「デジタル音声広告、いくらかかりますか?」
最も多いご質問ですが、最も答えにくいご質問でもあります。
理由は単純で、音声広告には「1本いくら」という値段が存在しないからです。地上波のラジオCMなら「20秒1本◯◯円」と言えますが、デジタル音声広告は「1,000回聴かれていくら(CPM)」で課金されます。そしてそのCPMは、どこまで絞り込んで配信するかによって段階的に変わります。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、CPMの決まり方と費用を左右する4つの要素を整理したうえで、予算50万円・100万円・300万円それぞれで現実的に何ができるのかをご説明します。なお、本記事の金額はすべて幅のある目安です。確定値は在庫状況を確認したうえで見積書としてお出しします。
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【結論】最低出稿は50万円台から。CPMは絞り込みの度合いで段階的に変わる
先に全体像をお示しします。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 最低出稿金額(radiko audio Ad) | 50万円台〜(税別) |
| 課金の形態 | 完全聴取完了課金(最後まで聴かれた分だけ) |
| CPM(ノンターゲティング) | 1,000円を切る水準 |
| CPM(性別・年代・興味関心などの基本セグメント) | 1,000円台〜2,000円台 |
| CPM(聴取データ・過去の位置情報) | 2,000円台〜3,000円台 |
| CPM(リアルタイム位置情報などの行動データ) | 3,000円台〜4,000円台 |
| 音声素材の制作費 | 数万円〜数十万円(方式による) |
| 効果検証(ブランドリフト・来店計測) | 一定の出稿規模を満たす場合は無償付帯 |
地上波ラジオCMとの最大の違いは、「枠を買う」のではなく「聴かれた回数を買う」という点です。
完全聴取完了課金とは、広告が100%再生されて初めて課金される仕組みです。途中で離脱された分や、そもそも配信されなかった分は請求されません。払った金額は最後まで届いていると言い切れる——これがデジタル音声広告の買い方の特徴です。
本記事の金額はすべて目安の幅です。実際の単価は秒数・ターゲティング内容・配信時期の在庫状況によって変動し、条件の組み合わせによっては個別見積となります。radikoの仕様は「radiko Ad媒体資料 2026年4-9月版」に基づく2026年9月時点の情報で、媒体資料は半期ごとに改訂されます。
最低50万円台から。CPMは絞り込みの度合いで1,000円を切る水準から4,000円台まで動きます。
CPMを左右する4つの要素
見積の金額がどう決まるのか、要素を分解します。この4つを理解しておくと、見積書を見たときに「どこを動かせば安くなるか」が判断できます。
要素1:ターゲティングの絞り込み度合い(影響:大)
最も影響が大きい要素です。誰にでも配信する状態が最も安く、条件を掛け合わせるほど段階的に上がります。性別・年代・興味関心といった基本的な条件で1段階、聴取データや過去の位置情報で2段階、リアルタイムの位置情報で3段階、というイメージです。
なお、複数の条件を組み合わせる場合は、与件に応じて可否を判断したうえで個別に見積が出されます。
要素2:秒数(影響:中)
配信できる秒数は10・15・20・30・40・60秒です。基準となるのは15秒と20秒で、30秒以上を選ぶ場合は秒数に応じた上乗せが発生します。長い素材ほど単価が上がり、同時に配信できる在庫量も変わります。
情報量が必要な商材でも、まず15秒か20秒で成立しないか検討することをおすすめしています。音声広告は最後まで聴かれやすい媒体ですが、それは「長くしてよい」という意味ではありません。
要素3:エリア・時間帯の指定(影響:中)
配信するエリアを絞る場合、時間帯を指定する場合は、それぞれ単価に上乗せがあります。商圏が限られた店舗集客ではエリア指定が必須になることが多く、その分のコストは織り込んでおく必要があります。
要素4:在庫(影響:見積の前提そのもの)
これは単価ではなく、そもそも配信できるかどうかの問題です。
音声広告の枠は番組の中にある有限のものです。見積は過去の実績をもとに想定される最大在庫量を試算して出されますが、実施時期の利用者数の変動、放送局の判断、他社の出稿状況によって変動します。絞り込みが強いと、単価が決まっていても配信しきれないという事態が起こり得ます。
