「雑誌の広告は出したいが、紙だけでは若い人やWEBの人に届かないのでは?」
「雑誌のWEB版の広告は、普通のWEB広告と何が違うの?」
結論から申し上げると、いまの雑誌は、紙の誌面に加えて、出版社が運営するWEBメディア、電子版、SNSでも読まれています。紙の誌面で世界観と信頼を伝え、WEB版の記事広告(タイアップ)で商品の魅力を詳しく伝えて商品ページへ案内する、という組み合わせが基本です。業界の共同調査では、出版社のWEBメディアのタイアップ広告は、一般のWEBメディアよりも興味や購入の意向が高いという結果が出ています。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、雑誌のWEB版(出版社WEBメディア)の広告の種類、調査からわかる特徴、紙との組み合わせ方と注意点をまとめます。
雑誌の広告は紙からWEBへ広がっている
電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)によると、2025年の雑誌広告費は1,135億円、出版社のWEBメディアなどの雑誌デジタル広告費は615億円でした。雑誌の広告の場は、紙の誌面だけでなく、WEB版や電子版、SNS、イベントへと広がっています。
雑誌のWEB版の規模の例として、集英社の女性誌「LEE」は、紙の平均発行部数が11.2万部(日本雑誌協会公表の最新部数、2026年7月末時点の掲載)に対し、WEBサイトの月間PV(ページが見られた回数)が3,047万PV、月間UU(訪れた人の数)が422.9万UU(2026年8月末時点)と公表しています(集英社「ADNAVI」、2026年10月に確認)。紙とWEBを合わせると、紙だけよりはるかに多くの人に届く雑誌もあります。
雑誌のWEB版の主な広告
| 広告の種類 | 内容 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 記事広告(タイアップ) | 編集部が記事の形で商品を紹介する。「PR」などの表記が入る | 商品の魅力や使い方を伝え、商品ページへ案内する |
| バナー広告 | WEBサイトの決まった枠に画像の広告を出す | 名前を知ってもらう、キャンペーンを知らせる |
| SNSでの投稿 | 雑誌の公式SNSで、商品を紹介する投稿や動画を出す | 若い世代やSNSを中心に情報を集める人に届ける |
| 動画 | 雑誌のモデルや編集者が出演する動画を作る | 使い方や質感を、動きと音で伝える |
| イベント | 読者を招いたイベントや体験会に協賛する | 実際に試してもらう、熱心な読者とつながる |
調査からわかる出版社WEBメディアの特徴
日本雑誌協会と日本雑誌広告協会は、ビデオリサーチの協力のもと、「M-VALUE DIGITAL(デジタル広告効果測定調査)」を行っています。第2回の結果(2025年9月発表)では、2022年〜2025年のWEBメディアのタイアップ広告100素材について、出版社のWEBメディアと、それ以外の一般のWEBメディアを比べています。調査は全国の20〜59歳の、そのWEBサイトを月1日以上読む人を対象にしたインターネット調査です。
| 項目(「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計) | 一般のWEBメディア | 出版社のWEBメディア |
|---|---|---|
| 広告・記事への好意 | 85.9% | 89.0% |
| 商品への興味・関心 | 81.7% | 86.5% |
| 商品の検索意向 | 71.8% | 78.4% |
| 購入・利用意向 | 76.9% | 82.2% |
| 「次に買うとき・買い替えるとき」に買う予定 | 37.3% | 48.9% |
※日本雑誌協会・日本雑誌広告協会「第2回 M-VALUE DIGITAL」調査結果(2025年9月16日発表)より。一般のWEBメディア64素材、出版社のWEBメディア36素材の結果です。
