テレビCMは中小企業でも成立する?商圏カバー率と粗利から予算を逆算する判断軸【2026年版】

「テレビCMなんて、うちの規模で出せるものなのか?」

「年商が何億円あればテレビCMは成立するのだろう?」

結論から申し上げると、判断を分けるのは年商の大きさではなく、**自社の商圏がテレビの放送エリアとどれだけ重なっているか**です。年商10億円でも商圏が1市だけなら見送るべきケースがあり、年商3億円でも全国通販なら成立するケースがあります。そして、テレビCMを出すべきでない企業は確かに存在します。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、中小企業の広告宣伝費の実態値・粗利からの予算逆算・商圏カバー率による判定・出すべきでない企業の条件までを、プロの視点で徹底解説します。

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中小企業のテレビCMは成立するか?判断は「予算」ではなく3つのゲートで決まる

テレビCMを検討するとき、多くの企業がまず「いくらかかるのか」から調べ始めます。ところが、金額から入ると判断を誤ります。同じ月50万円でも、成立する企業とまったく成立しない企業に分かれるからです。

判断は、次の3つのゲートを上から順に通すのが正しい順番です。

  • ゲート1:商圏カバー率 — 自社の商圏人口が、出稿する放送エリアの人口に対して何%を占めるか
  • ゲート2:必要獲得件数の現実性 — 粗利から出した許容獲得単価で、出稿額に見合う件数が商圏内で取れるか
  • ゲート3:受け皿と継続予算 — 反響を受け止める体制があり、単発で終わらない予算を確保できるか

ゲート1で落ちる企業に、いくら安いメニューを提案しても成果は出ません。逆にゲート1を通る企業は、月30万円台からでも設計の余地が出てきます。順番が逆になっている検討が、テレビCMで最も多い失敗の原因です。

この記事は「中小企業でもテレビCMは出せます」という結論に誘導するための記事ではありません。フリーザロックエージェントは、成立しない見込みが高いと判断した場合、その理由と代替案を正直にお伝えする方針をとっています。判断材料をそのまま公開します。

判断の順番は「商圏カバー率 → 必要獲得件数の現実性 → 受け皿と継続予算」。金額から検討を始めると、成立しない前提のまま安いメニューを探すことになります。

まず実態を知る|中小企業の広告宣伝費は売上高の0.51%という数字

広告予算の話になると「売上の5〜10%」「BtoCなら3〜10%」といった目安がよく挙がります。しかし、中小企業の実態はその水準とはかなり違います。

中小企業庁「令和7年中小企業実態基本調査」確報(2026年6月29日公表・令和6年度決算実績)から、中小企業(法人企業計)の拡大推計値を用いて売上高と広告宣伝費を突き合わせます。すると、売上高に対する広告宣伝費の比率は0.51%です。売上高664兆9,356億円に対し、広告宣伝費は3兆3,682億円という規模になります。

業種(法人企業計)売上高広告宣伝費比率売上高総利益率(粗利率)
全業種0.51%25.2%
情報通信業1.87%44.9%
小売業1.24%29.5%
宿泊業,飲食サービス業1.08%66.0%
生活関連サービス業,娯楽業1.08%34.5%
不動産業,物品賃貸業0.96%40.5%
学術研究,専門・技術サービス業0.56%54.5%
サービス業(他に分類されないもの)0.49%43.2%
製造業0.30%20.9%
卸売業0.26%14.4%
建設業0.21%25.1%
運輸業,郵便業0.13%24.1%

出典は中小企業庁「令和7年中小企業実態基本調査」確報(2026年6月29日公表・令和6年度決算実績)「3.売上高及び営業費用(1)産業別・従業者規模別表」。広告宣伝費と粗利は、同表の法人企業計の数値から算出しています。なお同調査では、個人企業は調査票に広告宣伝費の記入欄がなく調査項目自体に含まれないため(統計表では「…」=調査していない項目)、法人企業のみの集計です。また、広告をまったく出していない企業も分母に含まれた平均値であることに注意してください。

さらに見ておきたいのが、1社平均の金額です。

従業者規模(法人企業)1社平均の年間売上高1社平均の年間広告宣伝費売上高広告宣伝費比率
5人以下約9,574万円約42.5万円0.44%
6〜20人約3億3,564万円約135万円0.40%
21〜50人約10億48万円約449万円0.45%
51人以上約39億6,593万円約2,347万円0.59%

