BS CMの費用は15秒1本5万円から|局別料金の実情と、全国に届ける本数設計【2026年版】

「BS CMは全国に流せるのに1本5万円からと聞いた。本当にそんなに安いの?」

「安いのはわかったけれど、結局いくら用意すれば効果が出るの?」

結論から申し上げると、BS CMの費用は15秒1本あたり5〜10万円が目安で、この1本が全国に届きます。ただしBSの論点は単価ではありません。1本あたりの到達が小さいため、「何本並べるか」を設計せずに出すと、安く買えたのに何も起きなかったという結果になります。

この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、BS CMの費用相場・局別料金の調べ方・予算別の本数設計・通販枠と長尺の実務・地上波との併用設計まで、プロの視点で徹底解説します。

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BS CMの費用相場|「1本いくら」と「月いくら」で押さえる

BS CMの費用は、15秒1本の単価と月額の総予算という2つの単位で押さえます。まずエリア別の1本単価です。

エリア主な局15秒1本の目安(税抜)
関東広域キー局5局30〜100万円
関西広域準キー局5局4〜25万円
中京広域名古屋の各局4〜12.5万円
北海道道内各局4〜6.5万円
福岡県内各局2.5〜6万円
BSBS各局5〜10万円
CS専門チャンネル1.8〜3.5万円

BSの5〜10万円は、単一エリアである北海道(4〜6.5万円)と近い水準で、福岡(2.5〜6万円)はさらに低い単価です。それでも同程度の金額で、片方は一道県、もう片方は全国に届きます。絶対額の安さよりも「カバー範囲に対する安さ」がBSの特徴です。関東の独立局や東北各県は、公開できる目安単価がないため表に載せていません。

月額では、BSは月30万円からが目安です。

参考までに地上波スポットも月30万円から、タイム(番組提供)は月50万円から、CSは月10万円からが目安です。請求書に並ぶのは放映料(電波料)だけでなく、制作費・考査対応費・素材搬入費・権利費・代理店手数料も加わります。

BS CMは15秒1本5〜10万円、月額30万円から。単一エリアと同水準の金額で全国に届きます。

局別の料金レンジが「調べにくくなった」2026年の事情

「BS各局の料金表を並べて比べたい」というご要望は多いのですが、2026年時点で局別の単価を横並びで確認する手段は、ほぼありません。理由は2つです。

ひとつは、業界共通の料金表がなくなったこと。日本広告業協会(JAAA)が1957年以来まとめてきた「放送広告料金表」(テレビ127局・ラジオ99局・BS無料放送などを収録)は、2025年版をもって発行終了となりました(2026年3月にJAAA公式サイトで告知)。BS各局を横断できる実質唯一の資料で、2025年版そのものは現存し参照できますが、2026年版以降は発行されないため、今後は最新版が存在しません。

もうひとつは、単価を公開している枠であっても、価格表そのものは閲覧が限定されていること。BSテレ東の「Smart Ad Sales(SAS)」はネットで1本から買え、公式サイトも「期間限定の公開単価セールスのため、値段交渉には応じられません」と明記しています。もっとも、販売価格表はパスワード付きページにあり一般には見られません。

検索で見つかる「BS局別料金表」の多くは出所が示されず、発行終了前の古い数値も混じります。金額が並んだ表を見たら、まず出典と時点を確認してください。

一方、局のラインアップは公的資料で確認できます。放送サービス高度化推進協会(A-PAB)のBSチャンネル一覧では、無料放送としてBS日テレ・BS朝日・BS-TBS・BSテレ東・BSフジ・BS10・BS11・TwellV(BS12トゥエルビ)・J:COM BS・BSよしもとの民放系10局と、放送大学が並びます(このほか民放5局の4Kチャンネルと通販系の4K2波も無料放送です)。局名は変わることがあり、BSJapanextは2025年1月にBS10へ、BS松竹東急は2025年7月1日にJ:COM BS(260ch)へ変更されました。局選びは料金表を比べる作業ではなく、番組と視聴者層を見る作業になります。

