「駅の柱や通路にずらっと並んだ画面に、広告を出すにはどうすればいいの?」
「駅ジャックって、いくらかかるの?」
結論から申し上げると、駅のデジタルサイネージは、駅の通路や柱、ホームの画面に動画を流す広告です。複数の画面で同じ映像を一斉に流すと、通る人に強い印象を残せます。駅の広告をまとめて1社で使う「駅ジャック」は、新商品の発売やイベントで話題をつくりたいときの方法です。公営交通の公開料金では、駅のサイネージは1週間30万円から、駅ジャックは数百万円からが目安です。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、駅のデジタルサイネージと駅ジャックの仕組み、料金の例、動画の作り方、効果の確かめ方をまとめます。
駅のデジタルサイネージとは
駅のデジタルサイネージは、駅の通路の壁、柱、ホーム、改札の近くなどに設置された画面です。ポスターとちがい、動画を流せます。1つの画面に複数の広告が順番に流れる「ロール」と、すべての枠を1社で使う「ジャック(買い切り)」があります。
電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)では、交通広告費は1,736億円(前年比108.6%)でした。駅の媒体では大型のデジタルサイネージへの出稿の需要が高く、大都市を中心に駅のデジタルサイネージの新設が続いていると報告されています。関西では、大阪・関西万博の開催に合わせて、駅の大型サイネージが多く新設されました。
公開されている料金と仕様の例
| 媒体(事業者) | 画面 | 販売方法・期間 | 料金の例 |
|---|---|---|---|
| 都営ステーションビジョン日比谷(都営地下鉄) | 65インチ×16面 | ロール販売(15秒1枠、全4枠)・7日 | 300,000円(税別) |
| 都営ステーションビジョン日比谷(都営地下鉄) | 65インチ×16面 | ジャック販売(1社買い切り)・7日 | 1,000,000円(税別) |
| 新宿KTビジョン(都営地下鉄) | 65インチ×23面 | ジャック販売・7日 | 2,500,000円(税別) |
| SAPPORO SNOW VISION(札幌市営地下鉄) | デジタルサイネージ | 1ロール2分(15秒×8枠)。2枠続けて30秒も可 | 媒体資料を参照 |
出典:東京都交通局「TOEI AD MEDIA GUIDE 2026」、札幌市交通局「広告メディアガイド」(2026年9月発行)。
都営ステーションビジョン日比谷の場合、ジャック販売は放映月の4か月前の第1営業日から、ロール販売は2か月前の第1営業日から申し込めます。放映は月曜日に始まり、納品は放映開始日の7営業日前の午前中までです。
駅ジャックとは
駅ジャックは、1つの駅の広告スペース(ポスター、柱、壁、サイネージなど)を、1社でまとめて使う広告です。駅を通る人が、どこを見ても同じ広告に出会うため、強い印象と話題を生みます。SNSで写真が広がることもあります。
| 媒体(事業者) | 内容・期間 | 料金の例 |
|---|---|---|
| 六本木スペシャルセット(都営地下鉄 大江戸線 六本木駅) | 駅ジャック(全エリア)・1週間 | 4,000,000円〜(税別) |
| 同上 | ハーフジャック・1週間 | 2,000,000円〜(税別) |
| 大通駅ゲートジャック(札幌市営地下鉄) | 大通駅のゲート部分(南側)・2週間 | 550,000円〜(税込) |
出典:東京都交通局「TOEI AD MEDIA GUIDE 2026」、札幌市交通局「広告メディアガイド」(2026年9月発行)。都営地下鉄の六本木の駅ジャックでも、既存のポスターボードや電飾ボードにはほかの広告が出ると案内されています。どこまでを自社の広告にできるかは、媒体ごとに確認が必要です。
ロールとジャックの使い分け
