「CTV広告って何?テレビCMとは違うの?」
「テレビの画面に出せる広告を、うちのような会社でも使えるの?」
結論から申し上げると、CTV(コネクテッドTV)広告は、インターネットにつながったテレビで見る動画配信サービスの中に流れる広告です。テレビの大きな画面で見てもらえる点はテレビCMと同じですが、インターネットの広告と同じように、年齢や地域を絞って配信できる点が違います。国内では、民放の番組を配信するTVerでもテレビの画面での視聴が全体の約4割まで増えており、少ない予算から使える選択肢として注目されています。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、CTV広告の仕組み、テレビCMやスマートフォンの動画広告との違い、選び方と効果の測り方をまとめます。
CTV(コネクテッドTV)とは
コネクテッドTVは、インターネットにつながったテレビのことです。テレビ本体にアプリが入っているもの、テレビにつなぐ配信用の機器を使うもの、ゲーム機を使うものなどがあります。電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)でも、コネクテッドTVを「インターネットに接続されたテレビ受像機」と説明しています。
コネクテッドTVでは、放送のテレビ番組だけでなく、TVerのような番組の配信サービスや、動画共有サービスなどをテレビの画面で見られます。この中に流れる動画広告が、CTV広告です。
CTV広告の市場が伸びている
電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のインターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)で、SNSの縦型動画広告やコネクテッドTVなどの動画広告の需要の高まりが、市場の拡大に寄与したとされています。
同じ調査で、テレビ局のデジタル広告のうち「テレビメディア関連動画広告費」は805億円(前年比123.3%)と、前年に続き大きく伸びました。無料のテレビ番組配信サービスでは、再生数・ユーザー数ともに過去最高を記録したと報告されています。
TVerでも、テレビの画面での視聴が伸びています。株式会社TVerの発表(2026年9月)では、コネクテッドTVでの月間再生数は2026年8月に2.3億回と過去最高を記録し、サービス全体の利用デバイスの約4割を占めています。20〜34歳のコネクテッドTVでの再生数は、前年同月比238%でした。
テレビCM・スマートフォンの動画広告との違い
| 項目 | テレビCM | CTV広告 | スマートフォンの動画広告 |
|---|---|---|---|
| 見る画面 | テレビ | テレビ | スマートフォン |
| 見られ方 | リビングで、家族と見ることも多い | リビングで、家族と見ることも多い | ひとりで、すき間時間に見ることが多い |
| 届ける相手の絞り込み | 放送エリアと番組・時間帯で選ぶ | 年齢・地域などで絞れる(サービスによる) | 年齢・地域・興味関心などで絞れる |
| 買い方 | 放送局から枠を買う | 配信サービスで、表示回数などに応じて買う | 配信サービスで、表示回数やクリックなどに応じて買う |
| クリック | できない | 原則できない | できる |
| 少額で始める | 局やエリアによっては難しい | 始めやすいサービスがある | 始めやすい |
CTV広告は、テレビCMの「大きな画面で見てもらえる」良さと、インターネット広告の「相手を絞れる」良さを合わせ持つ広告だといえます。
CTV広告の主な配信先
テレビ番組の配信サービス(TVerなど)。民放の番組の前・途中・後に流れます。TVer広告はスキップできない形式で、テレビ局の番組だけに配信されます。TVer広告の公式サイトでは、権利処理が済み、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)のブランドセーフティの基準を満たしたコンテンツに配信されると説明されています。コネクテッドTVでも年齢や地域などで絞って配信できます。
動画共有サービス。テレビの画面で見る動画共有サービスの中にも、動画広告が流れます。スキップできる広告とできない広告など、形式はサービスによって異なります。
その他の動画配信サービス。広告つきで無料または低価格で見られる配信サービスの中に流れる広告もあります。
どの配信先も、扱うコンテンツ、見ている人、買い方、審査が違います。自社の商品と、届けたい人がよく見る配信先を選ぶことが大切です。
