「リスティング広告を始めたいけれど、何から手をつければいいの?」
「キーワードや入札って、どう決めればいいの?」
結論から申し上げると、リスティング広告は「計測の準備→キーワード選び→広告文→予算と入札→配信後の見直し」の順に進めると、ムダな費用を抑えながら始められます。最初に問い合わせや購入を数える仕組みを整えておくことが、いちばん大切です。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、リスティング広告(検索広告)を始めるときの手順と、それぞれの段階で押さえたいポイントをまとめます。
リスティング広告とは
リスティング広告は、GoogleやYahoo!で言葉を検索した人に、検索結果のページに表示する広告です。「検索広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。今まさに商品やサービスを探している人に届くため、問い合わせや購入につながりやすい広告です。
多くの会社が使っている広告でもあります。CARTA HOLDINGS・電通・電通デジタル・セプテーニの「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月)によると、2025年のインターネット広告媒体費は3兆3,093億円でした。広告の種類と取引の方法で分けると、運用型の検索連動型広告が38.7%で、もっとも大きな割合を占めています。
始めるまでの流れ
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 目的と数字を決める | 問い合わせ、資料請求、購入など、何を成果とするかを決める |
| 2. 計測を準備する | 成果を数えるタグを設置し、正しく数えられるか確かめる |
| 3. キーワードを選ぶ | お客様が検索しそうな言葉を洗い出し、マッチタイプを決める |
| 4. 広告文を作る | 見出しと説明文を複数用意する |
| 5. 予算と入札を決める | 1日の予算と入札の方法を決める |
| 6. 配信して見直す | 検索語句、広告文、リンク先を確かめて改善する |
1. 目的と数字を決める
最初に「何件の問い合わせを、1件いくらで取りたいか」を決めます。1件あたりの費用の上限がわかると、予算や入札の考え方が決まります。たとえば、1件の受注で得られる利益から、広告にかけてよい金額を逆算します。
2. 計測を準備する
広告を出す前に、問い合わせや購入を数える「コンバージョン計測」を設定します。Googleのヘルプでは、計測によって成果につながっているキーワードや広告を把握でき、自動で入札を調整する機能(スマート自動入札)も使えるようになると説明されています。
数え方が整っていないまま配信すると、どのキーワードが成果につながったのかがわかりません。改善ができないため、費用がムダになりやすくなります。
3. キーワードを選ぶ
お客様が実際に検索しそうな言葉を洗い出します。商品名だけでなく、「地域名+サービス名」「〇〇 料金」「〇〇 比較」など、悩みや条件を含む言葉も候補にします。
キーワードには「マッチタイプ」を設定します。どこまで似た検索に広告を出すかを決める設定です。Googleのヘルプでは、次の3つが説明されています。
| マッチタイプ | 書き方 | 広告が出る範囲 |
|---|---|---|
| インテント マッチ | そのまま入力 | キーワードに関連する内容の検索。もっとも広い |
| フレーズ一致 | “テニス シューズ” | キーワードと同じ意味の内容を含む検索 |
| 完全一致 | [赤いシューズ] | キーワードとまったく同じ意味・意図の検索。もっとも狭い |
「インテント マッチ」は、以前「部分一致」と呼ばれていたものです。Google Japanは2024年7月に名称を変更しました(Think with Google)。
あわせて「除外キーワード」も設定します。たとえば、無料のサービスを探している人を除くために「無料」を除外する、といった使い方です。関係のない検索への表示を減らせます。
4. 広告文を作る
Googleの検索広告では、「レスポンシブ検索広告」という形式で広告を作ります。見出しと説明文を複数入力すると、検索した人に合う組み合わせが自動で選ばれて表示されます。
| 項目 | 入力できる数 | 文字数の上限 |
|---|---|---|
| 広告見出し | 3つ以上、最大15個 | 半角30文字(全角15文字) |
| 説明文 | 2つ以上、最大4つ | 半角90文字(全角45文字) |
| 表示URLのパス | — | 半角15文字 |
※Google 広告ヘルプ「レスポンシブ検索広告について」より。全角1文字は半角2文字分として数えます。
見出しと説明文は、順番を変えて組み合わされます。どの組み合わせでも意味が通るように書くことが大切です。見出しには、検索されるキーワードを少なくとも1つ入れます。料金、対応エリア、実績年数、無料相談の有無など、選ぶ理由になる情報を具体的に書きます。
広告の表示には、法律やルールへの配慮も必要です。「必ず」「日本一」などの言葉は、根拠がなければ使えません。
広告見出しの書き方の例(引越し会社の場合)