同じ調査の母集団企業数で割った1社平均です。ここから分かるのは、テレビCMのスポット出稿の下限である月30万円(年間360万円)という水準が、従業者5人以下の法人の1社平均の広告宣伝費(年424,608円)の約8.5倍、6〜20人規模でも約2.7倍にあたるということです。

つまりテレビCMは、多くの中小企業にとって「広告費の一部を振り替える」判断ではなく、広告費の総額そのものを数倍に組み替える判断になります。だからこそ、率で決めるのではなく、回収の筋道から逆算する必要があります。

中小企業の売上高広告宣伝費比率は全業種で0.51%、業種別でも多くが1%未満です。テレビCMの下限予算は、多くの中小企業にとって既存の広告費総額を上回る規模になります。

予算は「売上の何%」で決めない|粗利から許容獲得単価を出して出稿額を逆算する

「売上の何%」という決め方は、業種や粗利率の違いを吸収できません。粗利率14.4%の卸売業と66.0%の飲食業が同じ比率で広告費を組めるはずがないからです。判断軸は、粗利から入ります。

逆算の手順は次の5ステップです。

  • ①粗利率を確定する:自社の直近決算の売上総利益率を使う。手元にない場合は前章の業種平均を仮置きする
  • ②1件あたりの粗利額を出す:平均受注単価(または客単価)×粗利率
  • ③LTVに換算する:リピートがある業態は、想定リピート回数を掛けて累計粗利にする
  • ④許容獲得単価(CPA)を決める:累計粗利のうち何%まで獲得コストに払えるかを決める。粗利の30%が一つの置き方
  • ⑤必要獲得件数を出す:想定する出稿総額 ÷ 許容獲得単価。この件数が商圏内で現実的かを検算する

重要なのは⑤の検算です。必要獲得件数が「年間の総受注件数を超えている」「商圏人口に対する購入率が明らかに非現実的」という場合、その予算はどう組んでも回収できません。この時点で見送りを決められれば、数百万円を守れます。

ただし、テレビCMは本来「獲得型」ではなく「認知型」の媒体です。

獲得の逆算は、あくまで「最低限これだけは戻ってこないと成立しない」という下限のチェックとして使います。認知や指名検索の獲得を主目的にする場合の判断軸は、後の章で別に整理します。

粗利率→1件粗利→LTV→許容獲得単価→必要獲得件数の順に逆算し、その件数が商圏内で現実的かを検算します。獲得逆算は下限のチェックとして使うのが実務的です。

業種別モデルケース3本|必要獲得件数が現実的かを検算する

前章の手順を、3つのモデルケースで具体的な数値に落とします。以下はあくまでモデルケースであり、実在企業の数値ではありません。粗利率のみ前章の業種平均(中小企業実態基本調査)を用い、単価・リピート回数・投資可能割合(粗利の30%)は計算例として置いた仮定値です。

A:住宅リフォームB:小売チェーンC:製造業(BtoB)
平均単価(仮定)150万円/件5,000円/回500万円/件
粗利率(建設業/小売業/製造業の平均)25.1%29.5%20.9%
1件あたり粗利約37.7万円1,475円約104.5万円
想定リピート回数(仮定)1回年4回1回
累計粗利(LTV粗利)約37.7万円5,900円約104.5万円
許容獲得単価(粗利の30%)約11.3万円約1,770円約31.4万円
想定出稿総額(仮定)300万円90万円600万円
必要獲得件数約27件約508件約19件

数字が出たら、必ず「その件数は商圏内で取れるのか」を確かめます。

Aのリフォーム会社は、追加で27件の受注が必要という結果です。年間受注が100件規模の会社なら受注を約3割積み増す計算になり、施工体制が追いつくかという別の問題が立ち上がります。年間受注が30件規模なら、そもそも現実的ではありません。

Bの小売チェーンは、必要な新規客が約508人です。1店舗あたりの1日の来店客数と店舗数から見て、達成可能かどうかを判断できます。ただし90万円という出稿額は、後述するとおり出稿できる本数がごく限られるため、「508人に届く出稿量なのか」という逆側の検算も必要です。

CのBtoB製造業は、必要受注が約19件と少なく見えます。しかし商材の対象企業が国内に数百社しかないなら、テレビCMで届く相手のほとんどが見込み客ではありません。BtoBの場合は、獲得ではなく「採用」「取引先や金融機関に対する信用」を目的に置き直したうえで、その価値に600万円を払えるかを判断すべきケースが多くなります。

必要獲得件数を出したら、年間受注件数・店舗キャパ・対象企業数と突き合わせて現実性を確かめます。BtoBは獲得ではなく採用や信用という別の目的で評価し直すほうが実態に合います。

