「新聞に、記事のような形で自社の取り組みを載せられないの?」
「記事体広告と広告特集は何が違うの?費用はどう決まるの?」
結論から申し上げると、新聞の記事体広告は、広告主が費用を払って、記事に近い文章と写真で商品や会社の考えを伝える広告です。読み物として読んでもらえる一方で、読者が記事と見分けられるよう「広告」などの表示を入れることが前提になります。費用は「掲載料」と「制作料」の合計で考えます。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、記事体広告と広告特集の違い、「広告」表示のルール、公開されている料金の例、申し込みから掲載までの流れ、読まれる原稿のつくり方をまとめます。
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新聞の記事体広告(広告特集)とは
記事体広告は、新聞の広告スペースに、記事と同じような文章・見出し・写真の形で載せる広告です。「記事広告」「タイアップ広告」と呼ばれることもあります。広告主が伝えたい内容を、読者が読み進めやすい読み物の形にまとめるのが特徴です。
似たものに「広告特集」があります。広告特集は、新聞社が「住まい」「相続」「展示会」「地域の産業」などのテーマを企画し、そのテーマに合う複数の広告主が協賛して1つの特集面をつくる形がよく見られます。業界紙の日刊工業新聞は、媒体資料(2026年7月改訂)で「年間約600本の広告特集を企画」していると紹介しています。
どちらも、紙面のスペースを広告主が買う「広告」です。新聞社の記者が独自に取材して書く編集記事とは別のものとして扱われます。

記事の形が選ばれる理由の1つは、新聞というメディアへの信頼です。総務省の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月公表)では、メディアとしての信頼度は、全年代で新聞が58.8%ともっとも高い結果でした。信頼される紙面で、商品や会社の考えをじっくり読んでもらえることが、記事体広告の持ち味です。
純広告との違いと、向いている目的
新聞広告の基本の形は、広告主が用意したデザインの原稿をそのまま載せる「純広告」です。記事体広告や広告特集とは、つくり方と見え方、得意な目的が異なります。

| 純広告 | 記事体広告 | 広告特集 | |
|---|---|---|---|
| 原稿をつくる人 | 広告主(または広告主が依頼した制作会社) | 広告主の依頼で、新聞社や制作会社が取材・執筆することもある | 新聞社がテーマを企画し、各社の原稿をまとめる |
| 見え方 | 広告らしいデザイン。写真とコピーで一目で伝える | 記事に近い文章と写真。読み物として読ませる | テーマでまとまった特集面 |
| 得意な目的 | 名前や商品を印象づける、セールや開店を知らせる | 仕組み、背景、考え方をじっくり説明する | テーマに関心のある読者に名前を知らせる |
| 必要な表示 | 広告主名 | 「広告」などの表示と広告主名 | 「広告特集」などの表示と各社名 |
記事体広告が向いているテーマ
・説明が必要な商品・サービス:住まい、リフォーム、保険・相続、健康にかかわる商品、BtoBの製品など、良さを伝えるのに文章が必要なもの
・会社の考えや取り組み:創業の節目、新しい事業、地域への取り組み、人材の育成など、ストーリーで伝えたいもの
・人を見せたいもの:経営者のインタビュー、職人やつくり手の紹介、採用につながる社員の紹介
・業界に向けた発表:業界紙での新技術の紹介、展示会の出展の案内など
反対に、セール情報や開店日など「一目でわかればよい」内容は、純広告のほうが伝わりやすいことが多いです。枠の種類と大きさの全体像は、新聞広告の料金と枠の種類で紹介しています。
「広告」表示のルールとステルスマーケティング規制
記事体広告でもっとも大切なのは、読者が「これは広告だ」とわかるようにすることです。記事と見分けがつかない広告は、読者の信頼を損ねるだけでなく、掲載そのものを断られる理由になります。
新聞業界の基準。日本新聞協会は、1976年に定めた「新聞広告掲載基準」(モデル)で、編集記事とまぎらわしい体裁・表現により広告であることが不明確なものは掲載しないとしています。また、編集記事と似た体裁・表現の記事体広告には「広告」などのクレジットを表示するよう注意を呼びかけていると、2023年2月に公表した意見書で述べています。
景品表示法のステルスマーケティング規制。消費者庁は、広告であることを隠した表示(いわゆるステマ)を景品表示法の不当表示に指定し、2023年10月1日から規制の対象になりました。新聞は記事と広告を分けて載せていますが、広告主の側でも、記事体広告やその転載で「広告」「PR」などの表示が抜けないよう注意が必要です。
実務で確かめること。
・紙面の上部などに「広告」「広告特集」などの表示が入るか(位置と大きさは新聞社の決まりに従う)
・広告主の会社名がはっきり書かれているか
・新聞社の題字(新聞名のロゴ)や記事の書体を、誤解を招く形で使っていないか
・WEBやSNSに転載するときも、広告であることがわかる表示を残しているか
新聞社の審査(考査)の考え方は、新聞広告の考査(審査)とはで詳しく紹介しています。
費用の考え方と公開されている料金の例
記事体広告の費用は、大きく「掲載料」と「制作料」に分かれます。掲載料は純広告と同じく、新聞の種類、段数(紙面の大きさ)、色、掲載する面で決まります。そこに、取材・執筆・撮影・レイアウトの制作料が加わります。