ロール(複数の広告で枠を分ける)は、少ない予算で駅の画面に出られます。ほかの広告と順番に流れるため、くり返し見てもらうには、放映の回数や期間を確保します。
ジャック(1社で買い切る)は、すべての画面が自社の映像になります。並んだ画面で同じ映像を一斉に流すと、通路全体が1つの大きな広告になります。話題づくりや、ブランドの世界観を見せたいときに向いています。
駅サイネージ用の動画の作り方
音がない前提で作る。駅のサイネージは音が出ないものが多いため、文字と映像だけで伝わる動画にします。
縦型・横型に合わせる。柱の画面は縦型、壁の画面は横型など、媒体ごとに比率がちがいます。テレビCMの横長の映像を、そのまま縦の画面に流すと、文字が小さくなります。
歩く速さで伝わるようにする。通路の画面は、歩きながら数秒だけ見られます。商品と社名は、どの瞬間に見ても目に入るように配置します。
並んだ画面の演出を考える。ジャックでは、複数の画面をつなげて1つの絵に見せる演出もできます。画面の数と並び方を確認してから設計します。
どんなときに向いているか
・新商品の発売、映画やライブの告知:発売日や公開日に合わせて、1週間だけ大きく見せたい場合
・ブランドの世界観を見せる:並んだ画面で、印象的な映像を見せたい場合
・特定の街の人に届ける:オフィス街、繁華街、学生街など、駅の場所で届く人を選ぶ場合
・SNSでの話題づくり:写真を撮りたくなる演出で、駅の外にも広げたい場合
効果の確かめ方
デジタルサイネージは、放映の記録を媒体社から受け取れることがあります。そのうえで、放映の前後で、検索数、サイトへのアクセス、SNSでの投稿や話題の量、売上や来店の変化を比べます。駅ジャックは、SNSに投稿された写真の数や反応も、話題の広がりを見る目安になります。
くわしい測り方はデジタルサイネージ広告の効果の測り方で解説しています。
申し込みの注意点
・人気の駅と時期は早く埋まる:ジャックは4〜5か月前から受け付けが始まる媒体もあります。発売日や公開日が決まったら、すぐに空きを確認します。
・審査と納品の日程に余裕を持つ:動画も事業者の審査を受けます。修正が出ても間に合うように、納品日から逆算して制作します。
・制作費・作業費を見込む:動画の制作費や、ポスター・シートの施工費は、広告料金とは別にかかることがあります。
よくある質問
Q. ロールの1枠は何秒ですか?
媒体によって異なります。都営ステーションビジョン日比谷のロール販売は、15秒1枠(全4枠)です。札幌市営地下鉄のSAPPORO SNOW VISIONは、1ロール2分(15秒×8枠)で、2枠続けて申し込むと30秒で流せます。
Q. 1日だけ出すことはできますか?
駅のサイネージは、1週間単位で申し込む媒体が中心です。都営地下鉄の駅のビジョンは、7日間・月曜日開始です。イベントの当日だけ目立たせたい場合も、その日を含む1週間で申し込むのが一般的です。
Q. 駅ジャックは、いつから申し込めますか?
人気の駅は早くから受付が始まります。都営ステーションビジョン日比谷のジャック販売は、放映月の4か月前の第1営業日から受け付けています(ロール販売は2か月前から)。発売日や公開日が決まったら、すぐに空きを確認します。
Q. 音は出せますか?
駅のデジタルサイネージは、音が出ない媒体が多くあります。音が出せるかどうかは媒体ごとに確認し、音がなくても伝わる動画を基本にします。
まとめ:並んだ画面と駅ジャックで、駅を1つの大きな広告にする
・駅のサイネージは、ロールで少ない予算から、ジャックで大きく使える
・公開料金の例では、ロール1週間30万円(税別)から、ジャックは100万〜数百万円
・音がない前提で、画面の比率と歩く速さに合わせて動画を作る
・人気の駅と時期は早く埋まるため、4〜5か月前から動く
交通広告の全体像は交通広告の種類と選び方、街の大型ビジョンは街頭ビジョン広告の出し方をご覧ください。


