テレビCMが向いている業種と活用の考え方|出稿が伸びている分野と目的別の使い方

「テレビCMは、どんな業種に向いているの?」

「うちの業種でテレビCMを出す意味はあるの?」

結論から申し上げると、テレビCMが向いているのは「お客さまの数が多い」「名前を覚えてもらうことが選ばれる理由になる」「信頼が大事」という業種です。小売・飲食などの店舗ビジネス、住まい、金融・保険、通信、交通・レジャーなどが代表です。採用や法人向けサービス(BtoB)の会社が、会社名を知ってもらうために使うこともあります。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、テレビCMの出稿が伸びている分野、業種ごとの使い方、向いていないケースをまとめます。

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データで見る、テレビCMの業種の動き

電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)によると、2025年のテレビメディア広告費は1兆7,556億円(前年比99.7%)で、ほぼ前年並みでした。そのうち地上波テレビは1兆6,333億円です。

・スポット広告:消費行動の活性化などにより、「流通・小売業」「交通・レジャー」「情報・通信」などが好調で、前年を上回りました。

・番組(タイム)広告:大阪・関西万博などの大型イベントで好調な面もありましたが、前年のオリンピックの反動を補いきれず、通年では減少しました。

・マスコミ四媒体の業種別(衛星メディア関連を除く):「官公庁・団体」「エネルギー・素材・機械」「教育・医療サービス・宗教」「ファッション・アクセサリー」など8業種が増加しました。

スポット広告は、期間とエリアを決めて流せる買い方です。セールや新商品など、消費の動きに合わせて出しやすいことが、小売や交通・レジャーの伸びにも表れているといえます。一方、官公庁や教育・医療サービスなど、暮らしに関わる情報を伝える業種でも、マス媒体の広告費が増えています。

業種別の使い方

業種テレビCMの主な役割組み合わせたい施策
小売・飲食チェーンセールや新商品の告知、来店のきっかけづくりチラシ、アプリ、店頭での告知
住宅・不動産会社名の認知、展示場や見学会への集客見学会の予約ページ、検索広告
金融・保険信頼感づくり、相談のきっかけづくり相談予約のページ、資料請求
通信・IT・アプリサービス名の認知、ダウンロードや申し込みの後押しアプリストア、WEB広告
交通・レジャー・観光季節やイベントに合わせた告知予約サイト、SNS
食品・日用品新商品の認知、店頭で選ばれる理由づくり店頭の売り場づくり、試供品
採用・BtoB会社名の認知、社員や取引先からの信頼採用サイト、営業資料

店舗ビジネス(小売・飲食・サービス)

テレビCMは、エリアを決めて流せます。県内に複数の店舗があるチェーンなら、県域の局で流すと、店舗のある地域にまとめて告知できます。セールやキャンペーンの日付に合わせて短期間にまとめて流す「スポットCM」が使いやすい買い方です。

日本民間放送連盟 研究所の調査(第3回調査報告、2024年7月)では、テレビCMは「買い物の際に店頭で商品を確認する」行動を促す特徴があったと報告されています。店頭での見せ方と合わせると、CMの効果を生かしやすくなります。

住宅・不動産、金融・保険

家や保険のように、金額が大きく、じっくり比べてから決める商品は、「知っている会社」「信頼できる会社」であることが選ばれる理由になります。

ビデオリサーチがタイムCM(番組提供)とスポットCMを比べた調査(VR Digest plus、2023年7月実施)では、タイムCM接触者のブランド指標は、スポットのみ接触者を平均で上回り、企業広告や保険のように直接の購入に結びつきにくい分野で差が大きい傾向がありました。継続して信頼を積み上げたい業種は、番組提供も選択肢になります。

採用・BtoB(法人向け)

テレビCMは、一般の消費者だけでなく、求職者やその家族、取引先、社員も見ています。会社の名前を広く知ってもらうことは、商品を売るためだけでなく、人を集める場面や、取引を始める場面でも役立ちます。

会社名を知ってもらうことで、採用の応募や営業の場面で「CMで見た会社」として話を聞いてもらいやすくなることが期待できます。効果を確かめるには、応募数や指名検索数の変化を見ます。

