「ラジオCMの台本って、どう書けばいいの?」
「20秒や40秒で、ちゃんと伝わるのか不安」
結論から申し上げると、ラジオCMの台本は「耳だけで、1回聞いてわかる」ことがいちばん大切です。伝えることを1つにしぼり、名前と用件をくり返し、聞きまちがえにくい言葉を選びます。また、放送前には放送局の「考査」があるため、根拠のない表現は使わないように書きます。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、ラジオCMの台本の構成の型、耳でわかる言葉選び、電話番号やURLの伝え方、考査で注意する表現をまとめます。
ラジオCMの台本の特徴
ラジオCMには、映像も文字もありません。聞く人は、声と音だけで内容を受け取ります。しかも、多くの人は何かをしながら聞いています。
ビデオリサーチの調査(2017年4月度・首都圏)では、ラジオを聴いた場所のうち「車の中」が31.0%でした(少し古いデータです)。運転や家事、仕事をしながら聞いている人に届くように書くことが大切です。
CMの長さは、スポットCMでは20秒が多く使われます。局の料金表には、20秒・30秒・40秒・60秒などの秒数があります。
伝わる構成の型
短いCMでも、次の流れを意識すると伝わりやすくなります。
| パート | 役割 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 1. つかみ | 耳を向けてもらう | 呼びかけ、問いかけ、効果音などで「自分のことだ」と思ってもらう |
| 2. 名前 | だれのCMかを伝える | 会社名・商品名・店名を、はっきり読む |
| 3. 用件 | いちばん伝えたいこと | 1つにしぼる。セール、開店、新商品、募集など |
| 4. 行動 | 聞いたあとにしてほしいこと | 「検索」「来店」「電話」など、1つにしぼって伝える |
| 5. 名前のくり返し | 覚えてもらう | 最後にもう一度、名前を伝える |
20秒と40秒の書き分け
| 秒数 | 向いている内容 | 書き方 |
|---|---|---|
| 20秒 | 名前を覚えてもらう、1つの用件を伝える | つかみは短く。名前・用件・行動を中心にする |
| 40秒 | 理由や特長も伝えたい、会話でストーリーを見せたい | 用件の理由や特長を1つ加える。会話形式やドラマ仕立てもできる |
秒数が長くなっても、伝えることを増やしすぎないのがコツです。情報を詰めこむと早口になり、かえって何も残らなくなります。台本ができたら、声に出して時間を測り、ゆっくり読めるかを確かめます。
名前と用件はくり返す
ラジオは、聞きのがしても巻き戻せません。途中から聞きはじめる人もいます。そのため、いちばん覚えてほしい名前と用件は、くり返して伝えます。
・名前は最初と最後に:冒頭で名前を出し、最後にもう一度伝えると記憶に残りやすくなります。
・同じ言い方でくり返す:言い方を変えると、別のものに聞こえることがあります。名前やキーワードは、毎回同じ言い方にします。
・サウンドロゴと組み合わせる:名前を短い音のフレーズにした「サウンドロゴ」を使うと、耳に残りやすくなります。
耳で聞いてわかる言葉選び
| 注意すること | 例 | 言いかえの例 |
|---|---|---|
| 同音異義語(読みが同じで意味がちがう言葉) | 「市立」と「私立」、「科学」と「化学」 | 「いちりつ」「わたくしりつ」と読み分ける。別の言葉に言いかえる |
| 漢字の熟語が続く | 「期間限定特別価格提供」 | 「今だけの、特別な価格です」のように、ひらいて話し言葉にする |
| 長い数字 | 細かい金額、日付や時間がいくつも続く | 伝える数字を1つにしぼる。くわしくは「ホームページで」と案内する |
| 聞きなれない言葉・略語 | 業界用語、アルファベットの略称 | ふだんの言葉で説明する。略称を使うなら読み方をはっきりさせる |
| 長い文 | 「〜で、〜なので、〜のため」と続く文 | 1文を短く切る。主語と結論を先に言う |
電話番号やURLの伝え方
電話番号やURLは、運転中などでは書きとめられません。耳だけで覚えられるかを考えて伝えます。
・検索の言葉で案内する:URLを読み上げるより、「〇〇で検索」と、覚えやすい言葉で案内するほうが伝わりやすくなります。検索したときに、きちんと自社のページが出るかも確かめておきます。
・電話番号はくり返す:電話番号を伝える場合は、区切りを入れてゆっくり読み、くり返します。語呂合わせのある番号なら、それを使います。
・案内は1つにしぼる:電話も、WEBも、店舗も……と並べると、どれも残りません。いちばんしてほしい行動を1つ選びます。
考査で注意する表現
放送局は、放送基準にもとづいて、CMの表現を確認します(考査)。公正取引委員会の相談事例(令和6年度)でも、放送局が放送基準にもとづいて表現考査を行うことが示されています。放送基準には、たとえば「広告は真実を伝えること」「誤解(錯誤)を起こさせる表現はしないこと」といった考え方が定められています。
一般的に、次のような表現は注意が必要です。
| 表現の種類 | 例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 誇大な表現 | 「最高」「絶対」「必ず〜できる」 | 実際より良く見せる表現は避ける |
| 根拠のない表示 | 「No.1」「日本一」「業界初」 | 使う場合は、調査の出典や条件など根拠を確認し、伝え方を考える |
| 効果・効能の言い切り | 「これを飲めば〜が治る」 | 商品によっては法律の決まりもある。言い切らない |
| 他社をおとしめる比較 | 「ほかの店より〜」 | 根拠のない比較や、他社を悪く言う表現は避ける |
| 誤解をまねく価格表示 | 「今だけ半額」など条件のあいまいな表現 | 期間や条件をはっきりさせる |
判断は放送局ごとに異なります。台本の段階で確認しておくと、収録後の作り直しを避けやすくなります。
まとめ:1回聞いてわかる台本にする
・ラジオは「ながら聞き」が多い。耳だけで1回聞いてわかるように書く
・構成は「つかみ→名前→用件→行動→名前のくり返し」が基本
・同音異義語や長い数字は避け、電話番号やURLは覚えやすく伝える
・誇大な表現や根拠のない表示は、考査で修正を求められることがある
制作費と流れはラジオCM制作の費用と流れ、音楽と声の選び方はラジオCMの音楽・ナレーターの選び方をご覧ください。