横断料金表は2025年版で発行終了。局別レンジは基本的に個別見積で確認します。

【この記事の核】BSは1本が安い。では、何本必要なのか

ここがBS CMの費用でもっとも大事な部分です。BSは1本が安い代わりに1本あたりの到達が小さく、費用は「何本並べるか」で決まります。

ビデオリサーチの「全国BS視聴率」によれば、全国BSの個人視聴率1%は119.7万人、世帯視聴率1%は56.9万世帯です(拡大推計マスタ、2021年9月29日時点)。ただしこの値は以降更新されていません。時点をそろえて2024年度のマスタで見ると、全国BSの個人視聴率1%は116.1万人、地上波関東地区は1%で19.7万世帯・39.9万人です。同じ「1%」でもBSは関東キー局の約2.9倍の人数にあたります。ビデオリサーチ自身も、BSは率だけで地上波と比べず視聴数・到達数を併せて見ることを推奨しています。

これを本数に落とし込みます。型は「月予算 ÷ 1本単価 = 本数」「本数 × 1本あたりの到達人数 = 延べ到達」。1本あたりの個人視聴率を仮に0.1%(=約12万人)と置いて試算します。

月予算(税抜)15秒の本数月間の延べ到達(試算)現実的な使い方
30万円約3〜6本約36〜72万人単独で認知は作れない。番組前後を絞ったテストや通販の反応検証
100万円約10〜20本約120〜240万人曜日・時間帯を絞れば同じ層への反復が作れる
300万円約30〜60本約360〜720万人複数局×複数時間帯に分散し、全国の面を張れる

この数字は計算の型です。1本あたりの視聴率は枠により0.1%を下回ることも、人気番組の前後で数倍になることもあります。またこれは延べ到達で、実際に届いた人数はこれより小さくなります。

この延べとユニークの区別が本数設計で最も効きます。月30万円で3〜6本だと、延べは数十万人でも多くは同じ時間帯の同じ人です。逆に通販のように反応者へ何度も見せたい目的なら、反復は欠点ではなく設計そのものになります。

つまりBSの最低予算は目的で変わります。全国の認知を動かすなら月100万円以上、特定の番組・時間帯に反復して当てるなら月30万円からでも設計は成立します。

BSの個人視聴率1%は2024年度マスタで約116.1万人、関東キー局の約2.9倍。ただし1本の到達は小さく、予算は本数に換算します。

BSはどこまで届くのか|到達・時間帯・視聴者属性を一次データで確認

BS各局の媒体資料によれば、BSデジタル放送の視聴可能世帯数は約4,512万世帯、普及率は77.1%です(BS民放6社・ビデオリサーチ「BS世帯普及率調査」、2019年6月・12月調査の2回平均)。以降この数値は更新されておらず、A-PAB・総務省も同種の数値を公表していません。なお、BS6社が2015年4月から続けてきた「機械式BS視聴世帯数調査」は2020年3月で終了し、全国32地区・10,800世帯のPM機械式による「全国BS視聴率」(2020年4月開始)に統合されました。こちらは視聴世帯数を測る調査で、上記の視聴可能世帯数(普及率)の調査とは別建てのものです。

一方、実際にどれだけ見られているかは、地上波と同じ調査で毎日測られています。

  • 無料BS民放局とNHK BS2波を合わせた「BS9局計」は、6〜24時の平均で常に約230万人が視聴(ビデオリサーチ、2021年4-6月平均)。これは2021年時点の括りで、NHK BSプレミアムは2023年12月に終了し、民放BSは現在8局です
  • 同じBS9局計の1日あたりの平均推計到達者数は約2,600万人(ビデオリサーチ、2021年4-6月平均)
  • 直近では、民放BS8局の1ヶ月の推計到達人数は4,645.6万人・到達率40.0%(BS11「BS power guide 2025」、2025年7月クール)
  • 平日は7時台・13時台に高まり20時台が最高。土日は12〜22時台に幅広く、最高値は16時台

視聴者属性は「高年齢層に偏る」という理解でおおむね正しいのですが、それだけではありません。BS11の媒体資料は民放BSの視聴者を「50才以上を中心に幅広い年齢層」としています。さらにビデオリサーチのACR/ex(2021年4-6月調査)では、無料BS民放局をよく見る層は個人年収・金融資産の平均額が全体より高く、乗用車・保険・国内旅行などで「銘柄選定から購入まで自分で行う購入決定者」の割合も高くなっています。年齢が高いというより、購買の決定権を持つ人が多いのです。

見方の質も違います。ビデオリサーチのACR/ex 2025(民放BS共同「BS power guide」掲載)によれば、民放BSを専念して見る層は合計58.6%、ながら視聴は40.6%です。地上波の専念視聴計43.6%に対して15.0ポイント高く、同じ1本のCMでも受け取られ方が変わります。