だからこそ、見積の段階で確認すべきは単価ではなく「この条件で予算を消化できる配信量が出るか」です。詳しくは音声広告のターゲティングの記事で解説しています。
絞り込み・秒数・エリア指定が単価を、在庫が配信できる量を決めます。
予算別|現実的に何ができるか
ここからは、ご予算ごとの設計の考え方です。金額は媒体費(税別)で、音声素材の制作費は別途とお考えください。
予算50万円台|まず試すための最小構成
radiko audio Adの最低出稿金額に相当する規模です。この予算では次の設計になります。
- ターゲティングは絞らないか、性別・年代・エリア程度に留める
- 秒数は15秒または20秒
- 配信期間は2週間〜1か月程度
- 効果検証は無償付帯の範囲で実施
正直に申し上げると、この予算は「効くかどうかを確かめる」ための規模です。
絞り込みを強めると配信量が確保できず、検証の精度も落ちます。まず広く配信して反応を見て、次の出稿で条件を詰めていく——という進め方が現実的です。この予算で位置情報を使った精緻なターゲティングを試みるのは、おすすめしません。
予算100万円台|設計の自由度が出る
検証と設計の両方が成立する規模です。
- 性別・年代・興味関心といった基本セグメントでの配信が現実的に
- セグメントを2つに分け、訴求を変えた素材を出し分ける設計も可能(1セグメントあたり音源は3本まで設定可能)
- 配信期間を1か月〜1か月半確保できる
- ブランドリフト調査や来店計測の結果を、判断材料として使える水準のサンプルが得られる
多くの案件がこの帯に収まります。費用対効果のバランスが最も取りやすい規模です。
予算300万円台以上|面をまたいだ設計に入る
この規模になると、radiko単独ではなく配信面の組み合わせを検討する意味が出てきます。
- radikoで中心層に、Spotifyで若年層にと、面を分けて配分する
- 位置情報を使った来店施策と、広く認知を取る配信を並走させる
- ポッドキャストを足して、検討期間の長い商材に深い情報を届ける
- 地上波ラジオCMと組み合わせ、反復接触とデジタルの補完を同時に設計する
この規模では、音声だけで完結させないほうが良い場合もあります。弊社は総合広告代理店として他媒体も扱うため、「音声にいくら、他にいくら」という配分からご提案できます。音声に全額を寄せるべきでないと判断した場合は、その旨を正直に申し上げます。
50万円台は検証、100万円台が設計の中心帯、300万円台以上は面をまたいだ配分の検討に入ります。
媒体費以外にかかる費用
見積で見落とされやすいのが、媒体費以外の費用です。
音声素材の制作費
制作方式によって費用と期間が大きく変わります。
| 方式 | 費用の目安 | 期間の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| AI音声 | 数万円台〜 | 数営業日 | まず試したい/複数パターンを出し分けたい |
| 宅録(ナレーターの自宅収録) | 十数万円台〜 | 1〜2週間 | コストを抑えつつ人の声で伝えたい |
| スタジオ収録 | 数十万円台〜 | 2〜3週間 | 音質と演出にこだわる/BGMや効果音を作り込む |
| 既存素材の書き出し直し | 数万円台〜 | 数営業日 | ラジオCM等の音源のマスターが手元にある |
なお、一定の出稿規模を満たす場合、媒体側の無償制作メニューが使えることがあります。
radikoには、条件を満たす出稿に対して音声素材を1本無償で制作するメニューがあり、スタジオ収録・宅録・AI音声から選べます。適用できるかどうかは見積時に確認できるため、制作費を計上する前にご相談ください。
効果検証の費用
ブランドリフト調査(認知・興味関心・利用意向の差を測る)と来店計測(来店率の差を測る)は、一定の出稿規模を満たす場合は無償で付帯します。購買データと連携した分析や、より詳細な来訪分析は有償のオプションです。
見積に含まれるもの・含まれないもの
見積には媒体費が含まれます。音声素材の制作費と、効果検証の有償オプションは別途です。また、配信量は在庫に左右されるため、見積は過去の実績をもとに想定される最大在庫量を試算した「想定値」として提示されます。確定値ではない点をあらかじめご承知ください。
制作費と検証費用を含めた総額で判断してください。無償メニューが使える場合もあります。
地上波ラジオCMとどちらが安いか
よくいただくご質問ですが、単純な比較はできません。買っているものが違うためです。
