「雑誌に広告を出したけれど、どれだけ見られたのかわからない」
「雑誌広告の効果は、何で測ればいいの?」
結論から申し上げると、雑誌広告の効果は、①読者にどれだけ見られたか(広告注目率など)、②気持ちがどう変わったか(興味や購入の意向)、③実際にどう動いたか(検索、アクセス、問い合わせ、売上)の3段階で考えます。業界の共同調査では、雑誌広告の注目率の平均は46.4%という結果があります。自社でできる測り方としては、専用のQRコードやクーポン、社名・商品名での検索数、「何で知りましたか」の質問を組み合わせます。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、雑誌広告の効果の考え方、業界の調査からわかる目安、自社でできる測り方と次に生かす方法をまとめます。
雑誌広告の効果を3段階で考える
| 段階 | 見る数字の例 | 主な測り方 |
|---|---|---|
| 1. 見られたか | 広告注目率、広告精読率(内容まで読んだ割合) | 出版社や業界の調査、読者アンケート |
| 2. 気持ちが動いたか | 興味・関心、商品の理解、好感、購入・利用の意向 | 読者アンケート、認知度の調査 |
| 3. 行動したか | 社名・商品名での検索、WEBサイトへのアクセス、問い合わせ、来店、売上 | 専用のQRコード・URL、クーポン、検索数、売上の記録 |
雑誌広告は、ブランドのイメージづくりや商品の理解など、すぐの行動につながりにくい目的で使われることも多い媒体です。目的に合った段階の数字を選んで見ることが大切です。
業界の調査からわかる雑誌広告の効果
日本雑誌協会と日本雑誌広告協会の協力のもと、ビデオリサーチが行った雑誌広告効果測定調査「M-VALUE」(第6回、2019年発表)では、21社33誌・622素材の広告について、15〜69歳の読者にインターネットで調査しています。主な結果は次のとおりです。
| 指標 | 意味 | 622素材の平均 |
|---|---|---|
| 広告接触率 | 読者のうち、広告にふれた人の割合 | 70.6% |
| 広告注目率 | 読者のうち、広告を「確かに見た」人の割合 | 46.4% |
| 広告精読率 | 読者のうち、広告を確かに見て、内容まで読んだ・じっくり見た人の割合 | 31.6% |
| 興味関心度 | 読者のうち、広告の商品に興味を持った人の割合 | 40.8% |
| 購入・利用意向度 | 読者のうち、購入・利用したいと思った人の割合 | 31.5% |
※日本雑誌協会・日本雑誌広告協会「第6回 雑誌広告効果測定調査 M-VALUE」(2019年)より。数字は読者全体に対する割合です。
同じ調査では、広告を確かに見た人に限ると、約5割(51.3%)が購入・利用の意向を持っていました。広告を見た人のうち8.4%が「メーカーやサービス提供会社の公式サイトで調べた」と答えるなど、実際の行動も見られています。
純広告とタイアップで効果の出方は違う
同じ調査では、見開き2ページのカラー広告で比べると、広告の注目率は純広告が51.1%、記事広告・タイアップ広告が47.1%と、純広告のほうが高い結果でした。一方、広告を見た人の購入・利用意向は、純広告が47.9%、記事広告・タイアップ広告が55.8%と、タイアップのほうが高くなっています。
純広告は「目に留まる」こと、タイアップは「内容を理解して欲しくなる」ことに強い、と読み取れます。目的に合わせて使い分けたり、組み合わせたりします。タイアップの進め方は雑誌のタイアップ記事とはで解説しています。
見られやすさは「大きさ」と「位置」に左右される
M-VALUEでは、第2〜6回の合計3,363素材を分析し、広告注目率に影響する条件も調べています。影響が大きい順に、掲載するスペースの大きさ(ページ数)、掲載する位置、雑誌のジャンル、商品のジャンル、広告の表現でした。効果を比べるときは、同じ大きさ・同じ位置どうしで比べないと、原稿のよし悪しを正しく判断できません。
自社でできる測り方
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 専用のQRコード・URL | 雑誌ごとに別のQRコードやURLを用意し、アクセスや問い合わせを数える | QRコードの周りに余白を取り、4色ではなく黒1色で作るなど、読み取れる形にする |