視聴可能世帯数は約4,512万世帯・普及率77.1%(2019年6月・12月調査の2回平均)。以降この数値は更新されていません。

BS CMの3つの強みと、隠さずに書く3つの制約

強み

  • 全国を1波でカバー:単一エリアの地方局と同水準の単価で、北海道から沖縄まで同じCMが流れる
  • 長尺が打ちやすい:BSテレ東は「120秒、180秒、最長300秒といった長尺のCMが、日中に限らずゴールデンタイムにも放送可能なのは、BS放送ならではのCM方法です。」と公式に案内
  • 接触の質が高い:専念視聴の度合いが地上波より高く、デジタル広告で問題になるアドフラウドやビューアビリティのような論点は、放送では構造的に想定されない

制約

  • 1本あたりの到達が小さい:本数設計が前提。「安いから1本試す」では何も測れない
  • 視聴者属性が高年齢に寄る:20代・30代が主要ターゲットの商材にBS単独は不利。BS11のアニメ枠のような例外もあるため、局ではなく枠で判断する
  • 即効性は地上波スポットに劣る:短期間で大量のGRPを積んで認知を一気に立ち上げる使い方には向かない

フリーザロックエージェントはテレビCMだけを売る立場にありません。短期で一気に認知を作りたい、若年層に当てたいという要件なら、ラジオ・OOH・Web動画など他媒体のほうが合理的です。BSが合わない場合は、理由と代替案をそのままお伝えします。

強みは全国カバー・長尺・接触の質、制約は到達の小ささ・属性の偏り・即効性の弱さです。

BSの通販枠と長尺インフォマーシャル|「認知」ではなく「売る」ために使う

BSでは通販は余り枠ではなく、編成の柱です。BS11の基本編成表では早朝から夕方まで複数の時間帯に「ショッピング情報」が定常編成され、同局はアニメやOOHと連動したスポットCMの特別企画をメニュー化し、機能訴求インフォマーシャルの制作事例も公開しています。総務省の資料では、BS放送(右旋)に「ショップチャンネル4K」「4K QVC」の4K2波が無料放送で編成されていることが確認できます(2025年4月に左旋から移転)。HD版のQVC・ショップチャンネルはBSではなく東経110度CS放送(右旋)です。

通販でBSを使うと、KPIがCPO/CPRに変わります。

指標意味使いどころ
CPR1件の反応(資料請求・サンプル申込など)にかかった広告費初回お試しを入口にする商材。枠の良否を早く判定できる
CPO新規顧客の受注1件にかかった広告費単品リピート通販など。LTVと突き合わせて上限を決める
引上率反応者が本購入・継続に進んだ割合CPRが良くても引上率が低ければ赤字

この指標で買うと見え方が変わります。認知目的では「本数が足りない」とされる月30万円でも、CPRが許容範囲なら成立している出稿です。逆に本数を積んでもCPOが合わなければ止めるべき出稿になります。

尺の設計も別物です。BSテレ東のスポットは最短15秒から最長300秒までで、長尺がゴールデンタイムでも放送できます。商品説明・実演・価格提示・申込方法を1本で完結させたい通販では、この自由度がそのまま成果に効きます。番組形式の長尺は枠の確保が個別交渉になるため、代理店の押さえ方が結果を左右します。なお日本通信販売協会(JADMA)によれば、2024年度の通販・EC市場売上高は前年比7.3%増の14兆5,500億円で26年連続増です。

通販でBSを使うなら、出稿前に測定の受け皿を用意してください。放送日時ごとの入電・アクセスログ、専用電話番号または専用URL、枠別のCPR集計。これがないと2回目の設計ができません。

BSの通販枠は編成の柱で、判定基準はCPO・CPRです。最長300秒を使える自由度も特徴です。

地上波との併用設計|BSは「反復」のレイヤーに置く

BS単独か地上波と組むか。予算が限られているほど、この判断が結果を分けます。基本形は、地上波で認知の立ち上げ、BSで反復と全国補完という役割分担です。

役割担当理由
認知の立ち上げ地上波スポット短期間に大量のGRPを積める
反復・記憶の定着BS1本単価が低く接触回数を積める
地上波が薄いエリアの補完BSNHK受信契約に占める衛星契約の比率が全国平均を上回る県が多い

