新聞広告の原稿の作り方|段・割のサイズ、入稿規定とレイアウトのコツ

「新聞広告の原稿は、どんなサイズとデータで作ればいいの?」

「紙面で目に留まるレイアウトのコツを知りたい」

結論から申し上げると、新聞広告の原稿は、①枠のサイズ(段と割)を確かめる、②新聞社の入稿規定(データの形式、色、文字の大きさなど)に合わせる、③「見出し・写真・本文・行動の案内」に要素を絞って組み立てる、の順で作ります。新聞の紙は雑誌やチラシより印刷が粗いため、細い文字や薄い色は読みにくくなります。紙面の特性に合わせた作り方が必要です。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、新聞広告の原稿の作り方を、サイズと入稿規定、原稿の構成、レイアウトのコツ、制作の流れに分けてまとめます。

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原稿サイズの基本:「段」と「割」

新聞広告の大きさは、縦(天地)を「段」、横(左右)を「割」で表します。多くの新聞は1ページを15段に分けており、「全5段」は横幅いっぱいで5段分の高さ、「5段1/2」はその半分の横幅という意味です。

実際の寸法は新聞社によって少しずつ違います。たとえば新潟日報社の「デジタル入稿ガイド」(Ver.4.3、2025年11月)では、朝刊の広告原稿のサイズを次のように定めています。

大きさ縦(天地)横(左右)
全15段(全面)509mm381mm
全10段339mm381mm
全5段168mm381mm
5段1/2168mm189mm
3段1/3100mm126mm
2連版(見開き)全段509mm785mm

※新潟日報社「デジタル入稿ガイド」より(2026年10月に確認)。題字下や突き出しなどの雑報広告は、別のサイズが決められています。

同じ「全5段」でも、新聞社が違えば数mm単位で寸法が変わります。複数の新聞に同じ原稿を出す場合は、それぞれのサイズに合わせてデータを作り分けます。

入稿データの主な規定

新聞広告のデータには、新聞社ごとに入稿規定があります。新潟日報社のガイドを例に、主な項目を挙げます。

項目規定の例(新潟日報社)
データの形式N-PDF形式(PDF/X-1a準拠)。新聞広告向けに作られたPDFの規格
色カラーはCMYK、モノクロはグレースケール。RGBと特色は使えない
インキの総量最大250%
文字の大きさ黒文字・白抜き文字とも4pt以上
線の太さ黒い線は0.1pt以上、白抜きの線は0.4pt以上
二次元コード(QRコード)モノクロで作る(色ずれで読み取れなくなるのを防ぐ)
画像の解像度ラスタライズ(画像化)は300ppi
入稿の締切掲載日の2日前の正午まで(土日祝を除く)

N-PDFの作り方は、日本広告業協会(JAAA)が「新聞広告デジタル制作ガイド」として公開しています。ほかの新聞社でも同じような規格が使われていますが、締切や細かな条件は新聞ごとに異なります。制作を始める前に、掲載する新聞の最新の規定を取り寄せます。

原稿を組み立てる5つの要素

要素役割ポイント
見出し(キャッチコピー)紙面をめくる手を止める読者が「自分のことだ」と思う言葉にする。1つの原稿に1つ
写真・イラストひと目で何の広告かを伝える商品や使う場面が大きく見えるものを1点、大きく使う
本文(ボディコピー)商品の特長や根拠を伝える新聞の読者は文章を読む習慣がある。根拠や数字をていねいに書ける
会社・商品の情報誰の広告かを示す社名、ロゴ、商品名をはっきり入れる
行動の案内問い合わせや来店につなげる電話番号、QRコード、URL、店舗の地図、受付時間など

小さな枠ほど、要素を減らします。3段や記事中の小さな枠に、写真も本文も地図も詰め込むと、どれも読めなくなります。見出しと行動の案内を優先し、詳しい説明はWEBサイトに任せます。

枠の大きさ別の原稿の考え方

大きさ入れられる要素原稿の考え方
全15段(全面)見出し、大きな写真、本文、会社の情報、行動の案内のすべて伝えたいことを1つに絞り、余白を生かして大きく見せる。本文で考えや根拠をじっくり伝える
全5段・全7段見出し、写真、短めの本文、行動の案内横長の形を生かし、左から右へ「見出し→写真→案内」と目が流れる配置にする
3段以下・半分の幅見出し、写真か商品名、行動の案内本文は短く。社名・商品名と問い合わせ先を大きくする
記事中・突出し・題字下見出しと、社名か商品名、連絡先ひと言で何かがわかる言葉と、名前を覚えてもらうことに集中する

