「会議でCPAやROASと言われても、正直よくわからない」
「代理店のレポートに出てくる指標の意味と計算式を知りたい」
結論から申し上げると、マーケティングの指標は「目標を表す指標(KGI・KPI)」「費用対効果の指標(CPA・ROASなど)」「WEBの指標(CTR・CVRなど)」「お客様の価値の指標(LTVなど)」「マス広告の指標(リーチ・GRPなど)」に分けると覚えやすくなります。大切なのは、言葉の意味だけでなく、社内や依頼先と「何を何で割った数字か」をそろえることです。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、マーケティングと広告でよく使う指標の意味と計算式を、例とあわせてまとめます。
目標を表す指標
| 指標 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| KGI | 最終的に達成したい目標。「重要目標達成指標」の略 | 年間の売上、新規受注件数 |
| KPI | KGIに向けた途中の進み具合を測る数字。「重要業績評価指標」の略 | 問い合わせ数、商談数、来店数 |
| KPIツリー | KGIを掛け算・足し算で分け、KPIまでつなげた図 | 売上=受注件数×平均単価 |
| CV(コンバージョン) | 広告やサイトで目標とする行動。「成果」とも呼ぶ | 購入、問い合わせ、資料請求、応募 |
費用対効果の指標
| 指標 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
| CPA | 成果1件あたりの費用 | 広告費 ÷ 成果の数 |
| CPO | 注文1件あたりの費用 | 広告費 ÷ 注文数 |
| CPC | クリック1回あたりの費用 | 広告費 ÷ クリック数 |
| CPM | 広告の表示1,000回あたりの費用 | 広告費 ÷ 表示回数 × 1,000 |
| ROAS | 広告費に対する売上の割合 | 広告から生まれた売上 ÷ 広告費 × 100(%) |
| ROI | 投資に対する利益の割合 | (利益 − 投資額)÷ 投資額 × 100(%) |
たとえば、広告費50万円で問い合わせが25件、そこから生まれた売上が200万円なら、CPAは2万円、ROASは400%です。数字は説明のための例です。
ROASは売上で見るため、利益が残っているかはわかりません。利益率が低い商品では、ROASが高くても赤字になることがあります。利益まで見る場合はROIを使います。
WEBの指標
| 指標 | 意味 | 計算式・補足 |
|---|---|---|
| インプレッション(imp) | 広告が表示された回数 | 同じ人に何度表示されても回数に数える |
| CTR(クリック率) | 表示された広告がクリックされた割合 | クリック数 ÷ 表示回数 × 100(%) |
| CVR(コンバージョン率) | 訪問やクリックが成果につながった割合 | 成果の数 ÷ 訪問数(またはクリック数)× 100(%) |
| PV(ページビュー) | ページが見られた回数 | 1人が5ページ見れば5PV |
| UU(ユニークユーザー) | 一定の期間にサイトを訪れた人の数 | 同じ人の訪問は1人として数える |
| セッション | サイトへの訪問の回数 | 1人が2回訪れれば2セッション |
| 直帰率 | 最初のページだけ見て離れた割合 | ツールによって定義が異なる |
| 指名検索 | 社名や商品名での検索 | テレビCMや新聞などの効果を見る目安になる |
お客様の価値を表す指標
| 指標 | 意味 | 計算式の例 |
|---|---|---|
| LTV(顧客生涯価値) | 1人のお客様が、取引を続ける間にもたらす売上や利益 | 平均の購入単価 × 年間の購入回数 × 続く年数 |
| 客単価 | お客様1人あたりの購入額 | 売上 ÷ お客様の数 |
| リピート率 | もう一度購入・来店したお客様の割合 | 2回目以降のお客様 ÷ 全体のお客様 × 100(%) |
| 解約率(チャーンレート) | 一定の期間に契約をやめたお客様の割合 | 解約数 ÷ 期間の初めの契約数 × 100(%) |
LTVがわかると、新しいお客様1人を得るのにいくらまでかけてよいかを考えられます。1回の購入だけを見ると高く見えるCPAでも、長く続くお客様なら十分に回収できることがあります。
SNS・動画の指標
| 指標 | 意味 | 補足 |
|---|---|---|
| リーチ(SNS) | 投稿や広告が表示された人の数 | 表示回数とは違い、同じ人は1人として数える |
| エンゲージメント | いいね、コメント、シェア、保存など、投稿への反応 | 何を反応に含めるかは、SNSによって異なる |
| エンゲージメント率 | 反応の数を、表示回数やリーチ、フォロワー数で割った割合 | 何で割るかで数字が大きく変わるため、計算のしかたをそろえる |
| 再生回数 | 動画が再生された回数 | 何秒以上で1回と数えるかは、媒体によって異なる |
| 視聴完了率 | 動画を最後まで見た人の割合 | 短い動画ほど高くなりやすい。同じ尺どうしで比べる |
