プログラマティックDOOHとは|街のサイネージ広告を自動で買うしくみと注意点

「プログラマティックDOOHって、何のこと?」

「WEB広告みたいに、街のサイネージの広告を細かく買えるの?」

結論から申し上げると、プログラマティックDOOHは、街や駅、店舗のデジタルサイネージの広告枠を、WEB広告と同じように自動で買って配信するしくみです。「1週間まとめて買う」のではなく、場所・曜日・時間帯などを選んで、必要な分だけ配信できます。電通「2025年 日本の広告費」でも、本格的に広がる段階に入ったと報告されています。少ない予算から試しやすい一方で、効果の測り方を出稿前に決めておくことが大切です。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、プログラマティックDOOHのしくみ、従来の買い方とのちがい、向いている使い方、注意点と効果の測り方をまとめます。

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DOOHとプログラマティックの意味

DOOH(デジタルOOH)。OOHは「家の外で見る広告」のことです。そのうち、街頭の大型ビジョン、駅の画面、商業施設や店舗の画面など、デジタルの画面に流す広告をDOOH(Digital Out of Home)と呼びます。

プログラマティック。広告枠の売り買いを、システムで自動的に行うことです。WEB広告では、広告を出したい側のシステム(DSP)と、広告枠を売る側のシステム(SSP)がつながり、条件に合う枠が自動で買われます。これをデジタルサイネージの広告枠でも行うのが、プログラマティックDOOHです。

電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)では、屋外広告費は3,042億円(前年比105.3%)でした。ネットワーク型のデジタルOOH媒体では、広告取引や配信を自動化するプログラマティックDOOHが本格普及の段階に入り、小売・流通業の店舗内サイネージなどリテールメディアとの連携も加速したと報告されています。

従来の買い方とのちがい

項目従来の買い方プログラマティックDOOH
買う単位1週間・1か月など期間でまとめて配信の回数(表示の量)で、必要な分だけ
選べる条件場所と期間場所、曜日、時間帯など。媒体によっては天気などの条件も
申し込み媒体社に空きを確認し、仮押さえDSPで条件を設定して配信
始められる予算媒体の最低料金から比較的少ない予算から試せる
変更期間中の変更はむずかしい配信中に条件や予算を見直せる

すべてのサイネージがプログラマティックで買えるわけではありません。人気の大型ビジョンのように、従来どおり期間で買う媒体も多くあります。

どうやって「見た人の数」を出すのか

WEB広告は、画面に表示された回数を正確に数えられます。一方、街のサイネージは、画面の前を何人が通ったかを直接数えるのがむずかしい媒体です。

そこでDOOHでは、スマートフォンの位置情報をもとにした人の流れのデータ(人流データ)や、カメラによる通行量の計測などを使って、「その時間に画面の近くにいた人の数」を推計します。この推計した数を、表示の量(インプレッション)として扱う媒体が多くあります。

推計の方法は媒体によってちがいます。異なる媒体の数字を比べるときは、どんな方法で出した数字かを確認することが大切です。

主な買い方の種類

・オープンオークション:条件に合う枠を、ほかの広告主と入札で競って買う方法です。

・プライベートマーケットプレイス(PMP):媒体社が選んだ広告主だけが入札できる方法です。

・プログラマティックギャランティード(PG):配信の量と価格を事前に決めて、確実に配信する方法です。

どの方法が使えるかは、媒体とDSPの組み合わせによって異なります。

向いている使い方

・時間帯で届ける人を選ぶ:朝の通勤時間だけオフィス街の画面に、週末だけ商業施設の画面に、など。

・複数の場所に少しずつ出す:駅、商業施設、店舗など、ちがう種類の画面にまとめて配信する。

・WEB広告とまとめて運用する:すでにDSPで動画やバナーを配信している会社は、同じ管理画面で街の画面への配信も加えられます。

・小さく試してから広げる:まず少ない予算で配信し、反応を見て場所や時間帯を見直す。

・店舗の近くで来店を後押しする:店舗の周辺の画面に絞って配信する。

注意したいこと

・「いつ、どこで流れるか」を細かく決められないことがある:入札で買う場合、条件に合う枠のどこで流れるかは結果しだいです。必ず流したい場所と日時があるなら、期間で買う方法やPGを選びます。

・推計の数字の意味を理解する:インプレッションは推計です。WEB広告の表示回数と同じ意味ではありません。

・画面の種類に合わせた素材が必要:縦型・横型、秒数、音の有無が媒体ごとにちがいます。配信先が増えるほど、素材の種類も増えます。

・審査がある:プログラマティックでも、媒体社や設置場所の審査があります。屋外の画面では、場所の決まりで流せない表現もあります。

・総額で比べる:媒体費のほかに、DSPの利用料などの費用がかかります。従来の買い方と比べるときは、総額で比べます。

効果の測り方

段階見ること方法の例
流れたか配信の記録場所、日時、回数のレポート
届いたか推計のインプレッション人流データなどをもとにした推計値
動いたか来店、検索、サイト訪問位置情報を使った来店の計測(媒体による)、検索数やアクセスの変化

来店の計測などは、配信の前に設計しておかないと、あとから測ることができません。何を成果とするかを先に決めます。デジタルサイネージの効果の測り方は、デジタルサイネージ広告の効果の測り方でくわしく解説しています。

従来の買い方と組み合わせる

プログラマティックDOOHは、細かく、柔軟に配信できるのが強みです。一方で、イベントの当日に渋谷の大型ビジョンで必ず流したい、といった「場所と日時を確実に押さえる」目的には、従来の期間で買う方法が向いています。話題づくりは大型ビジョンで確実に押さえ、周辺の駅や店舗の画面にはプログラマティックで広げる、という組み合わせもできます。

よくある質問

Q. どのくらいの予算から始められますか?

媒体やDSP、配信の条件によって変わります。期間でまとめて買う従来の方法より少ない予算から試しやすいのが特長ですが、配信の量が少なすぎると効果を判断しにくくなります。目的と測りたいことから、必要な配信の量を逆算します。

Q. 街頭の大型ビジョンも、プログラマティックで買えますか?

一部の大型ビジョンは、プログラマティックで買えるようになっています。ただし、人気の大型ビジョンは期間で販売されることも多く、媒体ごとに確認が必要です。

Q. 来店の計測はできますか?

位置情報のデータを使って、広告が流れた場所の近くにいた人のうち、店舗を訪れた人の割合などを見るメニューがある媒体もあります。計測の条件は配信の前に決める必要があるため、申し込みの段階で確認します。

Q. 何種類の素材を用意すればいいですか?

配信先の画面の向き(縦・横)、解像度、秒数の種類だけ必要です。配信先を広げるほど素材の種類が増えるため、主な配信先を先に決め、必要な素材を整理してから制作します。

まとめ:サイネージの広告を、条件を選んで必要な分だけ配信する

・プログラマティックDOOHは、デジタルサイネージの広告枠を自動で買って配信するしくみ

・場所、曜日、時間帯などを選び、少ない予算から試せる

・見た人の数は、人流データなどをもとにした推計。方法を確認して比べる

・確実に押さえたい場所と日時は従来の買い方、広げる部分はプログラマティック、と使い分ける

OOH広告の全体像はOOH広告とは、WEB広告の種類はWEB広告の種類と選び方をご覧ください。

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