料金表を公開している新聞社の例を挙げます。全国紙は料金表を一般に公開していないことが多いため、実際の金額は新聞社に確かめてお見積もりします。
| 新聞(資料) | 項目 | 公開されている金額 |
|---|---|---|
| 神戸新聞(広告料金表) | 記事体広告制作料 | 1段相当13,200円(税込)。広告料金に制作実費として加算 |
| 神戸新聞(広告料金表) | 面の指定 | 1面、第1・2社会面は10%増、テレビ面は20%増 |
| 日刊工業新聞(媒体資料・2026年7月改訂) | 全15段(全面)の掲載料 | モノクロ3,234,000円、カラー4,034,000円(消費税別) |
| 日刊工業新聞(同) | 全5段の掲載料 | モノクロ1,451,250円、カラー2,051,250円(消費税別) |
※いずれも各社の公開資料より(2026年10月に確認)。神戸新聞の料金表は改定日の記載がないため、確認日を記載しています。日刊工業新聞の媒体資料では、記事体広告について「取材やシナリオ作成など、多様な要望にも相談の上対応」とされ、制作の金額は個別のお問い合わせとなっています。
神戸新聞の例では、制作料は段数に比例します。全5段の記事体広告なら、制作料は13,200円×5段で66,000円(税込)となり、これに掲載料が加わります。
紙面の記事をWEBにも広げる場合
新聞社のWEBサイトで記事体広告を展開するメニューもあります。たとえば北海道新聞社の「北海道新聞デジタル PR特集」の資料(2024年4月改訂)では、取材から行う「取材プラン」が80万円から、本紙の紙面広告の原稿を使う「紙面セットプラン」が50万円から(いずれも税抜)とされています。紙面セットプランの場合、本紙の広告の制作・掲載費は別にかかります。紙面とWEBの組み合わせ方は、新聞広告とWEB広告の違いと組み合わせ方もご覧ください。
申し込みから掲載までの流れ
記事体広告は、純広告よりも準備に時間がかかります。取材の日程調整や、文章の確認、新聞社の審査が入るためです。

| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 目的を決める | 誰に、何を伝え、読んだ人にどう動いてほしいかを決める |
| 2. 新聞と枠を選ぶ | 届けたいエリアと読者に合う新聞、段数、色、掲載日を選ぶ。広告特集に協賛する場合は、特集のテーマと日程を確かめる |
| 3. 企画の相談 | 記事の切り口、取材する人や場所、写真の使い方を決める |
| 4. 取材・原稿 | 取材と撮影を行い、文章とレイアウトをつくる。社内の確認もここで行う |
| 5. 審査・校正 | 新聞社の審査を受け、表示や表現の修正に対応する。数字や固有名詞の誤りがないか確かめる |
| 6. 掲載・確認 | 掲載後、問い合わせ数や検索数の変化を記録する |
締切は新聞社やメニューによって異なります。参考として、前述の北海道新聞デジタル PR特集の資料では、申し込みは「掲載希望日から30営業日前まで」とされています。紙面の記事体広告も、取材と確認の時間を見込んで、掲載したい日が決まったら早めに相談するのが安心です。
読まれる記事体広告をつくるポイント
記事体広告は「読んでもらえるかどうか」で成果が変わります。広告主が言いたいことを並べるのではなく、読者が知りたいことから組み立てます。

