「WEB広告から何件の問い合わせが来ているのか、正しくわからない」
「GA4と広告の管理画面で数字が違うのはなぜ?」
結論から申し上げると、WEB広告の成果を正しく知るには、「何を成果として数えるか」を決め、広告のタグとGA4(Googleアナリティクス4)の両方で数えられるようにしておくことが大切です。数え方が整っていないと、どの広告が効いているのかがわからず、改善も自動の入札もうまく働きません。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、コンバージョン計測の基本、GA4の「キーイベント」と広告の連携、数字がずれる理由と確かめ方をまとめます。
コンバージョン計測とは
コンバージョンは、広告で増やしたい成果のことです。問い合わせ、資料請求、購入、来店予約、電話などが当てはまります。コンバージョン計測は、広告を見たりクリックしたりした人が、そのあと成果に至ったかを数える仕組みです。
Google 広告ヘルプでは、計測を使う理由として次の点を挙げています。
・成果につながっているキーワード、広告、広告グループ、キャンペーンを把握できる
・投資に対する成果を把握し、広告費の配分を判断できる
・成果をもとに自動で入札を調整する「スマート自動入札」を使える
・広告をクリックしたのとは別のデバイスやブラウザで申し込んだ件数もわかる
何を成果として数えるかを決める
最初に、事業にとって大切な行動を決めます。成果は1つにしぼる必要はありませんが、「いちばん大切な成果」と「その手前の行動」を分けておくと、評価がしやすくなります。
| 区分 | 例 | 使い方 |
|---|---|---|
| いちばん大切な成果 | 問い合わせの送信、購入の完了、予約の完了 | 広告の評価と自動入札の目標にする |
| 手前の行動 | 料金ページの閲覧、資料のダウンロード、電話ボタンのタップ | 成果が少ないときの参考にする |
計測の主な方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 広告媒体のタグ | Google 広告、SNS広告などが提供するタグをサイトに設置し、成果を数える |
| GA4のキーイベント | GA4で計測したイベントのうち、大切なものに印をつけて数える。Google 広告に取り込むこともできる |
| 電話の計測 | 専用の電話番号や、電話ボタンのタップで数える |
| オフラインの成果の取り込み | 問い合わせのあとに店舗や営業で決まった受注などを、あとから広告の管理画面に取り込む |
GA4の「キーイベント」とは
GA4では、サイトでの行動を「イベント」として記録します。そのうち、事業の成果にとって特に大切なものに印をつけたものが「キーイベント」です。以前は、GA4でも「コンバージョン」と呼ばれていましたが、「キーイベント」という名前に変わりました(アナリティクス ヘルプ)。
なお、以前のGoogleアナリティクス(ユニバーサル アナリティクス)は、2024年7月1日の週以降、データにアクセスできなくなっています。今はGA4で計測する必要があります。
キーイベントをGoogle 広告に取り込む流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. イベントを計測する | 問い合わせの送信などを、GA4のイベントとして記録する |
| 2. キーイベントにする | 大切なイベントに、キーイベントの印をつける |
| 3. アカウントをリンクする | Google 広告とGA4のプロパティをリンクする |
| 4. 取り込む | Google 広告で、キーイベントをもとにコンバージョンを作る |
Google 広告ヘルプによると、取り込めるのはキーイベントの印がついたイベントだけです。リンクやキーイベントの設定のあと、Google 広告に取り込みの選択肢が出るまで、24〜48時間ほどかかることがあります。
計測の精度を高める機能
拡張コンバージョン。Google 広告の機能で、フォームに入力されたメールアドレスなどの情報を、SHA256という方法でハッシュ化(元に戻せない形に変換)して送り、計測の精度を補います(Google 広告ヘルプ)。
同意モード。利用者がCookieなどの利用に同意したかどうかを、Googleのタグに伝える機能です。利用者の選択に合わせて、タグの動きが調整されます(Google 広告ヘルプ)。
どちらも、利用者の情報の扱いに関わる機能です。プライバシーポリシーでの説明とあわせて、導入を検討します。
GA4と広告の管理画面で数字が違う理由
GA4と広告の管理画面では、成果の数が一致しないことがよくあります。主な理由は次のとおりです。
・成果の数え方が違う:広告の管理画面は、広告に接した人の成果を、その広告の成果として数えます。GA4は、さまざまな入口(検索、SNS、直接の訪問など)にまたがって成果を割り振ります。
