「広告で『No.1』や『必ずやせる』と書いてもいいの?」
「ネットで見つけた画像や、AIで作った画像を広告に使っても大丈夫?」
結論から申し上げると、広告の表現には、守るべき法律と権利があります。代表的なものは、景品表示法(うそや大げさな表示の禁止)、薬機法(化粧品や健康にかかわる商品の広告のルール)、著作権、肖像権、商標です。違反すると、課徴金などの対象になることがあります。制作の早い段階で確認することが大切です。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、広告の表現で注意したい法律と権利の基本をまとめます。なお、ここでの説明は一般的な情報です。個別の表現が問題ないかの最終判断は、弁護士などの専門家や行政の窓口に確認してください。
広告で注意したい法律と権利の一覧
| 法律・権利 | 守るもの | 広告で注意すること |
|---|---|---|
| 景品表示法 | 消費者が正しく商品を選べること | 実際よりよく見せる、得に見せる表示 |
| 薬機法 | 医薬品・化粧品などの安全で正しい使用 | 効果・効能の言い方、承認前の広告 |
| 著作権 | 文章・写真・イラスト・音楽などの作品 | 他人の作品を無断で使うこと |
| 肖像権 | 人が自分の顔や姿をみだりに使われないこと | 人物の写真を無断で使うこと |
| 商標 | 商品やサービスの名前・ロゴ | 他社の名前やロゴに似たものを使うこと、自社ロゴの登録 |
景品表示法:うそや大げさな表示をしない
景品表示法は、商品やサービスの品質や価格について、消費者をまどわす表示を禁止する法律です。消費者庁が担当しています。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 優良誤認(5条1号) | 品質や性能を、実際よりも著しくよいと思わせる表示 |
| 有利誤認(5条2号) | 価格や取引の条件を、実際よりも著しく得だと思わせる表示 |
| 不実証広告規制 | 効果や性能をうたう表示について、合理的な根拠の提出を求められ、出せなければ不当な表示とみなされる |
| ステマ規制(2023年10月1日施行) | 広告なのに広告とわからない表示を禁止。「広告」「PR」などで広告であることを明らかにする。規制の対象は広告主 |
消費者庁によると、優良誤認や有利誤認には、課徴金(売上額の3%)が課されることがあります。さらに、2024年10月1日施行の改正で、故意の優良誤認・有利誤認に対して、100万円以下の罰金を科す規定(直罰規定)ができました。
・「No.1」「最安」などは根拠をそろえる:調査の内容や時期など、根拠を確認できるようにします。
・効果をうたうときは根拠を用意する:根拠を出せないと、不当な表示とみなされます。
・インフルエンサーに依頼する投稿は、広告とわかるようにする:依頼した側(広告主)が規制の対象です。
薬機法:化粧品や健康にかかわる商品の広告
薬機法は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などについて定めた法律です。厚生労働省が担当しています。
・第66条:だれであっても、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などについて、うそや大げさな広告をしてはいけません。対象は「何人も」とされ、広告主だけでなく、制作会社なども含まれます。
・第68条:承認を受ける前の医薬品などは、広告してはいけません。
・課徴金:うそや大げさな広告には、対価の4.5%の課徴金が課されることがあります。
厚生労働省は、次の3つを満たすものを「広告」と考えるとしています。
| 要件 | 意味 |
|---|---|
| 顧客を誘引する意図 | 買ってもらおうとする意図がはっきりしている |
| 商品名が明らか | どの商品の話かがわかる |
| 一般の人が知ることができる | だれでも見られる状態にある |
そのため、WEB記事やSNS投稿の形でも、この3つを満たせば広告として扱われる場合があります。化粧品や健康食品の広告では、言える効果の範囲が細かく決まっています。表現は早めに専門家に確認します。