| クーポン・合言葉 | 「雑誌を見た」で受けられる特典をつけ、利用の数を数える | 雑誌の発売期間に合わせて期限を決める |
| 社名・商品名での検索数 | 発売日の前後で、検索の数の変化を比べる | 同じ時期のほかの広告も記録しておく |
| 「何で知りましたか」の質問 | 問い合わせや購入のときに、きっかけの雑誌名を聞く | 選択肢に雑誌名を入れる |
| 店頭・ECの売上 | 発売後の売上を、前の期間やほかの地域と比べる | 在庫やセールの影響もあわせて見る |
| 読者アンケート | 認知、好感、購入の意向を、出稿の前後で調べる | 出版社が独自の読者調査を用意していることもある |
目的別に見る数字
| 目的 | 主に見る数字 | あわせて見る数字 |
|---|---|---|
| ブランドのイメージづくり | 認知度、好感度(出稿前後の調査) | 社名・商品名での検索数、SNSでの話題 |
| 新商品の認知 | 商品名での検索数、商品ページへのアクセス | 店頭やECでの売上の立ち上がり |
| 購入・来店 | クーポンの利用数、専用QRコードからの購入 | 1件あたりの費用 |
| 資料請求・問い合わせ(BtoBなど) | 専用QRコード・URLからの資料請求、問い合わせ数 | 「何で知りましたか」の回答 |
記録表の例
雑誌広告の効果は、1回の掲載では判断しにくいため、掲載のたびに同じ項目で記録します。項目の例です。
・掲載の条件:雑誌名、号、発売日、位置(表4、表2、中面など)、大きさ、純広告かタイアップか、費用
・原稿:見出し、写真、特典、QRコードの有無
・反響:QRコードからのアクセス、クーポンの利用、問い合わせ、検索数、売上の変化
・期間:発売日から次の号の発売日まで、週ごとの数字
・同じ時期のほかの施策:ほかの広告、セール、季節の要因
記録がたまると、「この雑誌の、この位置は反響が多い」「タイアップのほうが問い合わせにつながる」といった、自社の商品に合った傾向が見えてきます。
雑誌ならではの「時間」の考え方
雑誌は、発売日に一度に見られるのではなく、次の号が出るまでの間、書店に並び、家庭や美容室、待合室などで読まれ続けます。月刊誌なら、効果は発売日から1か月ほどかけてゆっくり表れることがあります。そのため、反響を数える期間は発売日の前後数日だけでなく、次の号の発売まで見ておきます。
電子版や読み放題サービスに広告が転載される場合は、さらに長く読まれることもあります。転載の有無は申し込みのときに確かめます。
結果を次の出稿に生かす
・雑誌を比べる:同じ大きさ・同じ位置で、雑誌ごとのアクセスや問い合わせ、1件あたりの費用を比べます。
・位置と大きさを比べる:表4(裏表紙)、表2(表紙の裏)、中面など、位置による違いを記録します。
・純広告とタイアップを比べる:目的に対して、どちらが効いたかを確かめます。
・ほかの媒体と同じ物差しで比べる:WEB広告などと、問い合わせ1件あたりの費用や検索数の変化で比べます。
よくある質問
Q. 雑誌広告の効果を、出版社に調べてもらうことはできますか?
出版社によっては、読者アンケートや、業界の共同調査への参加の枠を用意していることがあります。調べられる内容や費用は出版社によって違うため、申し込みの前に確かめます。
Q. ブランドのイメージづくりが目的の場合、何を見ればよいですか?
出稿の前後での認知度や好感度の調査、社名・商品名での検索数、SNSでの話題の数などを見ます。売上だけで判断すると、イメージづくりの効果を見落とします。
まとめ:目的に合った段階の数字で、雑誌の効果を見る
・雑誌広告の効果は「見られたか」「気持ちが動いたか」「行動したか」の3段階で考える
・業界の調査では、広告注目率の平均は46.4%、広告を確かに見た人の約5割が購入・利用の意向を持った(2019年)
・純広告は目に留まりやすく、タイアップは購入の意向を高めやすい
・専用のQRコード、クーポン、検索数、「何で知りましたか」を組み合わせ、次の号の発売まで反響を数える
雑誌広告の全体像は雑誌広告とは、複数の媒体を同じ物差しで比べる方法は広告の効果測定のやり方をご覧ください。


