「ラジオCMのBGMは、好きな曲を使ってもいいの?」
「ナレーターの声は、どうやって選べばいいの?」
結論から申し上げると、ラジオCMの音楽と声は「どんな印象を残したいか」で選び、あわせて「権利」をはじめに確認することが大切です。市販の曲を使う場合は、作者側への使用料と、レコード会社などの許諾が別に必要になります。声の出演者にも権利があるため、使う範囲と期間を決めてから依頼します。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、ラジオCMのBGMの選び方と権利、ナレーター・声優の選び方、サウンドロゴの考え方をまとめます。
ラジオCMは「音」で印象が決まる
ラジオCMには映像がありません。そのため、声の感じと音楽の雰囲気が、そのまま会社や商品の印象になります。明るい声とテンポのよい音楽なら元気な印象に、落ち着いた声と静かな音楽なら信頼感のある印象になります。
ラジオを聞く人は少なくありません。ビデオリサーチの調査(首都圏12〜69才、2023年8月度)では、1週間にラジオを聴いた人は52.0%、リスナーの1週間の聴取時間は11時間12分でした。耳に残る音づくりは、くり返し流すCMで特に大切です。
BGMの選び方と権利
BGMには、大きく3つの選び方があります。
| 選び方 | 特徴 | 権利で確認すること |
|---|---|---|
| オリジナル曲を作る | CMの秒数や雰囲気にぴったり合わせられる。ほかと重ならない | 曲の権利をだれが持つか、どこまで使えるかを契約で決める |
| 権利処理ずみの素材(ライブラリ音源)を使う | すでにある曲から選ぶので、手軽に使える | 利用規約で、放送やradiko・WEBでの広告利用ができるかを確かめる |
| 既存曲(市販の曲)を使う | 知られている曲なら、聞いた人の気持ちを動かしやすい | 作者側への使用料と、レコード会社などの許諾が別に必要 |
既存曲を使うときの注意
既存曲を広告に使う場合は、次の2つの手続きが必要です。
・曲(作詞・作曲)の権利:JASRACでは、広告目的で既存曲を使う場合の使用料を、作者や音楽出版社が指定する金額(指し値)としています。申し込みは、利用を始める日の前日までです。
・音源(録音されたもの)の権利:市販のCDや配信の音源をそのまま使う場合は、レコード会社などが持つ「著作隣接権」の許諾も別に必要です。
使用料は曲によって異なり、許諾が得られない場合もあります。既存曲を使いたい場合は、早めにご相談ください。
ナレーター・声優の選び方
声は、商品と届けたい人に合わせて選びます。
| 見るポイント | 考え方 |
|---|---|
| 声の印象 | 明るい、やさしい、落ち着いた、力強いなど。会社や商品のイメージに合わせる |
| 年代感・性別 | 届けたい人が親しみを持てる声か。あえて意外性のある声にする方法もある |
| 話し方 | 語りかけるように話すか、テンポよく元気に話すか |
| 聞き取りやすさ | 車の中や家事をしながらでも、名前や用件がはっきり聞こえるか |
| 人数と形式 | 1人のナレーションか、会話やドラマ仕立てにするか |
候補の声は、サンプル音声を聞いて比べるのがおすすめです。台本の一部を実際に読んでもらうと、仕上がりのイメージがつかみやすくなります。
声の出演者にも権利がある
文化庁は、ナレーターや声優などの「実演家」に、録音権・放送権・送信可能化権などの「著作隣接権」があると説明しています。送信可能化権は、インターネットで配信できる状態にすることに関わる権利です。
そのため、ラジオ放送だけで使うのか、radikoやポッドキャストの音声広告、WEBの動画でも使うのか、いつまで使うのかを、出演をお願いする前に決めておきます。あとから使う範囲を広げると、あらためて取り決めが必要になることがあります。タレントを起用する場合は、起用料も別にかかります。
サウンドロゴとは
サウンドロゴは、社名や商品名を短いメロディや音にのせたものです。CMの最後などに流すと、名前を音と一緒に覚えてもらいやすくなります。
| 種類 | 内容 | 使い方 |
|---|---|---|
| サウンドロゴ | 社名・商品名を短いメロディや音にしたもの | CMの最後などで、毎回同じ形で流す |
| ジングル | 短い音楽のフレーズ。場面の切りかえや合図に使う | CMの始まりやつなぎで、雰囲気をつくる |
| 効果音 | ドアの音、電話の音など、場面をあらわす音 | 映像のかわりに、状況を想像してもらう |
サウンドロゴを作るときは、次の点を考えます。
・名前がはっきり聞こえる:メロディにのせても、社名や商品名が聞き取れることが大切です。
・いろいろな場面で使える:ラジオだけでなく、テレビ、WEB動画、店頭などでも使えると、同じ音で覚えてもらえます。
・権利をはっきりさせる:作曲や歌唱をお願いした人とのあいだで、権利と使える範囲を決めておきます。
放送とデジタル音声広告の両方を考える
ラジオは、放送だけでなくインターネットでも聞かれています。radikoは月間約850万人が利用し(radiko、2026年7月発表)、1日の平均利用時間は約150分です(2026年1月時点)。電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月)では、ラジオデジタルの広告費が38億円(前年比111.8%)となり、ポッドキャストなど音声メディアでのデジタル展開が注目されています。
はじめから放送とデジタルの両方で使う前提で、音楽と声の権利を取り決めておくと、あとから広げやすくなります。radikoやポッドキャストの広告はデジタル音声広告、放送枠はラジオCMの放送枠のページをご覧ください。
まとめ:印象と権利の両方で選ぶ
・ラジオCMは映像がないため、声と音楽がそのまま印象になる
・BGMはオリジナル曲、権利処理ずみの素材、既存曲から選ぶ。既存曲は使用料と音源の許諾が別に必要
・声は印象と聞き取りやすさで選ぶ。出演者の権利があるため、使う範囲と期間を先に決める
・サウンドロゴは、名前を音で覚えてもらう方法。ほかの媒体でも使える形にする
制作費と流れはラジオCM制作の費用と流れ、台本の作り方はラジオCMの台本の書き方をご覧ください。

