新聞広告の考査(審査)とは|新聞協会の掲載基準と、通りやすい原稿の準備

「新聞広告には審査があると聞いたが、何を見られるの?」

「どんな広告だと断られたり、直しを求められたりするの?」

結論から申し上げると、新聞広告は掲載の前に、新聞社による審査(考査)を受けます。日本新聞協会は「新聞広告倫理綱領」と、そのモデルとなる「新聞広告掲載基準」を定めており、各新聞社はこれを参考に自社の基準を作って審査しています。責任の所在が不明確な広告、うそや誤解を招く表現、根拠のない比較などは掲載されません。広告主の情報、表現の根拠、必要な許認可の書類を早めにそろえることが、スムーズな掲載の近道です。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、新聞広告の考査のしくみ、掲載基準の主な内容、業種ごとの注意点、審査に向けた準備をまとめます。

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新聞広告の考査とは

考査は、新聞社が広告を掲載する前に、広告主や広告の内容が自社の基準に合っているかを確かめる審査です。新聞は信頼されるメディアであるため、読者に不利益を与える広告を載せないよう、新聞社ごとに広告の担当部署が確認しています。

日本新聞協会の「新聞広告倫理綱領」(1958年制定、1976年改正)は、広告内容の責任は広告主にあるとしたうえで、新聞社は不当な広告を排除し、読者の利益を守る原則を持つ必要があるとしています。綱領は次の3つを掲げています。

・新聞広告は、真実を伝えるものでなければならない

・新聞広告は、紙面の品位を損なうものであってはならない

・新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない

新聞広告掲載基準の主な内容

日本新聞協会の「新聞広告掲載基準」(1976年制定、1991年一部改正)は、会員の新聞社が自社の基準を作るときのモデルです。次のような広告は掲載しないとしています(主な項目を要約)。

分類掲載しない広告の例
責任・内容責任の所在が不明確なもの、内容が不明確なもの
うそ・誤解虚偽または誤認されるおそれがあるもの(編集記事とまぎらわしく広告であることが不明確なもの、統計や専門用語を引用して実際より有利に見せるもの、社会的に認められていない賞や資格で権威づけるものなど)
比較・優位性条件の明示と確実な事実の裏付けがない比較や優位性の表現
新聞社の推奨事実でないのに、新聞社が推奨・保証しているかのような表現
社会秩序投機や射幸心を著しくあおるもの、暴力や犯罪を肯定・美化するもの、わいせつなものなど
権利の侵害名誉棄損、プライバシーの侵害、信用棄損のおそれがあるもの。氏名、写真、談話、商標、著作物などを無断で使ったもの
取引の条件通信販売で連絡先、商品名、価格、送料、引き渡し、支払方法、返品条件などが不明確なもの
募集代理店募集、副業、内職、会員募集などで、目的や内容が不明確なもの
書類が必要なもの謝罪・釈明の広告で、広告主の掲載依頼書(または承諾書)がないものなど

※日本新聞協会「新聞広告倫理綱領/新聞広告掲載基準」より要約(2026年10月に確認)。実際の審査は、各新聞社がそれぞれの基準で行います。

記事のような広告には「広告」の表示を

記事と同じような体裁で作る広告(記事体広告)は、読者が記事と見分けられるように、「広告」などの表示を入れます。日本新聞協会は、消費者庁のステルスマーケティング規制の検討に寄せた意見書(2022年12月)で、各社が広告審査基準にもとづき審査を行い、記事体広告には「広告」などのクレジットを表示するよう注意していることを説明しています。

2023年10月1日からは、景品表示法にもとづくステルスマーケティング規制も始まっています。広告であることを隠す表示は、新聞に限らず規制の対象です。

業種ごとに注意したい点

業種・内容注意したい点
健康食品・化粧品・医薬品薬機法で、言える効能・効果の範囲が決まっている。体験談や「治る」などの表現に注意
医療機関・クリニック医療法にもとづく広告のルールがある。治療の効果や比較の表現に注意
通信販売価格、送料、支払方法、返品の条件などの表示をそろえる
金融・投資利回りなどの表示で、リスクの説明が求められる。新聞社による個別の確認が入りやすい
求人・募集仕事の内容、条件、募集する会社をはっきり示す
比較・No.1の表現調査の内容、時期、対象など、根拠を示せるようにする

