「テレビ、新聞、WEB広告……媒体費が高いのか安いのか、どう比べればいいの?」
「料金表の金額だけを並べても、比べている気がしない」
結論から申し上げると、媒体費は「金額」ではなく「1人に届けるのにいくらかかるか」という単価にそろえて比べるのが基本です。よく使われるのが、1,000回の接触あたりの費用(CPM)です。ただし、媒体によって「接触」の中身や数え方が違うため、単価だけでなく、届く人の質や、見られ方の違いもあわせて判断します。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、媒体費を比べるための単価の出し方、媒体ごとの数字の違い、比べるときの注意点をまとめます。
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金額だけでは比べられない理由
媒体費は、媒体によって「何を買っているか」が違います。テレビCMなら放送の枠、新聞なら紙面の大きさ、交通広告なら掲出の場所と期間、WEB広告なら表示やクリックの回数です。買っているものが違うため、金額をそのまま並べても、どちらがお得かはわかりません。
そこで、媒体費を「届いた量」で割って、単価にそろえて比べます。
比べるときに使う主な単価
| 単価 | 計算式 | 使う場面 |
|---|---|---|
| CPM(1,000回の接触あたりの費用) | 媒体費 ÷ 接触の回数 × 1,000 | 認知を目的とする広告の比較 |
| リーチあたりの費用 | 媒体費 ÷ 届いた人の数 | 何人に届いたかを重視する場合 |
| CPC(1クリックあたりの費用) | 媒体費 ÷ クリック数 | WEB広告で、サイトへの訪問を集める場合 |
| CPA(1件の成果あたりの費用) | 広告費 ÷ 成果の件数 | 問い合わせや購入を集める場合 |
「接触の回数」は、同じ人に複数回届いた場合もすべて数えます。「届いた人の数(リーチ)」は、同じ人を1人として数えます。どちらで比べているかを、はっきりさせておきましょう。
CPMの計算の例
説明のための仮の数字で、2つの媒体を比べてみます。
| 媒体(仮) | 媒体費 | 接触の回数(見込み) | CPM |
|---|---|---|---|
| 媒体A | 100万円 | 50万回 | 2,000円 |
| 媒体B | 30万円 | 10万回 | 3,000円 |
金額だけを見ると媒体Bのほうが安く見えますが、1,000回の接触あたりで見ると、媒体Aのほうが効率がよいことがわかります。ただし、媒体Aの接触の中身が、届けたい人に合っているかは、別に確認が必要です。
媒体ごとに「接触」の数え方が違う
CPMで比べるときに注意したいのが、媒体ごとに「接触」の数字の意味が違うことです。
| 媒体 | よく使われる数字 | 注意点 |
|---|---|---|
| テレビ・ラジオ | 視聴率、聴取率、推定の視聴者数 | 調査にもとづく推計。CMの時間に見ているとは限らない |
| 新聞・雑誌 | 発行部数 | 部数は「届いた数」。広告を読んだ人の数とは違う |
| 交通・OOH | 乗降客数、通行量 | その場所を通った人の数。広告を見た人の数とは違う |
| シネアド | 来場者数(動員数) | 上映前の暗い場内で、スクリーンに向かって座っている人の数 |
| WEB広告 | 表示回数(インプレッション) | 画面に表示された回数。実際に目に入ったかは別 |
このように、同じ「1,000回」でも、見られ方の深さが違います。CPMは比べるための入口として使い、そのうえで質の違いを考えます。
単価とあわせて見たい「質」の違い
届けたい人に合っているか。接触の回数が多くても、届けたい人が少なければ、効率は下がります。年代、地域、関心などで、届けたい人にどれだけ届くかを確認します。
しっかり見られているか。流し見される場所と、じっくり見られる場所では、同じ1回でも印象の残り方が違います。音声の有無、画面の大きさ、見られる時間も考えます。
何度届くか。同じ人に何度も届く媒体は、記憶に残りやすい一方で、届く人の数は増えにくくなります。リーチと回数のバランスを見ます。
広告の環境。信頼されている媒体や、内容に合った番組・記事のそばに出ることで、広告の受け取られ方が変わることがあります。
比べるときの手順
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 目的を決める | 認知か、訪問か、申し込みか。目的で比べる単価が決まる |
| 2. 数字を集める | 媒体費と、接触の回数・届いた人の数・成果の数 |
| 3. 単価を出す | CPM、リーチあたり、CPC、CPAなど、目的に合う単価で計算する |
| 4. 質を加える | 届けたい人との合い方、見られ方、回数を考える |
| 5. 結果で確かめる | 出稿したあと、指名検索や問い合わせの変化を見て、比べ方を見直す |
料金が公開されていない媒体の比べ方
媒体によっては、料金表が一般に公開されていないことがあります。また、公開されている料金と、実際の取引の条件が違うこともあります。こうした媒体では、社内だけで単価を出すのはむずかしくなります。
フリーザロックエージェントの「AD Free」は、現在実施している広告の媒体費と制作費を、総合広告会社として日常的に持っている媒体の知見をもとに診断する無料のサービスです。テレビ、ラジオ、シネアド、WEB、新聞、雑誌、交通、OOH、商業施設、空港など、さまざまな媒体に対応しています。適正な価格の調査に加え、目的に合った代わりのプランもご提案します。
よくある質問
Q. CPMが安い媒体を選べばよいですか?
A. CPMは比べるための目安の1つです。届けたい人に合っているか、しっかり見られるかを考えずにCPMだけで選ぶと、成果につながらないことがあります。
Q. 媒体社の出す数字は、そのまま信じてよいですか?
A. 数字の出どころ(調査の方法、時期、対象)を確認しましょう。推計なのか、実際の計測なのかによって、数字の意味が変わります。
まとめ:単価にそろえ、質を加えて比べる
・媒体費は金額ではなく、CPMなどの単価にそろえて比べる
・接触の回数とリーチ(届いた人の数)の違いを区別する
・媒体ごとに「接触」の意味が違うため、届けたい人との合い方や見られ方もあわせて判断する
・料金が公開されていない媒体は、第三者の知見を借りて比べる
複数の媒体の成果を同じ物差しで比べる方法は広告の効果測定のやり方、WEB広告の課金の仕組みはWEB広告の費用相場をご覧ください。