読者の困りごとから始める。冒頭で商品名を出すより、「相続の準備はいつから?」「工場の人手不足をどう補う?」など、読者が抱える問いから入ると読み進めてもらいやすくなります。
見出しで内容がわかるようにする。新聞を開いた人は、まず見出しで読むかどうかを決めます。何がわかる記事なのかを、短く具体的な言葉で示します。
数字には出どころを書く。調査の数字や実績を使うときは、調査名と時期を添えます。根拠のない「No.1」や効果を言い切る表現は、新聞社の審査で修正を求められることがあります。
人と現場の写真を使う。経営者やつくり手の表情、製品が使われている場面の写真は、記事としての読みやすさにつながります。
次の行動を1つに絞る。電話番号、QRコード、検索してほしい言葉など、読み終えた人にしてほしい行動を1つ示します。

段や割の寸法、入稿データの決まりは、新聞広告の原稿の作り方で紹介しています。
効果の確かめ方と記事の二次利用
記事体広告は、名前を知ってもらうだけでなく、読んだ人が「調べる」「問い合わせる」きっかけになることを狙います。掲載の前に、何で効果を確かめるかを決めておきます。
・問い合わせの数:記事体広告専用の電話番号や受付フォーム、QRコードを用意し、掲載前後で比べる
・検索の変化:社名や商品名の検索数、WEBサイトの訪問数を、掲載日の前後で比べる
・読者の声:営業先や来店客に「新聞を見た」と言われた件数を記録する
反響の数え方と記録表のつくり方は、新聞広告の効果測定のやり方で詳しく紹介しています。
記事体広告の原稿は、掲載後も営業資料や自社サイト、展示会の配布物として使いたくなるものです。ただし、二次利用ができる範囲は新聞社やメニューによって決まっています。北海道新聞デジタル PR特集の資料のように、二次利用をオプション(30万円・税抜)として定めている例もあります。転載する場合も「広告」の表示や新聞社のクレジットの扱いを含めて、事前に確かめておきます。
よくある質問
Q. 記事体広告は、編集記事として載せてもらえるのですか?
いいえ。記事体広告は広告主が費用を払って載せる広告で、編集記事とは別のものです。「広告」などの表示が入り、広告主の名前も明記されます。編集記事として取り上げてもらいたい場合は、広告とは別に、プレスリリースなどで報道機関に情報を届ける方法があります。
Q. 記事体広告の文章は、自社で書いてもよいですか?
新聞社やメニューによっては、自社で用意した原稿で掲載できる場合があります。一方で、制作を新聞社側で行うメニューもあり、表示やレイアウトには新聞社の決まりがあります。自社で書く場合も、審査で修正が入ることを見込んでおきます。
Q. 費用はいくらくらいから考えればよいですか?
新聞と段数で大きく変わります。公開されている料金表の例では、日刊工業新聞の全5段の掲載料はモノクロで1,451,250円(消費税別)です。神戸新聞では、記事体広告制作料が1段相当13,200円(税込)で掲載料に加算されます。エリアと段数、掲載したい時期をお伝えいただければ、新聞社に確かめてお見積もりします。
Q. 広告特集に協賛するのと、単独の記事体広告はどちらがよいですか?
テーマが自社の事業と合っていて、同じ関心を持つ読者にまとめて届けたいなら広告特集が向いています。自社の考えや商品の背景を、ほかの会社と並ばずにしっかり伝えたい場合は、単独の記事体広告が向いています。
Q. 業界紙でも記事体広告は出せますか?
業界紙にも記事体広告のメニューがあります。たとえば日刊工業新聞の媒体資料(2026年7月改訂)にも記事体広告が掲載されています。業界の決裁者に、新しい技術や取り組みを詳しく伝えたいときの選択肢になります。業界紙の選び方は業界紙・専門紙の広告とはをご覧ください。
まとめ:記事の形で、広告とわかるように伝える
・記事体広告は、記事に近い文章と写真で、商品や会社の考えをじっくり伝える広告。広告特集は新聞社がテーマを企画し、複数の広告主が協賛する形が多い
・日本新聞協会の基準と景品表示法のステマ規制により、「広告」などの表示と広告主名をはっきり示すことが前提
・費用は「掲載料+制作料」。神戸新聞の公開料金表では記事体広告制作料が1段相当13,200円(税込)。全国紙はお見積もり
・取材と審査の時間を見込み、掲載日が決まったら早めに相談する
・読者の困りごとから書き始め、問い合わせや検索など、効果を確かめる方法を先に決めておく
フリーザロックエージェントは、全国紙・ブロック紙・地方紙・業界紙を横断して、新聞と枠の選定、記事体広告の企画・取材・原稿の制作、新聞社の審査への対応、掲載後の効果の確認までお手伝いします。「うちの商品は記事の形と純広告のどちらが合う?」という段階のご相談も歓迎です。