【この記事の核】商圏カバー率で判定する|商圏人口÷放送エリア人口

ここが、中小企業のテレビCM判断で最も見落とされている論点です。テレビの電波は、自社の商圏に合わせて届く範囲を絞ることができません。商圏が狭い企業ほど、支払った金額の大半が商圏外の人に届いて終わります。

判定に使うのは、「商圏人口 ÷ 放送エリア人口」というひとつの比率です。

まず放送エリアの人口規模を押さえます。以下は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在・総計)の都道府県別数値を、主な放送エリアの構成県で合算したものです。放送エリアは県境と完全には一致せず、隣接県への漏れ(スピルオーバー)もあるため、あくまで概算の目安として扱ってください。

放送エリア構成人口世帯数
関東広域東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬約4,357万人約2,229万世帯
関西広域大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山約2,018万人約1,023万世帯
中京広域愛知・岐阜・三重約1,113万人約523万世帯
北海道北海道約500万人約281万世帯
福岡福岡県約508万人約259万世帯
宮城宮城県約221万人約106万世帯
広島広島県約271万人約135万世帯
静岡静岡県約354万人約167万世帯
全国(参考:総人口・総世帯)日本全国約1億2,377万人約6,175万世帯

最下段の全国は、あくまで総人口・総世帯の参考値です。これをBS・CSの到達母数として扱うことはできません。BSは受信環境が整っていることが前提であり、CSは有料契約が前提になります。衛星放送協会 広告委員会の集計では、CS/BSペイテレビの普及は2024年3月末時点で1,307万世帯、総世帯に対して23.5%です。BS・CSを検討する場合は、全国人口ではなくこの水準を母数として見積もってください。

なお視聴率から人数を推計する場合の母数は、上の住民数とは別です。ビデオリサーチ「2024年度 調査エリア内推定世帯数及び人口」では、関東地区の自家用TV所有推定人口は39,932千人(約3,993万人)、自家用TV所有総世帯数は19,709千世帯とされています。同社の解説によれば、関東地区の個人視聴率1%は約39.9万人にあたります(2024年度基準。同社の別記事では約40.3万人と示されており、年度基準により変動します)。

この母数に対して、自社の商圏がどれだけを占めるかを計算します。商圏人口は前掲の総務省統計(市区町村別・令和8年1月1日現在)から拾えます。

商圏の広さ(例)商圏人口出稿する放送エリア商圏カバー率
水戸市のみ約26.7万人関東広域(約4,357万人)0.61%
宇都宮市のみ約51.3万人関東広域(約4,357万人)1.18%
前橋市+高崎市約69.2万人関東広域(約4,357万人)1.59%
世田谷区のみ約92.9万人関東広域(約4,357万人)2.13%
群馬県全域約189.4万人関東広域(約4,357万人)4.35%
福山市約45.2万人広島県(約271万人)16.70%
宮城県全域約221万人宮城県(約221万人)ほぼ100%
福岡県全域約508万人福岡県(約508万人)ほぼ100%

フリーザロックエージェントが実務で使っている目安は、次の3段階です(業界共通の基準ではなく、当社の判断基準です)。

  • カバー率30%以上:地上波スポットが第一候補。予算配分の議論に進んでよい
  • カバー率10〜30%:地上波は成立しうるが、県域局・独立局・時間帯や番組の絞り込みで無駄を圧縮する前提で設計する
  • カバー率10%未満:地上波の広域波は原則見送り。CS・BSや他媒体を検討するか、後述の例外条件に当てはまるかで判断する

この比率は、金額に換算すると重さが分かります。仮に関東広域で個人視聴率1%の枠に15秒1本を30万円で出したとすると、延べ接触は約39.9万人。全体で割れば1人あたり約0.8円という安さです。ところが商圏が世田谷区だけなら、商圏内に届いたのは約8,500人にすぎず、商圏内の1人あたりでは約35円に跳ね上がります。前橋市+高崎市が商圏なら約6,300人、1人あたり約47円まで上がります。なおこの試算では、商圏カバー率を住民基本台帳の人口で算出し、その比率をビデオリサーチの自家用TV所有推定人口に掛けています。分母の異なる統計を組み合わせた概算であることを前提にお読みください。

同じ30万円が、商圏の広さによって1人あたり0.8円の媒体にも47円の媒体にも変わる、ということです(延べ接触は同一人物の重複を含む概算で、視聴率や単価は時期・局・枠の空き状況により変動します)。