・数える期間が違う:広告をクリックしてから何日以内の成果を数えるか(ルックバック ウィンドウ)の設定が違うと、数字が変わります。
・日付の基準が違う:広告をクリックした日で数えるか、申し込みをした日で数えるかで、日ごとの数字がずれます。
・同意や計測の制限:利用者の同意の状況や、ブラウザの設定によって、計測できない成果があります。
数字の違いがあること自体は、珍しくありません。大切なのは、どちらの数字で何を判断するかを決めておくことです。たとえば、広告ごとの改善は広告の管理画面で、サイト全体の流れはGA4で見る、といった使い分けをします。
設定したら必ず確かめる
・テストで送信する:実際に問い合わせフォームを送信し、広告の管理画面とGA4の両方で数えられるかを確かめます。
・二重に数えていないか:同じ成果を、広告のタグとGA4からの取り込みの両方で、評価の対象にしていないかを確かめます。
・完了ページの変更に注意:サイトの改修でフォームや完了ページが変わると、計測が止まることがあります。改修のあとは必ず確かめます。
・自動入札の学習期間:Google 広告ヘルプによると、スマート自動入札には標準で7〜14日間の学習期間があります。この期間中は、成果の設定や目標を何度も変えないようにします。
業種別の「成果」の決め方の例
| 業種 | いちばん大切な成果の例 | 手前の行動の例 |
|---|---|---|
| BtoBのサービス | 問い合わせ、商談の申し込み | 資料のダウンロード、料金ページの閲覧 |
| ネット通販 | 購入の完了(金額もあわせて記録) | カートへの追加、購入手続きの開始 |
| 店舗・クリニック・サロン | 予約の完了、電話の発信 | 店舗ページの閲覧、地図の表示 |
| 住宅・不動産 | 見学会・来場の予約 | 資料請求、物件ページの閲覧 |
| 採用 | 応募の完了 | 募集要項の閲覧 |
ネット通販では、件数だけでなく、購入の金額もあわせて記録すると、広告費に対する売上(ROAS)で評価できます。電話が多い業種では、電話の計測を入れないと、成果を少なく見積もってしまいます。
計測の設定チェックリスト
| 確認すること | チェックの方法 |
|---|---|
| タグが全ページに入っているか | Googleタグなどの確認ツールで、主要なページを確かめる |
| 成果が1回の行動で1件と数えられるか | 完了ページの再読み込みで、二重に数えられないかを試す |
| GA4のキーイベントに印がついているか | GA4の管理画面で、キーイベントの一覧を確かめる |
| Google 広告に取り込まれているか | Google 広告のコンバージョンの一覧で、状態を確かめる |
| 電話の成果も数えているか | 電話ボタンのタップや専用の番号で計測する |
| 利用者への説明はあるか | プライバシーポリシーで、タグの利用を説明しているか確かめる |
よくある質問
Q. GA4だけ入れておけば、広告の計測はできますか?
A. GA4のキーイベントをGoogle 広告に取り込めば、Google 広告の成果として使えます。ただ、SNS広告など、ほかの媒体の自動入札には、それぞれの媒体のタグが必要になることが多いです。使う媒体ごとに、計測の方法を確かめます。
Q. 計測の設定は、自社でできますか?
A. できます。Googleタグマネージャーなどのツールを使うと、サイトのコードを直接書き換えずに、タグを管理できます。ただし、設定を誤ると成果が二重に数えられたり、数えられなかったりします。設定後のテストは必ず行います。
Q. 問い合わせのあとに受注したかどうかも、広告の評価に使えますか?
A. 使えます。問い合わせのあとに営業や店舗で決まった受注を、あとから広告の管理画面に取り込む方法があります。件数だけでなく、受注につながる広告を見極めるのに役立ちます。
Q. 計測を設定したのに、成果が0件のままです。何を確かめればいいですか?
A. まず、完了ページやフォームの送信でタグが動いているかを確かめます。次に、GA4でキーイベントの印がついているか、Google 広告に正しく取り込まれているかを確かめます。設定やリンクのあと、反映までに時間がかかる場合もあります。
Q. サイトを作り直すときに気をつけることは?
A. フォームや完了ページのURLが変わると、計測が止まることがあります。公開の前に、タグの設置場所と成果の数え方を、制作会社と共有しておきます。
まとめ:数え方を整えてから、広告を改善する
・何を成果として数えるかを最初に決め、「いちばん大切な成果」と「手前の行動」を分ける
・GA4では、大切なイベントに「キーイベント」の印をつけ、Google 広告に取り込める
・拡張コンバージョンや同意モードで、計測の精度と利用者への配慮を両立する
・GA4と広告の管理画面の数字はずれるもの。どちらで何を判断するかを決める
・設定のあとは、テストの送信で必ず確かめる
複数の媒体を同じ物差しで比べる方法は広告の効果測定のやり方、費用の考え方はWEB広告の費用相場をご覧ください。