CTV広告が向いているケース
・テレビCMを出すほどの予算はないが、テレビの画面で見せたい:表示回数に応じた買い方なら、予算に合わせて始められます。
・テレビCMで届きにくい若い世代に届けたい:若い世代のコネクテッドTVでの視聴が伸びています。
・商圏に絞ってテレビの画面で見せたい:TVer広告は市区町村の単位で配信先を指定できます。
・家族で見てもらいたい商品:住まい、車、旅行、食品など、家族で話題にしてほしい商品に向いています。
・テレビCMと一緒に使いたい:テレビCMの素材を活用して、同じ時期に届きにくい層を補えます。
素材づくりのポイント
クリックできない前提で作る。TVer広告では、テレビの画面はクリックに対応していません。会社名や検索してほしい言葉を、大きな文字と声で伝えます。
大きな画面に合う画質で。TVer広告の入稿規定では、テレビ向けの素材は1920×1080の画面の大きさが求められます。スマートフォン用の素材より高い画質が必要です。
家族で見ても違和感のない内容に。リビングで、家族と一緒に見られることを前提に、表現を考えます。
効果の測り方
CTV広告はクリックで効果を測りにくいため、次の方法を組み合わせます。
・配信レポート:表示回数、視聴完了率、デバイス別の配信数などを確かめます。TVer広告では、性別、年齢、都道府県、配信デバイスなどの切り口で配信の結果を出せます。
・指名検索の変化:配信の前後で、会社名や商品名での検索の数を比べます。
・地域の比較:配信した地域としていない地域で、問い合わせや来店の伸びを比べます。
・ブランドリフト調査:広告に接触した人としていない人にアンケートをして、認知や好意の差を比べます。TVer広告では、調査会社と連携した調査の方法が用意されています。
CTV広告を始める手順
1. 目的を決める。認知を広げたいのか、地域のお店に来てほしいのかで、配信先と絞り込みの考え方が変わります。
2. 配信先を選ぶ。届けたい人がよく見るサービスはどこかを考えます。テレビ番組の中で見せたいならTVer、ほかの動画と一緒に見せたいなら動画共有サービス、というように選びます。
3. 素材を用意する。テレビの大きな画面に合う画質で、クリックできない前提の素材を用意します。テレビCMの素材があれば、それを生かせます。
4. 審査を受けて配信する。TVer広告では、広告主と素材の両方を放送局が審査します。日数がかかるため、配信開始の日から逆算して準備します。
5. 結果を確かめる。デバイス別の表示回数や、検索・来店の変化を確かめ、次の配信に生かします。
CTV広告の注意点
・クリックでの効果測定は難しい:テレビの画面ではクリックできないため、ほかの方法と組み合わせて効果を確かめます。
・だれが見ているかは「登録した人」:家族で見ている場合、実際に広告を見た人と、アカウントを登録した人が違うことがあります。
・配信先ごとに規定が違う:素材の長さ、画質、審査の基準は配信先によって違います。それぞれの規定を確かめます。
よくある質問
Q. CTV広告はテレビCMの代わりになりますか?
A. 役割が少し違います。テレビCMは、エリアの多くの人に短い期間で一気に届けるのが得意です。CTV広告は、届けたい人に絞って少額から届けるのが得意です。目的に合わせて組み合わせるのがおすすめです。
Q. 地方の企業でも使えますか?
A. 使えます。TVer広告は市区町村の単位で配信先を指定できるため、地域の企業がテレビの画面で商圏の人に見てもらう使い方ができます。TVer広告の公式コラム(2026年7月)では、東京都を除くローカルエリアでの売上が前年度比180%に伸びたと紹介されています。
Q. テレビCMの素材は使えますか?
A. TVer広告では、入稿規定に合わせて変換すれば、地上波のCM素材も使えると説明されています。ほかのサービスで使う場合は、それぞれの入稿規定を確かめます。
まとめ:大きな画面で、届けたい人に絞って見せる
・CTV広告は、インターネットにつながったテレビで見る配信サービスの中に流れる広告
・テレビメディア関連動画広告費は805億円(前年比123.3%)と伸びている(電通、2025年)
・TVerではテレビの画面での視聴が約4割、2026年8月の月間再生数は2.3億回
・テレビの大きな画面と、年齢・地域での絞り込みを両立できる
・クリックできない前提で素材を作り、指名検索や調査も組み合わせて効果を測る
料金の目安はTVer広告の料金はいくら?、テレビCMとの使い分けはテレビCMとTVer広告の違い、申し込みの流れはTVer広告の始め方をご覧ください。