ただし、カバー率が低くても成立する例外はあります。目的が「採用」「金融機関や取引先に対する信用形成」「エリアを問わない通販・EC」「全国のフランチャイズ加盟店募集」である場合、商圏外への到達は無駄ではありません。エリアロスを承認できる目的があるかどうかが、例外の分岐点です。

商圏人口÷放送エリア人口で商圏カバー率を出し、10%未満なら広域波は原則見送りが当社の目安です。同じ30万円でも、商圏内の1人あたり到達単価は商圏の広さで数十倍変わります。

認知が目的なら判断軸が変わる|「継続予算を確保できるか」が条件になる

商圏カバー率のゲートを通り、獲得の逆算でも下限を超えた場合、次に問われるのは期間です。テレビCMは1回の接触で行動を促す媒体ではなく、繰り返し接触して覚えてもらう媒体です。

「1ヶ月だけ出して反応を見る」という設計が、中小企業のテレビCMで最も多い失敗です。

  • 業界一般の目安として、接触が途切れると想起は薄れていく傾向があります。同じ総額なら、期間を分けて継続したほうが残りやすい
  • 認知目的の場合、判断指標は売上ではなく「指名検索数」「サイト直接流入」「問い合わせ時の認知経路」に置く。この指標で社内の合意が取れるかを、出稿を決める前にゲートとして確認する(稟議書の書き方や合意形成の進め方は、初めてのテレビCMを扱った記事で整理しています)
  • 最低3ヶ月、可能であれば6ヶ月分の予算を先に確保できるかを条件にする。確保できないなら、テレビCMは今回の選択肢から外す
  • 繁忙期は単価が上がる。年度末3月・上期末9月・年末商戦の11〜12月は高騰し、2月・8月は緩む傾向がある(時期・局により異なります)

逆に言えば、緩む時期に合わせて期間を組めるなら、同じ総額でより多くの本数を確保できる可能性があります。出稿の時期を自社の繁忙期に固定せず動かせる企業は、それだけで条件が有利になります。

認知目的なら、単月ではなく最低3ヶ月の継続予算を確保できるかが条件です。指標を売上ではなく指名検索や認知経路に置けるか、その合意が社内で取れるかを出稿前に確認します。

テレビCMを出すべきでない中小企業の条件|6つのうち1つでも当てはまるなら再考

ここを書いていない記事がほとんどですが、実務では最も必要な部分です。次の6条件のうち1つでも当てはまる場合、テレビCMは見送るか、条件を解消してから再検討することをおすすめします。

条件なぜ成立しないのか先にやるべきこと
商圏が狭すぎる(放送エリアに対して数%)支払いの大半が商圏外に届く。カバー率10%未満は当社では原則見送りエリアを絞れる媒体を検討する。または全社的にエリア拡大の計画があるかを確認する
単価が低く、必要獲得件数が非現実的許容獲得単価が数百円レンジになり、テレビの出稿額を回収できる件数が商圏の規模を超える客単価・リピート設計を先に見直す。LTVが伸びれば判断は変わる
受け皿が未整備反響が来ても電話がつながらない、在庫が切れる、店舗が回らない。悪印象だけが残る受電体制・在庫・人員・Web導線(指名検索の着地先)を先に整える
継続予算が確保できず単発になる放送終了後に想起が薄れ、投資が残らない総額を分割して継続できる期間設計に組み替える。できないなら見送る
社内で成果指標の合意がない売上直結だけを指標にすると、認知が積み上がっても社内評価は「失敗」になる指名検索数・認知経路などを指標にできるか、社内で合意が取れるかを先に確認する(合意の取り方や稟議書の作り方は、初めてのテレビCMを扱った記事で整理しています)
商品説明に時間が必要で15秒で言い切れない15秒で伝わらない商材は、認知だけ広がって理解が伴わない伝えるメッセージを1つに絞れるか検討する。絞れないなら尺と媒体の再設計から始める

加えて、業態や表現の内容によっては、そもそも放送局の考査を通らない場合があります。

考査は放送する各放送局が判断し、業態を見る審査とCM素材の表現を見る審査の2種類があります。許認可が必要な業種や、実証が求められる訴求を含む場合は、企画の段階で見通しを確認しておくべき論点です。詳細は考査を扱った別記事で整理しています。

フリーザロックエージェントでは、ここに挙げた条件に当てはまる場合、その理由をお伝えしたうえでラジオ・OOH・Web動画など他媒体をご提案することがあります。無理に成立させた出稿は、次の相談につながらないためです。