3つ目は地方展開で見落とされがちです。総務省「衛星放送の現状」(令和8年度版)は、民放テレビが3波以下の14都道府県のうち9都道府県で、NHK受信契約に占める衛星契約の比率が全国平均を上回ると示しています(令和7年3月末現在)。これはNHKの衛星契約比率という指標であり、BS民放やCSの加入率そのものではありませんが、系列局が揃っていないエリアほど衛星放送への依存度が高い傾向は読み取れます。

  • 認知を新規に立ち上げる局面なら地上波に厚く、既知の商材を刈り取る局面ならBSに厚く
  • 主要ターゲットが50代以上、または15秒で伝わらない商材なら、BS比率と長尺に寄せる
  • 地方が弱いという課題があるなら、BSを補完レイヤーとして固定で入れる

なお安く試したい理由でCSを検討されることもあります。CSは月10万円からジャンルを絞れますが、母数が小さく単独では認知形成に届きません。全国の面を張るのがBS、ジャンルを絞るのがCSです。

地上波で認知を立ち上げ、BSで反復と地方補完を担わせるのが基本形です。

BS CMを出すまでの期間と、費用が動く時期

費用の話にはスケジュールがついてきます。逆算を間違えると希望の枠が埋まり、単価が上がります。

  1. 業態考査の申請:初回取引の局ではここが最も時間を要する。BS11は放送希望の約2ヶ月前(素材制作からなら約3ヶ月前)、BSフジは業態審査・CM考査ともに一般的に5営業日と案内しており、局差が大きい
  2. 枠の確保:BSテレ東のSASは、公式サイトのFAQで「放送該当月の2ヶ月前の第1営業日からおよそ5週間」がセールス期間と案内されている(同サイトの別ページには「約1か月間」との記載もあり表記が一致しないため、締切は都度確認が必要)
  3. 表現考査:絵コンテ・原稿の段階で先行させると、改稿時の巻き戻しが小さくなる
  4. 10桁CMコードの取得:制作段階から必要。考査を通ってから取るものではない
  5. 素材搬入:放送日を含まない4日前まで。土日祝を挟む分は繰り上がる

繁忙期は年度末の3月、上期末の9月、年末商戦の11〜12月。緩むのは2月と8月で、同じ予算でも本数を多く積める可能性があります(時期・局により異なります)。BSは本数で成果が決まるため、この時期差はそのまま延べ到達の差になります。

放映希望月が決まっているなら、逆算の左端に置くのは撮影ではなく、業態考査の申請日と枠のセールス期間です。

考査期間は局差が大きく、SASは2ヶ月前から約5週間。繁忙期を外せば積める本数が変わります。

まとめ:BS CMの費用は『安い1本を、何本並べるかで決まる』

BS CMの費用について、押さえておきたい点を整理します。

・15秒1本5〜10万円、月額30万円からが目安。北海道など単一エリアの地方局に近い水準の金額で全国に届く

・局別の料金表は一般公開されておらず、業界共通の横断料金表も2025年版で発行終了。局を横断的に比べる資料はなくなったため、局別の実勢は個別見積で確認するのが基本です(BSテレ東のSASのような公開単価枠は例外)

・個人視聴率1%は2024年度マスタで約116.1万人、関東キー局の約2.9倍。ただし1本の到達は小さく本数設計が前提。月30万円で約3〜6本、100万円で約10〜20本、300万円で約30〜60本

・通販・長尺ではKPIがCPO/CPRに変わる。最長300秒をゴールデンタイムでも使えるのはBSの特徴

BSは「安く全国が買える媒体」であり、同時に「本数を積まないと何も起きない媒体」です。この2つを同時に理解しているかで、同じ予算の結果が変わります。

フリーザロックエージェントでは、枠選定から制作、考査の書類準備、広告事業者コードの取得、局ごとの搬入締切と技術仕様の管理まで一貫して対応しています。放送後はビデオリサーチのデータをもとに視聴率推移・推定リーチ・リーチ単価をレポートし、買った本数が実際に何人に届いたのかを数字で確認できる状態にしてお渡しします。

「うちの予算だと何本打てるのか」「BSより地上波やCSのほうが合うのか」というご相談も歓迎です。総合広告代理店フリーザロックエージェントはテレビCMだけを売る立場にありませんので、BSが合わないと判断した場合は、その理由と代替案を正直にお伝えします。お気軽にお問い合わせください。

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