で24時間365日、視聴率の調査を行っています。この視聴率をもとに、流したCMのGRP(視聴率の合計)、推定リーチ(何%の人に届いたか)、平均接触回数を出せます。

あわせて見たいのがリーチ単価です。放映料を、届いた人数で割った「1人に届けるのにかかった費用」です。媒体やエリアをまたいで比べやすい数字です。

放送局からは、CMが実際に放送された日時を記した「放送確認書」が出ます。予定どおりに流れたかを確かめる基本の資料です。

2. 気持ちの変化を測る

ブランドリフト調査は、CMに接触した人と接触していない人にアンケートをして、認知や好意、購入意向の差を比べる方法です。

たとえばビデオリサーチは、テレビの視聴ログとインターネット調査を組み合わせて、タイムCM接触者とスポットCMのみ接触者のブランド指標を比べた結果を公開しています(VR Digest plus「タイムCMとスポットCMの効果差を可視化する」、2023年7月実施・1,000サンプル)。このように、CMの流し方によって気持ちの変化に差が出るかまで調べられます。

調査には費用がかかるため、出稿の規模や目的に合わせて、実施するかどうかを決めます。

3. 行動の変化を測る(ツールなしで始められる方法)

専用の効果測定ツールを契約しなくても、次の方法で行動の変化は確かめられます。

・指名検索の推移:会社名や商品名での検索の数を、Googleトレンドや Google Search Console で放映の前後で比べます。

・サイトへのアクセス:GA4で、直接のアクセスや、放映エリアからのアクセスが増えたかを見ます。放映した時間帯の直後にアクセスが増えているかも確認します。

・電話・問い合わせ:受電の件数と、「CMを見た」と答えた人の数を記録します。

・専用の窓口:CMだけで案内する電話番号、URL、クーポンコードを用意すると、CMからの反応を分けて数えられます。

・エリアで比べる:CMを流したエリアと流していないエリアで、売上や問い合わせの伸びを比べます。テレビCMはエリアごとに流せるため、この比べ方がしやすい媒体です。

放送時間と照らし合わせる。放送確認書に書かれたCMの放送時刻と、サイトのアクセスや電話の時刻を並べてみると、CMの直後に反応が出ているかが分かります。時間帯ごとに反応の大きさを比べれば、次回はどの時間帯に多く流すべきかの手がかりになります。

効果測定に使えるデータの一覧

データ分かること準備
放送確認書CMが放送された日時と本数放送局から受け取る
視聴率データGRP、推定リーチ、平均接触回数広告会社に集計を依頼する
Googleトレンド会社名・商品名の検索の増え方(相対値)無料。放映前から記録しておく
Google Search Console自社サイトが検索に表示された回数、クリック数無料。サイトに設定しておく
GA4サイトへのアクセス、地域別のアクセス、時間帯別の変化無料。サイトに設定しておく
受電・問い合わせの記録件数、きっかけ(「CMを見た」など)聞き取りの項目を決めておく
販売・来店のデータ売上、来店数、エリア別の伸び放映エリアと非放映エリアで分けて集計する

多くのデータは、放映前の数字がないと比べられません。放映の1〜2か月前から記録を始めておくと、変化が分かりやすくなります。

テレビCMで起きやすい行動を知っておく

日本民間放送連盟 研究所の「テレビの広告効果に関する研究 第3回調査報告」(2024年7月)は、テレビCMと動画広告の両方を使った実際のキャンペーン(7商品)を調べました。

・各広告に接触した人の広告認知率の平均は、テレビCMが18.2%、動画広告が10.4%でした(7商品平均)。

・テレビCMは「買い物の際に店頭で商品を確認する」行動を促す特徴があり、動画広告は「検索・比較・話題・投稿」といった情報行動の割合がテレビCMより高い結果でした。

つまり、テレビCMの効果は、検索やクリックだけでなく、店頭や指名での行動にも表れます。商品によっては、店頭での販売データや来店数も指標に入れると、効果を取りこぼしにくくなります。

放映の前に決めておく5つのこと

決めること例
目的新商品の認知、問い合わせの増加、採用の応募
見る指標推定リーチ、指名検索数、問い合わせ件数
比べる相手放映前の4週間、流していないエリア、前年の同じ時期
測る期間放映期間と、その後の数週間
判断の基準どの数字がどこまで届けば続けるか、届かなければ見直すか

とくに「比べる相手」と「判断の基準」は、あとから決めると都合のよい数字だけを見てしまいがちです。放映の前に社内で合意しておくと、結果の説明がしやすくなります。

効果を正しく読むための注意点

・ほかの施策の影響を分ける:同じ時期にセールやWEB広告を強めると、どれの効果かが分かりにくくなります。施策の日程を記録しておきます。

・季節の動きを考える:もともと売れる時期は、CMがなくても数字が伸びます。前年の同じ時期と比べます。

・すぐの反応だけで判断しない:認知や好意は、時間をかけて積み上がることがあります。放映直後の数字だけでなく、その後の推移も見ます。

・受け皿を整えておく:CMを見て検索した人が、すぐに知りたいことにたどり着けるよう、サイトの入口のページや検索広告を用意しておきます。

放映後のふり返りの進め方

時期やること見る資料
放映中予定どおり流れているか、問い合わせやアクセスに変化があるかを週ごとに見る受電記録、GA4、検索の推移
放映終了の直後放送された本数と日時を確かめる放送確認書
放映終了から数週間GRP・推定リーチ・リーチ単価をまとめる視聴率データにもとづくレポート
同じ時期行動の変化を、決めておいた比べる相手と比べる検索数、問い合わせ件数、売上、エリア別の数字
まとめ判断の基準に照らして、続けるか、変えるかを決める上の資料をまとめた報告書

ふり返りでは、「よかった・悪かった」だけでなく、次に何を変えるかまで決めることが大切です。たとえば、リーチは取れたのに検索が増えなかったなら、CMの中で検索してほしい言葉を伝えられていたかを見直します。検索は増えたのに問い合わせが増えなかったなら、サイトの入口のページを見直します。

よくある質問

Q. 小さな予算でも効果測定はできますか?
A. できます。指名検索、アクセス、問い合わせの変化は、無料のツールと社内の記録で確かめられます。CM専用の電話番号やURLを用意するだけでも、反応を分けて数えやすくなります。

Q. ブランドリフト調査は必ず必要ですか?
A. 必須ではありません。認知や好意の変化を数字で示したい場合や、出稿の規模が大きい場合に検討します。まずは到達と行動の2つから始めるのが現実的です。

Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?
A. 商品や目的によって異なります。セールの告知なら放映中に反応が出やすく、会社名の認知や信頼づくりは時間をかけて積み上がります。目的に合わせて、測る期間を決めておきましょう。

まとめ:前もって「何と比べるか」を決めておく

・テレビCMの効果は「到達」「態度」「行動」の3段階で測る

・到達は視聴率データで、GRP・推定リーチ・リーチ単価を確かめる

・態度はブランドリフト調査、行動は指名検索・アクセス・問い合わせ・エリア比較で確かめる

・テレビCMは店頭での行動も促すため、販売データも指標に入れる

・放映前に、比べる相手と判断の基準を決めておく

媒体をまたいだ測り方は広告の効果測定のやり方、社内での説明のしかたはテレビCMが初めての担当者へ、WEBとの組み合わせ方はテレビCMとTVer広告の違いをご覧ください。

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