商圏が狭すぎる/必要件数が非現実的/受け皿が未整備/単発になる/指標の合意がない/15秒で言い切れない。この6条件のいずれかに当てはまるなら、見送るか条件を解消してからの再検討が妥当です。

成立する見込みがある場合|エリアと媒体の選び方で下限予算は下がる

3つのゲートを通った企業にとっては、次は「どのエリア・どの媒体で、いくらから組めるか」の話になります。フリーザロックエージェントで扱っているメニューの予算目安は次のとおりです(税抜・月額)。

メニュー予算目安特徴注意点
スポットCM月30万円〜期間・本数を自由に設計。最小1週間から。GRPで買う時期により単価変動、繁忙期は高騰
タイム(番組提供)月50万円〜番組と紐づき接触の質が高い。提供クレジット付き原則2クール(6ヶ月)単位
BS月30万円〜1本単価が地上波より低く全国カバー。長尺も可能1本あたり到達が小さく本数設計が前提
CS月10万円〜チャンネル単位でジャンルターゲティング。最も安く試せる母数が小さく単独では認知形成に届かない
SAS・運用型要問合せ15秒1枠単位、短いリードタイム在庫が限られる
制作のみ30万円〜企画・制作と搬入仕様対応のみ考査は枠を持つ代理店との連携が必要

下限予算の意味を正しく理解するには、15秒1本あたりの単価と並べて見る必要があります。

エリア主な局15秒1本の単価目安
関東広域キー局5局30〜100万円
関西広域準キー局4局+大阪府域局4〜25万円
中京広域名古屋の各局4〜12.5万円
北海道道内各局4〜6.5万円
福岡県内各局2.5〜6万円
BSBS各局5〜10万円
CS専門チャンネル1.8〜3.5万円

関東独立局や東北各県などのエリアは条件により変動が大きいため、個別にお問い合わせください。また、いずれの単価も時期・局・枠の空き状況により変動します。

この表を「月30万円」と突き合わせると、下限予算の実態が見えます。関東広域では15秒1本分にしかならず、認知形成には到底届きません。一方、福岡エリアなら15秒で概算5〜12本、CSなら概算8〜16本を確保できる計算になります(放映料ベースの単純計算で、実際の本数は枠の内容によって変わります)。

つまり「月30万円で出せるか」ではなく、「月30万円が意味を持つエリアと媒体か」が判断のポイントです。

なお、実際の請求は放映料(電波料)だけではありません。予算判断の段階では「放映料以外にもまとまった費用が乗る」ことだけ押さえておいてください。

下限の月30万円は、関東広域では15秒1本相当にすぎず、福岡エリアやCSでは複数本を確保できます。「出せるか」ではなく「その金額が意味を持つエリアと媒体か」で判断します。

まとめ:テレビCMは中小企業にとって『商圏が合えば強く、合わなければ高いだけの媒体』

中小企業のテレビCM判断について、押さえておきたい点を整理します。

・判断の順番は「商圏カバー率 → 必要獲得件数の現実性 → 受け皿と継続予算」。金額から入らない

・中小企業の売上高広告宣伝費比率は全業種で0.51%(中小企業実態基本調査・2026年6月29日公表の確報/令和6年度決算実績)。「売上の5〜10%」は実態と離れている

・予算は率で決めず、粗利率→1件粗利→LTV→許容獲得単価→必要獲得件数の順に逆算し、その件数が商圏内で取れるかを検算する

・商圏人口÷放送エリア人口が10%未満なら、地上波の広域波は原則見送り。採用・信用形成・全国通販など、エリアロスを承認できる目的がある場合は例外

・出すべきでない条件は6つ。商圏が狭すぎる/必要件数が非現実的/受け皿が未整備/単発で終わる/指標の合意がない/15秒で言い切れない

・下限の月30万円は、関東広域では15秒1本相当。金額の意味はエリアと媒体で変わる

テレビCMは、年商の大きさで出せるかどうかが決まる媒体ではありません。商圏と放送エリアが噛み合っているかどうかで、同じ金額の価値が数十倍変わる媒体です。だからこそ、出稿の前に決めるべきことのほとんどは、社外ではなく自社の数字の中にあります。

総合広告代理店フリーザロックエージェントでは、御社の商圏人口・粗利率・年間受注件数をお伺いして、商圏カバー率と必要獲得件数の試算からご提案しています。枠選定・制作・考査書類の準備から、ビデオリサーチのデータによる世帯/個人全体(4才以上)の視聴率推移・推定リーチ・リーチ単価のレポートまで一貫して対応します。

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