同じ調査では、出版社のWEBメディアの読者は、一般のWEBメディアの読者より平均の世帯年収が23万円、個人年収が44万円高い結果でした。また、出版社のWEBメディアのタイアップ広告に興味を持った理由として、「文章表現・編集」や「コメント力・編集者」が一般のWEBメディアより多く挙げられています。雑誌の編集の力が、WEBの広告でも評価されていることがうかがえます。
紙とWEB版の組み合わせ方
1. 紙で世界観、WEBで詳しく。紙の誌面で商品のイメージを大きく見せ、WEB版のタイアップ記事で使い方や開発の背景を詳しく伝えます。誌面にQRコードを入れて、WEBの記事へつなぎます。
2. 同じ記事を紙とWEBで使う。紙のタイアップ記事をWEB版にも載せると、紙の読者以外にも届きます。WEB版では商品ページへのリンクを入れられるため、購入までの道すじを短くできます。
3. WEB版の記事を、ほかのWEB広告で広げる。WEB版の記事を、SNS広告などで届けたい人に向けて配信すると、記事を読む人を増やせます。こうした配信ができるかどうかは、出版社に確かめます。
4. 電子版への転載を確かめる。紙の広告が電子版にも載るとは限りません。集英社の案内(2026年10月に確認)では、電子書店で販売する電子版は「純広告は掲載しない、タイアップは転載する」が基本で、読み放題サービス向けの電子版は純広告・タイアップとも掲載しないのが基本(転載は有料)としています。
WEB版の広告で確かめること
・数字の数え方:PVやUUの数え方は、メディアによって違うことがあります。集英社の広告掲載規定では、スクロールで読み進める記事について、一定の表示領域を基準にページビューを数えるなどの数え方を説明しています。何をどう数えた数字かを確かめます。
・レポートの内容:掲載後に、記事のPV、読了の割合、商品ページへのクリック数などのレポートがもらえるかを確かめます。
・掲載の期間:記事がいつまで公開されるか、検索から読まれ続けるかを確かめます。
・二次利用の条件:記事や写真を自社のサイトやSNS、店頭で使えるか、期間や範囲を確かめます。モデルを起用した場合は、使える範囲が限られることがあります。
・「PR」の表示:2023年10月からステルスマーケティング規制が始まっています。タイアップ記事には、広告であることを示す表示が入ります。
効果の測り方
| 見る数字 | 測り方 |
|---|---|
| 記事の読まれ方 | 出版社のレポート(PV、読了の割合、滞在の時間など) |
| 商品ページへの流れ | 記事からのクリック数、商品ページへのアクセス(URLに目印をつけて数える) |
| 購入・問い合わせ | 記事から来た人の購入や問い合わせの数 |
| 紙の誌面の反響 | 誌面のQRコードからのアクセス、社名・商品名での検索数 |
よくある質問
Q. 紙の雑誌に出さず、WEB版だけに出すこともできますか?
できる場合があります。出版社によっては、WEB版だけのタイアップやバナーのメニューを用意しています。雑誌の世界観や信頼を生かしつつ、費用を抑えたい場合や、商品ページへの誘導を重視する場合に向いています。
Q. 普通のWEB広告とは、何が違いますか?
出版社のWEBメディアの記事広告は、雑誌の編集部が、その雑誌の読者に合わせて作る点が大きな違いです。広告として目立たせるより、読みものとして自然に読まれることで、商品への理解や好感を高めます。
Q. どの商品ジャンルが、出版社のWEBメディアに向いていますか?
同じ調査では、出版社のWEBメディアのタイアップで、「コスメ・美容」や「男性ファッション」のジャンルが、一般のWEBメディアの平均を上回る効果を示したとしています。ただし、雑誌ごとに読者が違うため、商品と読者が合っているかを媒体資料で確かめることが大切です。
まとめ:紙の世界観とWEBの導線を組み合わせる
・2025年の雑誌広告費は1,135億円、雑誌デジタル広告費は615億円。雑誌の広告はWEBへ広がっている
・出版社のWEBメディアのタイアップ広告は、一般のWEBメディアより興味・関心や購入意向が高い結果(2025年発表の調査)
・紙で世界観を伝え、WEB版の記事で詳しく伝えて商品ページへつなぐ
・数字の数え方、レポート、掲載期間、二次利用、電子版への転載の条件を確かめる
タイアップの費用と進め方は雑誌のタイアップ記事とは、雑誌広告の全体像は雑誌広告とはをご覧ください。