著作権:他人の作品は許諾を取って使う
文化庁によると、著作権は、作品を創作した時点で自動的に発生します。登録は必要ありません。保護期間は、原則として作者の死後70年です。
そのため、ネットで見つけた画像やイラスト、文章、音楽を広告に使うときは、権利者の許諾を取るのが原則です。素材サイトを使う場合も、利用規約で広告に使えるかを確認します。
他人の作品を「引用」として使える場合もありますが、次のような要件があります。
| 引用の要件 | 内容 |
|---|---|
| 公表された著作物 | すでに公表されている作品であること |
| 明確な区別 | 自分の文章と引用部分がはっきり分かれていること |
| 主従関係 | 自分の内容が「主」で、引用は「従」であること |
| 出所の明示 | だれの、どの作品かを示すこと |
広告では、引用にあたるかどうかの判断がむずかしい場合があります。迷ったら許諾を取るか、専門家に確認します。
生成AIで作った画像の注意点
文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月)では、次のような考え方が示されています。
・既存の作品に似ていて、それをもとにしている場合は侵害になりうる:生成AIの画像でも、既存の作品との類似性(似ていること)と依拠性(その作品をもとにしたこと)があれば、著作権の侵害になりえます。
・画風や作風が似ているだけなら、侵害にはならない:アイデアや作風そのものは、著作権で守られないためです。
・AIが自律的に作ったものは、著作物にならない:ただし、人が創作的に加筆や修正をした部分は、著作物になりうるとされています。
生成AIの画像を広告に使うときは、特定の作品やキャラクターに似ていないかを確認します。使ったAIサービスの利用規約も確認します。
肖像権:人物の写真は本人の同意を取る
文化庁の説明では、他人の顔が写った写真などをみだりに使うと、肖像権などの侵害となる場合があるとされています。
・撮影するときは、広告に使うことを伝えて同意を取る:使う媒体や期間も、書面で決めておくと安心です。
・街なかやイベントの写真に注意する:写り込んだ人の顔がわかる場合は、ぼかすなどの配慮をします。
・有名人の写真や名前は、無断で使わない:許諾なく広告に使うと、問題になることがあります。
商標:ロゴや名前を守る
新しく作ったロゴや商品名を守るには、特許庁への商標登録が必要です。特許庁によると、商標は「先願主義」で、先に出願した人が登録を受けられます。
・存続期間:登録から10年で、更新できます。
・審査の期間:2025年度の審査では、出願から最初の通知までが平均6.6か月でした(特許庁)。
ロゴを作ったら、ほかに似た商標が登録されていないかを調べ、早めに出願を検討します。他社のロゴや商品名に似たデザインは使わないようにします。具体的な手続きは、弁理士などの専門家に相談すると安心です。
制作前に確認したいチェックリスト
・効果や「No.1」などの表現に、根拠があるか
・価格や割引の表示が、実際の条件と合っているか
・インフルエンサーの投稿などで、広告であることを示しているか
・化粧品・健康食品などで、言える効果の範囲を超えていないか
・使う画像・イラスト・音楽・フォントの許諾や利用規約を確認したか
・生成AIの画像が、既存の作品に似ていないか
・写っている人物から、広告に使う同意を取ったか
・ロゴや商品名の商標を調べたか
まとめ:表現は早めに確認し、迷ったら専門家へ
・景品表示法は、品質や価格を実際よりよく見せる表示を禁止。課徴金は売上額の3%
・薬機法は「何人も」が対象で、制作会社も含まれる。課徴金は対価の4.5%
・著作権は登録なしで発生する。他人の作品は許諾を取るのが原則
・生成AIの画像でも、既存の作品に似ていてそれをもとにしていれば、侵害になりうる
・人物の写真は同意を取り、ロゴは商標登録で守る
・ここでの説明は一般的な情報。最終判断は専門家に確認する
制作費の目安は広告クリエイティブ制作の費用相場、LPとバナーの作り方は成果が出るLP・バナーの作り方をご覧ください。