小さな枠は、続けて掲載することで名前を覚えてもらう使い方が向いています。同じデザインで続けて出すと、読者に「いつもの広告」として認識されやすくなります。

見出しの作り方

新聞の紙面では、見出しで読者の手を止められるかどうかが、広告が読まれるかを左右します。商品の名前や特長をそのまま書くより、読者の悩みや得になることから書き出します。

伝わりにくい見出しの例読者の目線にした見出しの例
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※見出しは説明のための例です。

新聞の読者は、記事を読むのと同じように広告も読む習慣があります。見出しで関心を持った人が、本文で納得できるよう、見出しと本文の内容をつなげて書きます。

紙面で読みやすくするレイアウトのコツ

細い文字と小さな白抜きは避ける。新聞は紙がやわらかく、インキがにじみやすいため、細い書体や小さな白抜き文字はつぶれて読めなくなることがあります。規定の最低サイズより大きめの文字を使います。

色の差をはっきりつける。新聞の紙は真っ白ではなく、色がやや沈んで見えます。背景と文字の明るさの差を大きくし、薄い色の上に薄い文字を置かないようにします。

余白を怖がらない。周りの記事は文字がぎっしり詰まっています。広告に余白があると、それだけで紙面のなかで目立ちます。

記事とまぎらわしくしない。日本新聞協会の「新聞広告掲載基準」では、編集記事とまぎらわしい体裁・表現で、広告であることが不明確なものは掲載しないとしています。記事のような形で作る場合も、広告であることがわかるようにします。

周りの紙面を想像する。掲載面(社会面、地域面、テレビ欄の面など)によって、読者の気持ちや周りの記事が変わります。どの面に載るかを確かめてから、トーンを決めます。

反響を測る仕組みを原稿に入れる

新聞広告は、WEB広告のようにクリックを数えられません。原稿の段階で、反響を数える仕組みを入れておきます。

・専用の電話番号:新聞広告だけに載せる番号を用意し、かかってきた数を数えます。

・QRコードと専用のURL:新聞専用のページや、どこから来たかがわかる目印をつけたURLを使います。

・クーポン・合言葉:「新聞を見た」と伝えると受けられる特典をつけると、行動のきっかけにもなります。

表現で注意すること

新聞広告は、掲載の前に新聞社の審査(考査)を受けます。効果をうたう表現、「No.1」などの比較の表現、価格の表示などは、景品表示法や薬機法に沿っているか、根拠を示せるかを確かめられます。健康食品や化粧品などは、言える表現の範囲がとくに細かく決まっています。法律の基本は広告の表現で注意したい法律と権利で解説しています。

制作から入稿までの流れ

ステップ内容
1. 枠と規定を確かめる掲載する新聞・面・サイズ・色と、入稿規定・締切を確かめる
2. ラフを作る見出し、写真、本文、行動の案内の配置を手書きや簡単な図で決める
3. 原稿を制作するコピーを書き、写真やイラストを用意して、規定のサイズでデータを作る
4. 審査を受ける新聞社の審査に原稿を出し、修正があれば対応する
5. 入稿する規定の形式でデータを書き出し、締切までに入稿する。カラーは印刷見本が必要な場合がある

締切は「データを入れる期限」です。企画、制作、審査の期間を含めると、掲載希望日の1か月ほど前には準備を始めるのが安心です。

よくある質問

Q. チラシのデータをそのまま新聞広告に使えますか?

そのままでは使えないことがほとんどです。サイズが違うだけでなく、紙と印刷の特性が違うため、文字の大きさ、線の太さ、色の濃さを新聞向けに調整する必要があります。

Q. カラーとモノクロでは、作り方が違いますか?

モノクロは色の差がないため、明るさの差(濃淡)で見出しや写真を目立たせます。カラーで作った原稿をモノクロに変えると、色の違いで分けていた部分が見分けにくくなるため、モノクロ用に作り直します。

まとめ:サイズと規定を先に確かめ、要素を絞る

・新聞広告の大きさは「段」と「割」で表し、寸法は新聞社ごとに少しずつ違う

・データの形式、色、インキの量、文字や線の太さ、締切などの入稿規定を先に確かめる

・原稿は見出し・写真・本文・会社の情報・行動の案内に絞り、小さな枠ほど要素を減らす

・細い文字や薄い色を避け、専用の番号やQRコードで反響を測る仕組みを入れる

新聞広告の基本は新聞広告とは、枠の種類と料金は新聞広告の料金と枠の種類をご覧ください。

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