「来月から流したいのですが、間に合いますか」
radikoの音声広告、radiko audio Ad(ラジコ オーディオアド)のご相談で最も多いご質問です。
結論から申し上げると、音声素材が既にあり、radikoの規定を満たしていて、地上波ラジオでの放送実績がある企業であれば、最短2週間程度で配信を開始できます。一方で、音声を新規に制作する場合は3〜6週間、初めての出稿では2か月前からのご相談が目安になります。同じ「radiko広告」でも、条件によって必要な期間が4倍以上変わります。
差が生まれる理由は、radiko広告のスケジュールが「営業日ベースの固定された締切」と「審査という読みにくい待ち時間」の2階建てになっていることにあります。前者は動かせませんが、逆算すれば正確に計算できます。後者は事前の準備でしか短くできません。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、配信開始日から逆算した締切の一覧と、ケース別の所要期間、そして審査が伸びる条件までを営業日ベースで整理します。
【結論】ケース別の所要期間|素材があれば2週間、初めての出稿は2か月
細かい締切に入る前に、ご自身がどのケースに当たるかを先に確認してください。ご相談をいただく時点で必要な期間はほぼ決まっており、後から短縮できる幅は限られています。
| ケース | ご相談から配信開始までの目安 | 律速になる工程 |
|---|---|---|
| ① 規定を満たした音声素材があり、放送実績もある | 最短2週間(10営業日程度) | 審査と入稿の締切 |
| ② 音声素材を新規に制作する | 3〜6週間 | 音声制作(3営業日〜3週間) |
| ③ 初めての出稿/地上波ラジオでの放送実績がない | 2か月前からのご相談を推奨 | 履歴事項全部証明書の取得と審査 |
| ④ ターゲティング条件が複雑/複数パターンを比較したい | ②③に1〜2週間を加算 | 見積の作成 |
①でも「2週間で必ず流せる」とはお約束できません。律速は審査であり、審査だけは当社でも短縮できないためです。
逆に言えば、②③に該当する場合でも、準備の順番を変えれば体感の待ち時間は大きく変わります。音声の制作と企業審査は並行して進められないため(審査にはクリエイティブの提出が必要)、どこから着手するかで1〜2週間の差が出ます。
お出しする見積は「想定値」です。radiko広告は過去の実績から想定される最大在庫量を試算してお出ししますが、実施時期の利用者数の変動、放送局の判断、他社の出稿状況によって実際の配信量は変動します。スケジュールに余裕があるほど、この変動を吸収しやすくなります。
素材があれば2週間、新規制作で3〜6週間、初出稿は2か月。律速は審査です。
逆算カレンダー|配信開始日から数えた締切の一覧
radiko広告の締切は、すべて配信開始日からの営業日で決まっています。カレンダーの日数ではありません。この点が最初につまずきやすいところです。
| 配信開始日から | やること | 動かせるか |
|---|---|---|
| 6営業日前まで(実質) | 企業・商材の審査を通し終える | ×(入稿の前提) |
| 7営業日前まで | 事前情報の連携 | ×(枠の確保に必要) |
| 5営業日前まで | お申し込み(原稿入稿) | ×(不備がなければ2営業日を目安に受領連絡) |
| 3営業日前まで | 入稿(審査済みの音声ファイル・広告原稿テキスト・バナー素材と遷移先URL) | × |
| 配信開始日 | 配信開始(0:00〜) | △(原則として平日) |
| 掲載終了後 5営業日 | 配信実績レポートの提出 | — |
| 掲載終了後 2週間以内 | radikoサーベイ・来店計測の結果 | —(実施した場合) |
表の中で最も見落とされるのが1行目です。審査は入稿より前に完了していなければならないため、入稿の3営業日前という締切から逆算すると、審査の実質的な締切は配信開始の6営業日前になります。
なぜ「営業日」で数えると1週間近くずれるのか
7営業日は、土日を挟むと実際には11日前後になります。祝日が絡む週や年末年始、ゴールデンウィークでは2週間以上に伸びます。「配信開始の1週間前に入稿すれば大丈夫」と考えていると、実際には間に合っていないという事故が起きます。月初から配信を始めたい場合、実務上は前月の中旬には動き始めている必要があります。