法律ごとの基本は広告の表現で注意したい法律と権利で解説しています。個別の表現が問題ないかの最終判断は、専門家や行政の窓口にご確認ください。

審査の流れ

段階確かめられること
1. 広告主の確認初めて出稿する広告主は、会社の実在、事業の内容、必要な許認可などを確かめられることがある
2. 原稿の審査表現、根拠、表示すべき事項、権利の確認。必要に応じて資料の提出を求められる
3. 修正の依頼基準に合わない部分があれば、修正を求められる
4. 掲載の可否の決定修正後の原稿で、掲載の可否が決まる

審査には日数がかかります。新聞社によっては、入稿の締切より前に、審査用の原稿を出す期限を設けています。たとえば日本農業新聞の入稿ガイド(2022年3月版、2026年10月に確認)では、新聞広告は事前審査が必要で、審査用の原稿を入稿締切の10営業日前の正午までに出すよう定めています。

審査に向けて準備しておくもの

・会社の情報:会社名、所在地、連絡先、事業の内容がわかる資料

・許認可の書類:業種によって必要な許可や登録の写し(不動産、人材紹介、金融など)

・表現の根拠:「No.1」「〇%向上」などの表現の根拠になる調査や試験の資料

・権利の確認:写真の人物の同意、使っている素材の利用許諾、他社の商標を使う場合の許可

・取引の条件:価格、送料、キャンペーンの条件と期限

これらを原稿の制作と同時にそろえておくと、修正のやり取りが少なくなり、掲載日に間に合わせやすくなります。

確認されやすい表現の例

審査で根拠の提出や修正を求められやすい表現と、考え方の例です。実際の判断は新聞社や商品によって異なります。

表現の例確認されやすい点準備・考え方
「地域No.1」「売上日本一」何の調査で、いつ、どの範囲で一番なのか調査の名前、時期、対象を原稿に書き、資料を用意する
「今だけ半額」元の価格で実際に売っていたか、期間はいつまでか比べる価格の根拠と、期間をはっきり書く
「〇〇が治る」「飲むだけでやせる」薬機法や景品表示法に反するおそれ言える範囲の表現に変える。必要なら専門家に確認する
「〇〇新聞も推薦」新聞社が推薦・保証しているように見えないか事実でない推奨の表現は使わない
お客様の声、体験談本人の同意、内容が事実か、効果を断定していないか同意書を取り、個人の感想であることがわかる書き方にする

※表現は説明のための例です。

修正を求められたときの対応

修正を求められた場合は、まず理由を確かめます。表現を言い換えれば済むのか、根拠の資料を出せばよいのか、掲載そのものが難しいのかで、対応が変わります。掲載日が近い場合は、修正の範囲を最小限にできる言い換えを優先し、詳しい説明はWEBサイトに回す方法もあります。

よくある質問

Q. ある新聞で断られた広告は、ほかの新聞でも断られますか?

基準は新聞社ごとに定められているため、判断が分かれることもあります。ただし、表現に問題がある場合は、どの新聞でも修正を求められる可能性が高いため、まず理由を確かめて原稿を見直します。

Q. WEB広告で使っている表現なら、新聞でも使えますか?

WEB広告で使えていても、新聞社の審査で修正を求められることがあります。媒体ごとに基準が違うため、新聞向けにあらためて確認します。

Q. 審査の結果は、どのくらいでわかりますか?

新聞社や原稿の内容によって違います。初めての広告主や、確認する資料が多い業種は時間がかかるため、掲載日から逆算して、早めに審査用の原稿を出します。

まとめ:基準を知り、根拠と書類を早めにそろえる

・新聞広告は、各新聞社の基準による考査(審査)を受けてから掲載される

・日本新聞協会の掲載基準は、責任の所在が不明確なもの、うそや誤解を招くもの、根拠のない比較などを掲載しないとしている

・記事のような広告には「広告」の表示を入れる。ステマ規制も2023年10月から始まっている

・会社の情報、許認可、表現の根拠、権利の確認を、原稿の制作と同時にそろえる

原稿の作り方は新聞広告の基本とあわせて新聞広告とは、掲載までの流れと料金は新聞広告の料金と枠の種類をご覧ください。

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