広告費の会計処理の基本|広告宣伝費・交際費等・資産の区分を国税庁の情報で確認

「広告にかかった費用は、全部『広告宣伝費』にしていいの?」

「看板やノベルティ、CMの制作費は、どう扱えばいいの?」

結論から申し上げると、広告にかかった費用の多くは「広告宣伝費」として、その年の経費(法人税では損金)になります。ただし、得意先への贈り物は「交際費等」になることがあり、長く使う看板や設備は「資産」として何年かに分けて経費にすることがあります。区分によって税金の計算が変わるため、国税庁の情報で考え方を押さえておくことが大切です。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、国税庁が公表している情報をもとに、広告宣伝費の基本、交際費等との区分、資産として扱う場合の考え方をまとめます。実際の処理は、必ず税理士や税務署にご確認ください。

👉 広告費の無料診断『AD Free』のサービス詳細はこちら>>

この記事の前提

この記事は、法人税の取り扱いについて、国税庁のタックスアンサーと法人税基本通達に書かれている内容を、わかりやすくまとめたものです(2026年10月に確認。タックスアンサーは「令和8年4月1日現在法令等」の内容)。個人事業主の所得税や、消費税の取り扱いは含みません。個別の取引の判断は、税理士などの専門家に相談してください。

広告宣伝費とは

広告宣伝費は、商品やサービス、会社を、多くの人に知ってもらうために使う費用です。テレビCMや新聞広告の掲載料、WEB広告の配信費、チラシの印刷費・配布費、広告の制作費などが代表的です。

多くの広告費は、広告を出した年度の経費になります。ただし、次の2つの点で、扱いが変わることがあります。

・だれに向けた支出か:不特定多数の人に向けたものか、特定の取引先に向けたものか。

・どのくらいの期間、使うものか:すぐに使い終わるものか、何年も使うものか。

交際費等との区分

国税庁のタックスアンサー「No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分」では、交際費等を「得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用」と説明しています。

一方で、カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈るために通常かかる費用は、交際費等に含まれず、広告宣伝費になるとされています。また、不特定多数の人への宣伝の効果を意図した、次のような費用も広告宣伝費になるとされています。

広告宣伝費になる例(国税庁 No.5260より)
製造業者や卸売業者が、抽選で一般消費者に金品を渡したり、旅行や観劇に招待したりする費用
製造業者や卸売業者が、金品引換券付きの販売にともない、一般消費者に金品を渡す費用
商品の購入者を旅行などに招待することを、前もって広告していた場合の招待の費用
小売業者が、商品を買った一般消費者に景品を渡す費用
工場の見学者に、製品の試飲・試食をしてもらう費用
得意先に、見本品や試用品を提供するために通常かかる費用
一般消費者にモニターやアンケートを頼んだときの謝礼

注意したいのは、「一般消費者」の範囲です。同じページでは、医師や病院、美容業者・理容業者、大工・左官などの建築業者、農家、鉄工業者などを対象とする場合は、一般消費者を対象としたことにはならないと説明されています。BtoBの取引先に向けた贈り物やキャンペーンは、交際費等になる可能性があるため、とくに注意が必要です。

資産として扱うもの

看板、ネオンサイン、店頭の陳列棚、広告用の車両など、何年も使うものは、買ったときに全額を経費にするのではなく、「減価償却資産」として、使う期間に分けて経費にするのが原則です。

ただし、金額が小さいものや、使う期間が短いものには、まとめて経費にできるルールがあります。

区分内容(国税庁 No.5403・No.5408より)
使用可能期間が1年未満のもの使った年度に、取得価額を損金経理すれば損金になる。国税庁は、テレビ放映用のコマーシャルフィルムは、放映期間が1年未満であれば、これに当たると例示している
取得価額が10万円未満のもの使った年度に、取得価額を損金経理すれば損金になる
取得価額が20万円未満のもの事業年度ごとに合計して、3年間で償却する方法(一括償却資産)を選べる
中小企業者等の特例(40万円未満)青色申告書を提出する中小企業者等が、取得価額40万円未満の資産を令和11年3月31日までに取得等して事業に使った場合、一定の要件のもとで損金にできる。年間の合計300万円が限度

中小企業者等の特例の金額基準は、令和8年4月1日以後に取得等したものから、改正前の30万円未満から40万円未満に引き上げられました。あわせて、従業員数の基準も改正されています。対象となる会社の条件はくわしく決められているため、国税庁のタックスアンサー「No.5408」で確認してください。

取引先に広告用の資産を贈った場合

メーカーなどが、自社の製品を宣伝するために、販売店などに看板やネオンサイン、陳列棚などを贈ることがあります。国税庁の法人税基本通達8-1-8では、こうした「広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用」を、繰延資産(支出の効果が1年以上に及ぶ費用)として扱うことを示しています。

償却の期間は、法人税基本通達8-2-3で、「その資産の耐用年数の7/10に相当する年数(その年数が5年を超えるときは、5年)」とされています。

ホームページや動画の制作費は?

ホームページや広告動画の制作費は、内容や使い方によって扱いが変わることがあります。たとえば、使う期間、プログラムなどの機能の有無、金額によって、経費にするか、資産にするかの判断が分かれます。国税庁のタックスアンサーで一律に示されているわけではないため、個別に税理士へ確認することをおすすめします。

経理で気をつけたいこと

・請求書の内訳を残す:媒体費、制作費、印刷費、ノベルティの費用などが分かれていると、区分の判断がしやすくなります。

・相手と目的を記録する:贈り物やキャンペーンは、だれに、何の目的で渡したかを記録しておくと、広告宣伝費か交際費等かの判断に役立ちます。

・長く使うものは別にまとめる:看板や什器など、何年も使うものは、取得価額と使い始めた日を記録します。

広告費の内訳がわかりやすいことは、経理の面でも大切です。フリーザロックエージェントの「AD Free」では、現在の広告の媒体費・制作費を無料で診断し、内訳と適正な価格を整理してご報告します。

まとめ:だれに向けて、どれだけ使うかで扱いが変わる

・広告にかかった費用の多くは、広告宣伝費としてその年度の損金になる

・特定の取引先への接待や贈答は交際費等になる。カレンダーや手帳などは広告宣伝費(国税庁 No.5260)

・何年も使う看板などは資産になる。10万円未満、20万円未満、中小企業者等の40万円未満の特例などのルールがある

・個別の判断は、国税庁の最新情報を確認し、税理士や税務署に相談する

無料診断の内容と流れはAD Freeのサービスページ、見直しの進め方は広告費削減の7つの方法をご覧ください。

👉 広告費の内訳の整理を相談する>>

>CONTACT

CONTACT

広告や制作物などプロモーションに関わるお悩みは
なんでもお気軽にお問い合わせください!

CTR IMG