CM素材の二次利用|Web・店頭・展示会で使う前に確認する権利・契約・期限

「テレビCMの映像を、Webサイトや展示会でも使っていいの?」

「CMの一部を切り出して、ポスターやSNSに使いたい」

結論から申し上げると、CMの素材をほかの場面で使う「二次利用」は、出演者・ナレーター・音楽・映像そのものの権利と契約を確認してから行います。CMは使える媒体と期間を決めて契約していることが多く、契約にない場所で使うには、追加の許諾や費用が必要になる場合があります。最初の契約で使う予定の場所をまとめて決めておくと、あとから使い回しやすくなります。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、CM素材の二次利用の例、確認が必要な権利、使う前の確認の手順、二次利用しやすいCMの作り方をまとめます。

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CM素材の二次利用とは

二次利用とは、もともとテレビCMなどのために作った映像・写真・音声を、別の目的や場所で使うことです。よくある使い方には、次のようなものがあります。

使い方例
Web広告・配信TVer、YouTube、SNSの広告として流す。縦型や短い尺に編集する
自社のWebサイト・SNSトップページやSNSのアカウントにCMを載せる
店頭・サイネージ店舗のモニター、デジタルサイネージで流す
展示会・営業展示会のブース、営業の資料、会社説明会で流す
静止画として使うCMの一場面や撮影時の写真を、ポスター、チラシ、パッケージに使う
別の映像に組み込む会社紹介の映像や採用動画の中に、CMの一部を入れる
ほかの国・地域で使う英語版を作り、海外の展示会やWebで使う

確認が必要な4つの権利

権利だれが持つか確認すること
出演者の肖像・出演の権利出演者(所属事務所)契約で決めた使用媒体・地域・期間の中か。静止画での使用が含まれているか
ナレーター・声優の権利ナレーター・声優(所属事務所)声を使う媒体と期間。インターネットでの配信が含まれているか
音楽の権利作詞・作曲者、音楽出版社、レコード会社などBGMの利用条件。Webや店頭で流してよいか、期間はいつまでか
映像そのものの権利(著作権)契約によって、広告主または制作会社など映像を編集したり、別の目的に使ったりしてよいか

ナレーターや出演者は、著作権法で「実演家」とされ、録音・録画、放送、インターネットで配信できる状態にすること(送信可能化)などについての権利(著作隣接権)を持ちます。文化庁もこの点を説明しています。そのため、テレビで放送する許可だけでは、Webでの配信が含まれていないことがあります。

映像そのものの著作権について、著作権法第29条は、映画の著作物の著作権は、その製作に発意と責任を持つ「映画製作者」に属すると定めています。CMについて、広告主と制作会社のどちらがこれにあたるかが争われた裁判例もあります。トラブルを防ぐには、制作の契約で、完成した映像の権利と使い方をはっきり決めておくことが大切です。

二次利用の前の確認の手順

ステップやること
1. 使い方を決めるどの素材を、どこで、いつからいつまで、どの地域で使うかを書き出す
2. 契約書を確認する出演者、ナレーター、音楽、制作会社との契約で、その使い方が認められているかを見る
3. 期限を確認する出演者やナレーターの使用期限が切れていないか。期限が近い場合は更新するかを決める
4. 足りない許諾を取る契約にない使い方の場合は、各権利者に相談し、条件と費用を決める
5. 必要に応じて作り替える許諾が取れない部分(音楽、出演者など)を差し替えて、使える版を作る
6. 使う媒体の規定に合わせる画面サイズ、尺、音量、字幕など、媒体ごとの形式に変換する

よくある「使えない」ケース

・使用期限が過ぎている:出演者の契約が切れたCMは、テレビだけでなく、Webサイトや店頭でも使えなくなります。期限が過ぎたまま自社サイトに残っていないか、定期的に確認します。