配信開始は原則として平日です。万一の不備に翌営業日で対応できるようにするためで、当社では休日開始をおすすめしていません。キャンペーンの都合で土曜開始にしたい場合は、前営業日の金曜開始に前倒しするか、その週の平日に寄せる設計をご提案しています。
審査の実質締切は6営業日前。営業日で数えると、7営業日前は実際には11日前後です。
審査が唯一読めない工程|「中3営業日」が伸びる3つの条件
企業・商材の審査では、企業情報・商材情報・クリエイティブ(音源と原稿テキスト)を提出して判断を受けます。結果の連絡は通常、中3営業日以内です。ただしこれは「何事もなかった場合」の日数で、実務では次の3つの条件で伸びます。
条件1:放送局への確認が発生する
審査担当が判断に迷う内容の場合、放送局への確認が回ります。radikoは民放連加盟のラジオ放送局が参加するプラットフォームであり、最終的な判断は放送局側に委ねられる部分があるためです。確認が回ると、中3営業日の目安を超えて日数がかかります。表現の強さ、効能の言い方、比較広告の形式などが該当しやすい領域です。
条件2:クリエイティブに大幅な変更が生じる=再審査
審査を通過した後にクリエイティブを大きく変更すると、再度審査が必要になります。表現の指摘を受けて原稿を書き換える場合も同様です。差し戻しが1回発生すると、配信開始日は1週間近くずれます。だからこそ、原稿の段階で当社が先に規定と表現を確認し、審査に出す前に潰しておく進め方をとっています。
条件3:地上波ラジオでの放送実績がない企業は履歴事項全部証明書が必要
地上波ラジオでの放送実績がない企業の場合、「履歴事項全部証明書」の提出を求められます。法務局で取得する書類のため、取得そのものに数日から1週間程度かかります。初めての出稿でスケジュールが読めなくなる最大の要因がここです。これは競合の解説記事でほとんど触れられていない、実務上の重要な前提です。
審査を早く抜けるために、当社が着手時点で必ずお願いしているのは次の3点です。
- 地上波ラジオでの放送実績の有無を先に確認する(無い場合は履歴事項全部証明書の取得を初日に動かす)
- 訴求の核になる表現(効能・比較・最上級・キャンペーン条件)を原稿より先に共有いただく
- 音源が完成する前に、原稿テキストの段階で規定と表現の確認を済ませる
審査の目安は中3営業日。放送局への確認、再審査、履歴事項全部証明書の3つで伸びます。
音声素材の制作にかかる時間|方式によって3営業日〜3週間
音声素材を新規に制作する場合、制作の目安は方式によって3営業日から3週間程度です。この幅がスケジュール全体を左右します。制作期間は企画の内容によっても変動します。
| 方式 | 制作期間の目安 | 向くケース |
|---|---|---|
| AI音声(AIナレーション) | 3営業日程度から | 検証段階、複数パターンを試したい、期日が迫っている |
| 簡易収録(宅録) | 1〜2週間程度 | コストと期間を抑えつつ、人の声で読ませたい |
| スタジオ収録 | 2〜3週間程度 | ブランドのトーンを揃えたい、細かいニュアンスを詰めたい |
| 既存素材の加工 | 数営業日 | ラジオCMや動画の素材から編集して用意する |
期日が迫っている場合、まずAI音声で1本仕上げて配信を開始し、並行して収録版を制作して差し替えるという進め方があります。
radiko広告は音声ファイルの差し替えができるため、初回の配信開始を後ろにずらすより、開始してから質を上げるほうが機会損失は小さくなります。ただし差し替えた音源は再度審査が必要で、すべての確認と入稿が完了してから中3営業日を経て新しいクリエイティブが反映されます。差し替えのタイミングも逆算して設計します。
既存のラジオCM音源を流用したい場合
手元に地上波ラジオCMの音源がある場合、制作期間をゼロにできる可能性があります。ただしそのまま入稿できるとは限りません。地上波の素材搬入基準とradikoの入稿規定は別物で、とくに平均ラウドネス値は地上波が−24.0LKFS、radikoが−14±1LKFSと10dB違います。マスターデータが残っていれば書き出し直しで対応できますが、残っていない場合は作り直しになります。
流用を検討している場合、規定に合うかの判定を制作の前に行ってください。当社では音源の規定判定を先にお引き受けしています。判定だけなら数日で結論が出るため、ここを最初に置くだけでスケジュールの読み違いを防げます。詳細はradiko audio Adの入稿規定の記事にまとめています。
