「TVer広告の動画は、テレビCMと同じものでいいの?」
「何秒で、どんな作りにすれば効果が出やすいの?」
結論から申し上げると、TVer広告の動画は6〜60秒の間で作れ、テレビCMの素材も入稿の規定に合わせて変換すれば使えます。そのうえで、TVerならではの見られ方に合わせると効果を高めやすくなります。音を出して見る人が多いのでナレーションを生かす、テレビの画面ではクリックできないので検索してほしい言葉を伝える、スマートフォンではクリックやバナーでサイトに誘導する、の3つがポイントです。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、TVer広告の動画素材の作り方を、秒数の選び方、構成、デバイスごとの工夫、クリック誘導の素材、入稿の注意点の順にまとめます。
TVer広告の見られ方を知る
TVer広告は、番組の前・途中・後に流れる、スキップできない動画広告です。TVer広告の公式サイトでは、次のような特徴が紹介されています(2026年10月に確認)。
・最後まで見られやすい:スキップできない形式で、広告の視聴完了率は9割を超えるとされています。
・音が出た状態で見られる:CMの有音完視聴率は84.6%(マクロミル調べ、2024年11月時点)。ドラマやバラエティなど、音を出して楽しむ番組が多いためです。
・テレビの画面で見る人が多い:2026年4〜6月の利用デバイスの割合は、コネクテッドTVが39.27%、スマートフォン・タブレットが51.2%、パソコンが9.53%でした(TVer広告公式サイトのコラム、2026年8月)。
音があり、最後まで見てもらいやすい一方、テレビの画面とスマートフォンの画面の両方で見られることを前提に作る必要があります。
秒数の選び方
TVer広告で入稿できる動画の長さは6〜60秒です。公式サイトの「よくあるご質問」では、秒数ごとに次のように区分されています。
| 区分 | 実際の長さ | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 6秒 | 6〜10秒 | 商品名やロゴを短く思い出してもらう |
| 15秒 | 11〜22秒 | 1つの特長と案内先を伝える。基本の長さ |
| 30秒 | 23〜37秒 | 特長を2つほどと、使う場面を見せる |
| 45秒 | 38〜52秒 | ストーリーで伝える、サービスを説明する |
| 60秒 | 53〜60秒 | 採用動画やブランドの考え方など、じっくり伝える |
※区分は TVer広告公式サイト「よくあるご質問」より。向いている使い方は当社の考え方です。
スキップされないので、テレビCMと同じように15秒や30秒で組み立てるのが基本です。手元にテレビCMの素材があれば、まずそれを使い、反応を見て別の長さを作る方法もあります。
構成のポイント
音を生かす。有音で見られる割合が高いので、ナレーションや音楽で伝えることができます。商品名や会社名は、声でも伝えましょう。
最初の数秒で関心をつかむ。スキップされなくても、興味を持たれなければ記憶に残りません。最初に見る人の関心ごとや、印象に残る映像を置きます。
番組の雰囲気をこわさない。TVer広告は番組の途中にも流れます。テレビCMに慣れた人が多いメディアなので、テレビCMと同じように、見ていて不快にならない作りを心がけます。
伝えることを1つにしぼる。15秒で伝えられる量は限られます。日本民間放送連盟の放送基準では、テレビの15秒CMの音声の目安は14秒以内・84音節とされています。
デバイスごとの工夫
| デバイス | 特徴 | 素材の工夫 |
|---|---|---|
| コネクテッドTV | 大きな画面で、家族と見ることも多い。クリックできない | 検索してほしい言葉、会社名を大きく、声でも伝える |
| スマートフォン | 小さな画面。クリックでサイトへ移れる | 文字を大きく、少なく。クリックしたくなる一言を入れる |
| パソコン | クリックでサイトへ移れる。動画の横にバナーも出せる | バナーと動画の内容をそろえる |
テレビの画面とスマートフォンの画面は大きさがまったく違います。スマートフォンでも読める文字の大きさにしておけば、テレビでも読みやすくなります。
クリックで誘導する素材(クリッカブル・コンパニオンAD)
TVer広告には、サイトへの誘導に使える2つの機能があります。TVer広告公式サイトのコラム(2026年8月)によると、どちらも追加料金なしで使えます。
クリッカブル。動画の再生画面そのものをクリックできるようにして、指定したページへ移ってもらう機能です。
コンパニオンAD。全画面で見ていない人に対して、動画の近く(スマートフォンでは動画の下、パソコンでは動画の右)にバナーや文字を出す機能です。コンパニオンADを使うと、動画もクリックできるようになります。