| 地上波ラジオCM | デジタル音声広告 | |
|---|---|---|
| 買うもの | 放送の枠 | 聴かれた回数 |
| 最小の出稿単位 | 20秒1本から(数千円〜) | 50万円台から |
| 届く相手 | 放送エリアの全員 | 指定した条件に合う人 |
| 届いたかどうか | 推定(聴取率などから) | 完全聴取数として実数が出る |
| 効果検証 | 指名検索や受電記録などで間接的に | ブランドリフト・来店率で直接 |
| 若年層への到達 | 弱い | radikoで補完、Spotifyならさらに |
小さく始めたいなら地上波、測りたいならデジタル、というのが実務的な使い分けです。
地上波ラジオCMは20秒1本あたり数千円から出稿でき、最小単位ははるかに小さくなります。ただし「誰に届いたか」は推定でしか分かりません。デジタル音声広告は最低50万円台からと敷居は高いものの、届いた実数と、届いた人がどう変わったかまで測れます。
そして現実には、両方を組み合わせるのが最も費用対効果が高いケースが多くあります。地上波で反復接触を作り、届きにくい若年層をデジタルで補完する設計です。同じ音源を流用できるため、制作費は一度で済みます(入稿規定が異なるため、書き出しは別々に必要です)。
小さく始めるなら地上波、測るならデジタル。組み合わせが最も効率的なことも多いです。
よくあるご質問
Q. 50万円未満では出稿できませんか?
radiko audio Adの最低出稿金額は50万円台からです。ご予算がこれを下回る場合、無理に音声へ出すのではなく、地上波ラジオCMや他の媒体をご提案することがあります。
Q. 配信されなかった分は返ってきますか?
完全聴取完了課金のため、完全聴取数が想定に届かなかった場合は実績に基づく請求のみとなります。使わなかった分を請求されることはありません。ただし「予定した認知が取れなかった」という結果は残るため、配信量が出る設計にしておくことが重要です。
Q. 見積はどれくらいで出ますか?
条件がシンプルであれば早くお出しできますが、ターゲティング内容が複雑な場合は在庫の試算に時間をいただくことがあります。配信希望時期が決まっている場合は、早めにご相談ください。
Q. SpotifyやポッドキャストのCPMも同じですか?
異なります。本記事の数字はradiko audio Adの水準です。Spotifyは数十万円台から、ポッドキャストは枠配信で数十万円台から、番組制作型は数百万円規模というのが目安ですが、媒体社や取引条件によって幅があります。確定条件は見積時に個別にご提示します。
Q. 途中で予算を追加できますか?
在庫状況によります。配信開始後の追加は設定の変更が必要になるため、当初から余裕を持った設計にしておくほうが確実です。
金額はいずれも目安です。条件が決まれば在庫を確認して確定値をお出しします。
まとめ:音声広告の料金は『絞り込みの度合い × 秒数 × 在庫』で決まる
デジタル音声広告には「1本いくら」という値段がありません。1,000回聴かれていくら(CPM)で課金され、そのCPMは絞り込みの度合いによって、ノンターゲティングで1,000円を切る水準から、基本セグメントで1,000円台〜2,000円台、行動データを使うと3,000円台〜4,000円台まで段階的に上がります。これに秒数とエリア・時間帯指定の上乗せが乗ります。
radiko audio Adの最低出稿金額は50万円台から。50万円台は「効くかどうかを確かめる」規模、100万円台が設計の自由度が出る中心帯、300万円台以上になると配信面をまたいだ配分の検討に入ります。
媒体費以外では、音声素材の制作費が数万円台から数十万円台まで方式によって幅があります。ただし一定の出稿規模を満たす場合は媒体側の無償制作メニューが使えることがあり、ブランドリフト調査や来店計測も無償で付帯します。制作費を計上する前に、適用可否をご確認ください。
そして最も重要なのは、見積で確認すべきは単価ではなく「この条件で予算を消化できる配信量が出るか」だという点です。絞り込みすぎると、単価は決まっているのに配信しきれないという事態が起こります。
フリーザロックエージェントは、radiko・Spotify・ポッドキャストに加え、地上波ラジオ・テレビ・シネアド・OOH・Webまで扱う総合広告代理店です。ご予算をお伝えいただければ、その範囲で成立するかどうかを正直にお答えします。お気軽にお問い合わせください。
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