・契約が「テレビのみ」になっている:テレビCMとして契約した出演者や音楽を、Web広告やSNSで使う場合は、追加の許諾が必要になることがあります。

・動画の契約で、写真の使用が含まれていない:CMの一場面をポスターやチラシに使う場合、静止画での使用が契約に入っているかを確認します。

・既存曲を使っている:市販の曲をBGMに使ったCMは、使う場所や期間を広げるたびに、改めて許諾が必要になる場合があります。

二次利用しやすいCMの作り方

1. 契約の段階で、使う予定の媒体をまとめて決める。テレビ、TVer、SNS、自社サイト、店頭、展示会、ポスターなど、使う可能性のある場所を最初にすべて伝えます。あとから広げるより、手続きと費用を抑えやすくなります。

2. 音楽はオリジナル曲や権利処理ずみの音源を選ぶ。使う範囲を広げやすくなります。

3. テロップなしの素材も納品してもらう。文字の入っていない「白素材」があれば、別の媒体や言語に合わせて文字を入れ直せます。

4. 撮影のときに写真も撮っておく。ポスターやWebで使う写真を同じ日に撮れば、出演者やスタッフをもう一度集める必要がありません。

5. 縦型や短い尺の版も一緒に作る。SNSや店頭のサイネージで使いやすくなります。撮影の考え方はテレビCMとWeb動画の作り分けで解説しています。

素材の管理表をつくる

CMや撮影の写真が増えてくると、どの素材をどこまで使えるのかがわからなくなりがちです。素材ごとに、次のような管理表を作っておくと安心です。

項目記入する内容
素材名CMのタイトル、尺(30秒・15秒など)、写真の名前
出演者・ナレーター名前と所属事務所、契約の担当者
使える媒体と地域テレビ、Web、SNS、店頭、ポスター、全国・地域限定など
使用期限出演者・ナレーター・音楽ごとの期限
音楽オリジナル曲か、権利処理ずみの音源か、既存曲か。利用条件
いま使っている場所Webサイトのページ、店頭のモニター、SNSのアカウントなど

「いま使っている場所」まで記録しておくと、期限が来たときに、どこから外せばよいかがすぐにわかります。

二次利用にかかる費用の考え方

二次利用の費用は、主に次の2つです。

・権利の費用:出演者やナレーター、音楽の使用範囲を広げたり、期間を延ばしたりするための費用です。条件によって大きく変わるため、権利者に確認してお見積もりします。

・作り替えの費用:尺の変更、画面サイズの変換、テロップの差し替えなどの編集費です。フリーザロックエージェントの料金の目安(概算・税別)では、既存CMの修正・尺違い・配信用への変換は約5万円〜50万円です。

費用の全体像はCM制作の費用相場をご覧ください。

よくある疑問

Q. 自社のWebサイトに載せるだけなら、許可はいりませんか?

自社のサイトでも、インターネットで公開することになるため、出演者やナレーター、音楽の契約で認められているかを確認します。テレビ放送だけの契約では、含まれていないことがあります。

Q. 社内の研修や会議で流すだけでも、確認が必要ですか?

社外に公開しない使い方でも、契約の内容によっては確認が必要です。使う場面と範囲を伝えて、念のため確認しておくと安心です。

Q. 制作会社が変わっても、昔のCMを編集できますか?

映像の権利と、編集用の元データがどこにあるかによります。制作を依頼するときに、完成した映像の権利と、元データ(編集前の素材やプロジェクトファイル)の扱いを決めておくと、あとで別の会社に依頼するときにも困りません。

Q. 使用期限が切れた出演者だけを、別の人に差し替えられますか?

差し替えるには、その人が映っているカットを撮り直すか、別の映像に置き換える必要があります。費用と手間がかかるため、更新するか、新しいCMを作るかと比べて判断します。

まとめ:使う前に「権利・契約・期限」を確かめる

・CM素材をWeb、店頭、展示会、ポスターなどで使うのが二次利用

・出演者、ナレーター、音楽、映像そのものの4つの権利と契約を確認する

・契約にない使い方は追加の許諾が必要。使用期限が過ぎた素材は、どこでも使えなくなる

・最初の契約で使う媒体をまとめて決め、白素材や写真、縦型の版も用意すると使い回しやすい

フリーザロックエージェントでは、出演者やナレーターの使用期間の管理から、配信用・店頭用への作り替えまでお引き受けしています。表現と権利の基本は広告の表現で注意したい法律と権利、TVerでの使い方はTVer広告のサービスページをご覧ください。

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