| 素材 | 主な規定 |
|---|---|
| スマートフォン用 バナーのみ | PNG、600×120ピクセル、150KB以内。文字は全体の30%以下 |
| スマートフォン用 バナー+テキスト | PNG、512×512ピクセル、150KB以内。テキスト25文字まで、ボタンの文言は10種類から選ぶ |
| スマートフォン用 テキストのみ | テキスト25文字まで、ボタンの文言は10種類から選ぶ |
| パソコン用 レクタングル | PNG、300×250または600×500ピクセル、150KB以内 |
※TVer広告 入稿規定(2026年10月に確認)より抜粋。アニメーションは不可、リンク先はhttpsのみ。
バナーでは、文字だけのもの、黒い背景に文字だけのもの、再生マークや検索窓のように誤ってクリックさせるおそれのある表現は使えません。番組と見分けがつきにくくなるためです。ボタンの文言は「詳しくみる」「資料請求」「予約こちら」などから選べます。
なお、テレビの画面ではクリックできず、全画面で見ているときはバナーが表示されません。クリック数は、動画とバナーを合わせた数でレポートされます。
テレビCMの素材を使うとき
公式サイトの「よくあるご質問」では、地上波のCM素材も、TVerの入稿規定に合わせてエンコード(変換)すれば使えると説明されています。
入稿規定の主なポイントは次のとおりです。
・ファイルはMP4、映像はH.264、音声はAAC-LC
・画面の大きさは、スマートフォン・パソコン用が1280×720、テレビ用が1920×1080
・音の大きさの目安(ラウドネス)は-24.0LKFS±1dB
・カラーバーやクレジットなどの頭の部分(リーダー)は不要
テレビアプリに配信しない場合は、スマートフォン・パソコン用の素材だけでもよいとされています。テレビCMの素材には、放送のための頭の部分などが入っていることがあるため、TVer用に整えて納めます。
素材づくりの進め方
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 目的と届けたい人を決める | 認知か、サイトへの誘導か。だれに見てほしいか |
| 2. 長さを決める | 15秒・30秒を基本に、伝えたい量で選ぶ |
| 3. 構成を作る | 最初の数秒、伝える1つのこと、最後の案内を決める |
| 4. 表現を確かめる | テレビCMの基準で、使える表現かを確認する |
| 5. 撮影・編集 | テレビとスマートフォンの両方で見やすい文字の大きさにする |
| 6. 入稿用に変換する | テレビ用とスマートフォン・パソコン用の2種類を用意する |
| 7. クリック用の素材を用意する | コンパニオンADのバナーやテキスト、移ってもらうページ |
クリックで移ってもらうページは、動画の内容と同じ言葉や写真で始めると、見た人が迷わずに次の行動に進めます。
審査(考査)を意識する
TVer広告の素材は、正式に入稿したあと、放送局ごとに審査されます。公式サイトでは、審査の基準は地上波のテレビCMとおおむね同じと説明されています。事前の審査は受けられないため、企画の段階から、テレビCMと同じ基準で表現を確かめておきましょう。審査を通った放送局の番組から順に配信されます。
よくある質問
Q. 縦長の動画は使えますか?
A. 入稿規定の映像の比率は16:9(横長)です。スマートフォンのSNS用に作った縦長の動画は、そのままでは使えません。
Q. 番組の前・途中・後のどこで流れるか選べますか?
A. 選べません。TVer広告公式サイトでは、番組の前(プレロール)・途中(ミッドロール)・後(ポストロール)にランダムに流れると説明されています。どこで流れても伝わる作りにしておきましょう。
Q. 何本の素材を用意すればよいですか?
A. 最初は1〜2本で始め、反応を比べながら素材を増やす方法がおすすめです。内容の違う素材を並べて配信すると、レポートで素材ごとの結果を比べられます。
まとめ:音とデバイスを意識し、テレビCMの基準で作る
・TVer広告の動画は6〜60秒。15秒・30秒が基本で、テレビCMの素材も変換すれば使える
・有音で最後まで見られやすいので、ナレーションで商品名や会社名を伝える
・テレビの画面ではクリックできないため、検索してほしい言葉を伝える
・スマートフォンとパソコンでは、クリッカブルやコンパニオンADでサイトへ誘導できる
・審査はテレビCMとおおむね同じ基準。企画の段階から表現を確かめる
申し込みから配信までの流れはTVer広告の始め方、動画の作り分けはテレビCMとWeb動画の作り分け、制作費の目安はCM制作の費用相場をご覧ください。