| フォロワー数 | アカウントをフォローしている人の数 | 増えた数と、やめた数をあわせて見る |
SNSや動画の指標は、媒体ごとに数え方が違う点に注意が必要です。同じ「再生回数」でも、媒体をまたいで単純に足したり比べたりすると、判断を誤ります。
テレビ・新聞・雑誌などマス広告の指標
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| リーチ(到達率) | 広告に1回以上ふれた人の割合や人数 |
| フリークエンシー | 広告にふれた人が、平均で何回ふれたか |
| GRP(延べ視聴率) | テレビCMの視聴率を、放送した回数の分だけ足したもの。リーチ×フリークエンシーとほぼ同じ量を表す |
| 世帯視聴率・個人視聴率 | テレビを見ていた世帯の割合と、個人の割合 |
| 発行部数 | 新聞や雑誌が発行された部数。雑誌では、日本雑誌協会が公表する「印刷証明付き部数」などがある |
| 広告注目率 | 読者のうち、広告を確かに見た人の割合。雑誌広告の効果測定調査などで使われる |
マス広告の指標は、WEBのクリックのように成果を直接たどれません。そのため、指名検索の数や、問い合わせ時の「何で知りましたか」の回答とあわせて見ます。
広告の種類と費用に関する言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 媒体費 | テレビ、新聞、WEBなどに広告を出すための費用 |
| 制作費 | CM・動画、原稿、バナー、LPなどを作る費用 |
| 純広告 | 決まった枠に、広告主が作った広告を出すもの |
| タイアップ(記事広告) | 媒体の編集部などが、記事の形で商品を紹介する広告。「PR」などの表記が入る |
| 予約型広告 | 掲載する枠・期間・料金をあらかじめ決めて買う広告 |
| 運用型広告 | 入札や配信の設定を、結果を見ながら調整する広告。検索広告やSNS広告など |
| LP(ランディングページ) | 広告をクリックした人が最初に見るページ。広告の受け皿 |
指標どうしは計算でつながっている
指標は、それぞれ別のものに見えますが、計算でつながっています。つながりを知っておくと、どこを改善すればよいかがわかります。
| つながり | 式 | 読み方 |
|---|---|---|
| クリック数 | 表示回数 × CTR | 表示を増やすか、クリックされやすい広告にする |
| 成果の数 | クリック数 × CVR | クリックを増やすか、ページを改善して成果につなげる |
| CPA | CPC ÷ CVR | クリックの単価を下げるか、成果になる割合を上げる |
| CPM | CPC × CTR × 1,000 | 同じCPMでも、クリック率が高いほどクリック単価は下がる |
たとえばクリック1回あたり100円で、クリックの2%が成果になるなら、CPAは100円÷2%=5,000円です。CVRを3%に上げられれば、同じクリック単価でもCPAは約3,333円に下がります。数字は説明のための例です。
広告の単価を下げる交渉や入札の調整だけでなく、ページの改善でCVRを上げることも、CPAを下げる手段になります。
指標を使うときの注意点
・定義を文章でそろえる:同じ「CV」でも、会社や媒体によって、購入だけを数えるか、資料請求も含めるかが違います。社内と依頼先で定義を決めて共有します。
・媒体の管理画面の数字をそのまま足さない:媒体ごとに成果の数え方が違うため、合計すると実際より多くなることがあります。全体の数字は、自社の解析ツールや受注の記録で数えます。
・目標に近い指標で判断する:表示回数やクリック数は、施策の調子を見るための数字です。予算の判断は、CPAや受注など目標に近い指標で行います。
よくある質問
Q. CPAとCPOは、どう使い分けますか?
CPAは問い合わせや資料請求など、目標とする行動1件あたりの費用です。CPOは、そのうち注文(購入)1件あたりの費用です。通信販売など、すぐに購入につながる商品ではCPOを、検討の期間が長い商品ではCPAを中心に見ます。
Q. ROASは何%あればよいのですか?
商品の利益率によって変わります。たとえば利益率が25%の商品なら、ROASが400%で広告費と利益がちょうど同じになります。自社の利益率から、赤字にならないROASの下限を計算しておきます。
Q. テレビCMの効果を、CPAで比べてもよいですか?
比べることはできますが、テレビCMなどは名前を知ってもらうことで、検索広告などほかの施策の成果を押し上げることもあります。CPAだけでなく、出稿前後の指名検索の数や、全体の問い合わせ数の変化もあわせて見ます。
まとめ:意味と計算式を、関係者でそろえる
・指標は「目標」「費用対効果」「WEB」「お客様の価値」「マス広告」に分けると覚えやすい
・CPAは成果1件あたりの費用、ROASは広告費に対する売上、ROIは投資に対する利益の割合
・LTVがわかると、新しいお客様1人にかけてよい費用を考えられる
・同じ言葉でも定義が違うことがあるため、社内と依頼先で数え方をそろえる
指標を使って媒体どうしを比べる方法は広告の効果測定のやり方、指標を決めて施策を管理する役割はマーケティングPMOとはをご覧ください。