制作は3営業日〜3週間。既存音源の流用判定を最初に置くとスケジュールが読めます。
間に合わないときに削れる工程と、絶対に削れない工程
「どうしてもこの日から流したい」というご相談は少なくありません。実際に短縮できる工程と、交渉の余地がない工程を分けて整理します。
短縮できる工程
- 音声制作:方式を変える(AI音声で初回を立ち上げ、後から差し替える)
- 見積の作成:ターゲティング条件を一般的な組み合わせに絞る(条件が複雑だと作成に時間がかかります)
- 社内の稟議:見積が想定値である前提を先に共有しておく
- 履歴事項全部証明書:初日に取得を動かす(後回しにすると最後に詰まります)
短縮できない工程
- 入稿の3営業日前:規定を満たさないファイルは受領されず、受領してから3営業日以降の配信になります
- 事前情報の連携の7営業日前:枠の確保に必要な工程です
- 審査の中3営業日:目安を短くする手段はありません
- 配信開始の平日縛り:土日開始は不備に対応できないため推奨していません
つまり、素材と書類が今日すべて揃っていても、配信開始は7営業日より手前には来ません。ここが計画の下限です。
逆算した結果どうしても間に合わない場合、当社では配信期間を後ろにずらすのではなく、配信期間を短くして予算を圧縮し、まず走らせる設計をご提案することがあります。radiko広告は完全聴取完了課金のため、配信されなかった分は請求されません。短期間で始めて、実績を見てから次の出稿を設計するほうが、機会を丸ごと失うより合理的です。
素材と書類が今日揃っていても、配信開始は7営業日前より手前には来ません。
遅延の原因になりやすい5つ|実務で起きること
当社で実際にスケジュールが動いた原因を、起きやすい順に挙げます。いずれも事前に潰せるものです。
1. 履歴事項全部証明書の取得を後回しにした
初出稿で最も多いパターンです。審査の回答を待ってから書類を取りに行くと、そこで1週間が積み増しになります。放送実績の有無は初回の打ち合わせで確認し、必要なら即日で動かします。
2. 原稿の表現で差し戻しが発生した
効能の言い方、最上級表現、キャンペーンの条件表記などで指摘が入り、再審査になるケースです。音源を収録した後に指摘されると、収録のやり直しまで発生します。原稿段階での確認が最も費用対効果の高い予防策です。
3. 既存のラジオCM音源がそのまま使えなかった
「音源はある」という前提でスケジュールを組んでいたのに、規定を満たさず作り直しになるパターンです。ラウドネス値と前後の無音、ファイル形式が主な不一致点です。
4. コンパニオンバナーの遷移先が用意できなかった
音声広告の再生中にradikoアプリの画面に表示できるバナーは無償で付帯する枠ですが、遷移先は広告主と同一ドメインに限られます。外部のキャンペーンサイトを想定していて、入稿直前に使えないと分かるケースがあります。バナーは任意なので設定しない選択もできますが、使うなら遷移先の確認を先に済ませます。
5. 配信開始日を土日に設定していた
イベントやセールの初日に合わせたいというご要望で起きます。前営業日開始に前倒しするか、平日に寄せる設計に組み替えます。
この5つはすべて、着手時点のヒアリングで判明します。当社では最初の打ち合わせで「放送実績の有無」「既存音源の有無とマスターデータの所在」「遷移先ドメイン」「配信開始日の曜日」を確認し、逆算したスケジュール表をお出ししています。
遅延の原因は5つとも、着手時のヒアリングで事前に潰せるものです。
配信後のスケジュール|レポートはいつ出るか
スケジュールは配信開始で終わりません。社内報告の期日がある場合、配信後の日程も逆算に含める必要があります。
| タイミング | 出るもの | 内容 |
|---|---|---|
| 配信期間中 | 配信状況の確認 | 予算の消化ペース |
| 掲載終了後 5営業日 | 配信実績レポート | 完全聴取数、配信量などの実績 |
| 掲載終了後 2週間以内 | radikoサーベイ/来店計測の結果 | 実施した場合のみ |
ブランドリフト調査や来店計測を実施する場合、配信終了から結果が出るまで2週間程度かかります。
四半期の報告に間に合わせたい、次年度の予算申請の根拠にしたいといった目的がある場合、この2週間を逆算して配信終了日を決めます。配信開始日だけを見て設計すると、報告の期日に結果が間に合わないという事故が起きます。当社では数字をお渡しして終わりにせず、次の出稿設計まで含めてご報告しています。