業種に合わせたCMの伝え方

同じテレビCMでも、業種によって伝えるべきことは変わります。

・店舗ビジネス:「いつ」「どこで」「何がお得か」を短くはっきり伝えます。店舗名やエリア名を、音と文字の両方で伝えると覚えてもらいやすくなります。

・住宅・金融:商品の細かい説明よりも、会社の考え方や安心感を伝え、「詳しくは相談会で」と次の行動につなげます。

・アプリ・サービス:使う場面を映像で見せ、サービス名と検索してほしい言葉をくり返します。

・採用:働く人の姿や職場の雰囲気を見せ、会社名と採用サイトへの導線を伝えます。

・BtoB:一般の人にも伝わる言葉で「何をしている会社か」を伝えます。専門用語ばかりだと、社名を覚えてもらいにくくなります。

15秒のCMで伝えられる量は限られます。日本民間放送連盟の放送基準では、15秒のCMの音声は14秒以内・84音節が目安とされています。1本のCMで伝えることは、1つか2つにしぼりましょう。

健康食品・化粧品・医療などの注意点

健康食品、化粧品、医薬品、医療などは、テレビCMでもよく見る分野ですが、表現のルールが厳しい分野でもあります。日本民間放送連盟の放送基準では、医療・医薬品・化粧品・健康食品などの広告で関係法令に触れるおそれのあるものは取り扱わないと定めています。薬機法や景品表示法に沿った表現かどうか、放送局の考査(審査)で細かく確認されます。企画の段階から、使える表現を確かめながら進めましょう。

テレビCMが向いていないケース

・商圏がとても狭い:1つの店舗の周り数キロだけがお客さまという場合、放送エリアの多くが無駄になります。地域を細かく絞れる媒体のほうが合います。

・お客さまの数が少ない:法人向けで、取引先が限られた業界の数百社という場合は、業界紙や展示会、営業のほうが効率的なことがあります。

・続ける予算がない:テレビCMは、ある程度の量と期間を続けて効果が出やすい媒体です。1回きりで終わる予算なら、ほかの媒体も比べます。

・受け皿がない:CMを見た人が調べたときに、サイトや問い合わせ先が整っていないと、せっかくの関心を逃してしまいます。

年代で届き方が違うことも考える

総務省の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月公表)では、平日にテレビをリアルタイムで見た人の割合は、10代で44.3%、20代で42.7%、60代で88.1%、70代で91.9%でした。ミドル・シニア層に強く、若い世代には届きにくいという特徴があります。若い世代も狙う業種では、TVer広告やWEB動画と組み合わせると、届かない層を補えます。

業種ごとの目標(KPI)の例

テレビCMを出すときは、業種に合った目標を先に決めておくと、ふり返りがしやすくなります。

業種目標の例確かめ方の例
小売・飲食セール期間の来店数、売上放映エリアと非放映エリアの店舗を比べる
住宅・不動産見学会の予約数、資料請求数放映前後の予約数、指名検索数
金融・保険相談予約数、会社名の認知予約数、ブランドリフト調査
通信・アプリ申し込み数、ダウンロード数放映時間帯の直後の申し込みの変化
採用応募数、採用サイトへのアクセス放映前後の応募数、応募者への聞き取り
BtoB問い合わせ数、商談のしやすさ問い合わせ数、営業担当への聞き取り

よくある質問

Q. 中小企業でもテレビCMを出せますか?
A. 出せます。地方の局や、BS・CSなど、少ない予算から始められる方法もあります。商圏と予算が合っているかを先に確かめることが大切です。

Q. 業種によって出せないことはありますか?
A. 放送局の考査で、取り扱わない業種や表現があります。許認可が必要な業種は、許認可を受けていることが前提です。事前に見通しを確かめてから進めましょう。

Q. 全国展開していない会社でも意味はありますか?
A. あります。テレビCMは県や地方の単位でも流せます。お店やサービスのあるエリアだけに流せば、全国に流すよりも少ない予算で、地元での知名度を高められます。

Q. 同じ業種の他社と同じ番組に出ることはありますか?
A. 番組やCMの並びによっては、同じ業種の会社のCMが近くで流れることもあります。気になる場合は、発注の際に相談します。

まとめ:お客さまが多く、信頼が選ばれる理由になる業種に向く

・2025年のスポット広告は、流通・小売業、交通・レジャー、情報・通信などが好調(電通)

・マスコミ四媒体では、官公庁・団体、教育・医療サービスなど8業種で広告費が増えた(電通)

・店舗ビジネスはスポット、信頼づくりが大事な業種は番組提供も選択肢

・健康・美容・医療は、表現のルールと考査に注意する

・商圏がとても狭い、続ける予算がない場合は、ほかの媒体も比べる

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