| 見出しの役割 | 例 |
|---|---|
| 検索した言葉に合わせる | 横浜の引越しなら〇〇引越センター |
| 選ぶ理由を伝える | 土日・夜間の見積もりに対応 |
| 条件をはっきり示す | 見積もりは無料・訪問なしも可 |
| 次の行動をうながす | Webで3分 かんたん見積もり |
役割の違う見出しを複数用意すると、どの組み合わせで表示されても、検索した人が知りたいことが伝わりやすくなります。
5. 予算と入札を決める
リスティング広告は、オークションで表示が決まります。Googleのヘルプによると、掲載の順位は「広告ランク」で決まり、入札単価だけでなく、広告とリンク先ページの品質、検索した人の状況などをもとに計算されます。そのため、入札単価が他社より低くても、広告とキーワードの関連性が高ければ、上に表示されることがあります。
入札は、成果をもとに自動で調整する「スマート自動入札」を使うのが一般的です。Googleのヘルプでは、スマート自動入札には標準で7〜14日間の学習期間が必要とされています。この間は、予算や目標を何度も変えないようにします。
予算は「1件あたりの目標の費用×取りたい件数」から考えます。弊社では、結果を見て改善するために、広告費は月10万円程度から(税別)をおすすめしています。
6. 配信して見直す
配信を始めたら、次の点を確かめます。
・検索語句:実際にどんな言葉で広告が表示されたかを見ます。関係のない言葉は除外キーワードに加えます。
・品質スコア:キーワードごとに1〜10で表示される診断の数値です。推定クリック率、広告の関連性、ランディングページ(リンク先)の利便性の3つから計算されます。Googleは、品質スコアは改善点を見つけるための目安であり、オークションの評価そのものではないと説明しています。
・広告文:クリック率や成果の差を見て、弱い見出しを入れ替えます。
・リンク先ページ:広告の内容とページの内容が合っているか、問い合わせまで迷わず進めるかを確かめます。
はじめての方がつまずきやすい点
・キーワードを広げすぎる:広いマッチタイプだけで始めると、関係の薄い検索に費用が使われることがあります。除外キーワードと検索語句の確認をセットで行います。
・トップページにリンクする:広告で約束した内容がすぐに見つからないと、離脱されやすくなります。広告の内容に合ったページにリンクします。
・短い期間で判断する:学習期間やデータの量が足りないうちに止めると、正しく判断できません。弊社では6か月以上の運用をおすすめしています。
キーワードの洗い出し方
キーワードは、思いつきで並べるより、お客様の検討の段階に分けて考えると漏れが少なくなります。
| 検討の段階 | キーワードの例(税理士事務所の場合) | 考え方 |
|---|---|---|
| 今すぐ頼みたい | 「税理士 渋谷」「確定申告 代行 依頼」 | 成果に近い。最初に予算を寄せる |
| 比べている | 「税理士 料金 相場」「税理士 選び方」 | 料金や選び方のページにリンクする |
| 悩みを調べている | 「確定申告 やり方 個人事業主」 | すぐには申し込まれにくい。予算に余裕が出てから試す |
| 社名・サービス名 | 「〇〇税理士事務所」 | 他社の広告に取られないよう、出しておくことが多い |
はじめは「今すぐ頼みたい」段階の言葉にしぼって配信し、成果を見ながら広げていくと、予算を有効に使えます。Google 広告には、キーワードの候補や検索の多さを調べる「キーワード プランナー」という機能もあります。
また、キーワードは似た意味ごとに「広告グループ」にまとめます。同じグループのキーワードに合った広告文とリンク先を用意すると、検索した人の目的と広告の内容がそろいやすくなります。
よくある質問
Q. GoogleとYahoo!、どちらに出せばいいですか?
A. 届けたい人がどちらを使っているかと、予算で決めます。予算が限られる場合は、まずどちらか一方で始め、成果を見ながらもう一方を試す方法もあります。
Q. 1日いくらから始められますか?
A. 管理画面上は少ない金額から配信できます。ただ、データが少ないと改善の判断ができません。弊社では、広告費は月10万円程度から(税別)をおすすめしています。
Q. 自分で運用することもできますか?
A. できます。ただし、計測の設定、検索語句の確認、広告文の入れ替えなど、継続して手をかける作業が多い広告です。時間を取れない場合は、運用代行を検討します。
Q. 広告を出すと、SEO(自然検索の順位)に影響しますか?
A. 広告と自然検索は、別の仕組みです。広告を出しても、自然検索の順位が上がったり下がったりするわけではありません。
まとめ:計測を整えてから、小さく始めて育てる
・リスティング広告は、検索している人に届く広告。インターネット広告の中でもっとも大きな割合を占める
・配信の前に、成果を数える計測を準備する
・キーワードはマッチタイプと除外キーワードで範囲を調整する
・広告見出しは最大15個、説明文は最大4つ。どの組み合わせでも意味が通るように書く
・配信後は検索語句、品質スコア、広告文、リンク先を見直して改善する
WEB広告の種類の違いはWEB広告の種類と選び方、費用の内訳はWEB広告の費用相場をご覧ください。