実績レポートは掲載終了後5営業日、調査結果は掲載終了後2週間以内。報告期日からの逆算も必要です。
よくあるご質問
Q. 最短で何営業日あれば配信できますか?
審査済みの素材と必要書類がすべて揃っている状態からであれば、事前情報の連携が7営業日前、入稿が3営業日前という締切から、7営業日が下限です。ただし審査が未了の場合は、審査の中3営業日を前に積む必要があるため、実務上は2週間程度をご案内しています。
Q. 審査に落ちることはありますか?
商材や表現によっては通らない場合があります。ただし多くは「この表現を変えれば通る」という指摘の形で返ってくるため、当社では原稿段階で先に確認し、落ちる前提を減らしています。業種によって難易度が変わるため、ご相談の初期に商材をお聞かせいただければ見通しをお伝えできます。
Q. 配信を途中で止めたり、期間を延ばしたりできますか?
radiko広告は開始日の0:00から終了日の23:59まで配信し、予算を消化した時点で終了します。期間の変更や追加のご相談は可能ですが、枠の確保が絡むため即時の反映はできません。変更の可能性がある場合は、あらかじめお知らせいただくと設計に織り込めます。
Q. 見積はどのくらいで出ますか?
目的、ターゲット、予算、配信時期、商圏をうかがってから作成します。媒体側の回答目安は、デモグラや興味関心などのベース単価であれば中3営業日、それ以外のセグメントでは中5営業日です。条件が複雑な場合や複数パターンの比較が必要な場合は、さらにお時間をいただきます。なお見積は過去の実績から想定される最大在庫量を試算した想定値であり、実施時期の状況によって変動します。
Q. 地上波のラジオCMと同時に始めることはできますか?
できます。ただし地上波とradikoでは締切と考査・審査の体系が別で、素材の規定も異なります。同時開始をご希望の場合は、両方の締切のうち早いほうに合わせて全体を逆算します。当社は地上波ラジオCMとradiko広告の両方を扱っているため、この逆算をまとめてお引き受けできます。
Q. Spotifyやポッドキャストのスケジュールもradikoと同じですか?
面が変われば締切も審査の体系も変わります。複数の面に同時に出す場合は、最も締切が早い面に合わせて逆算します。媒体ごとの違いはデジタル音声広告のサービスページで比較しています。
面が変われば締切も変わります。複数媒体なら最も早い締切に合わせて逆算します。
まとめ:radiko広告のスケジュールは『固定の締切』と『読めない審査』の2階建て
radiko広告の出稿スケジュールで押さえるべき核は3つです。ひとつ目は、事前情報の連携が7営業日前、お申し込みが5営業日前、入稿が3営業日前という締切はすべて営業日ベースで固定されており、素材が今日揃っていても配信開始は7営業日前より手前には来ないこと。ふたつ目は、審査の目安は中3営業日だが、放送局への確認・再審査・履歴事項全部証明書の3つで伸びるため、ここだけは事前準備でしか短くできないこと。みっつ目は、素材があれば最短2週間、新規制作なら3〜6週間、初めての出稿なら2か月前が現実的な目安だということです。
配信後も、実績レポートが掲載終了後5営業日、ブランドリフト調査や来店計測の結果は掲載終了後2週間以内が目安です。社内の報告期日がある場合は、配信開始日ではなく報告日から逆算してください。
当社では、初回の打ち合わせで放送実績の有無・既存音源とマスターデータの所在・バナーの遷移先ドメイン・配信開始日の曜日を確認し、逆算したスケジュール表をお出ししています。「この日から流したい」という日付が決まっているなら、まずその日付だけでもお知らせください。間に合うかどうかの結論を先にお返しします。
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