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「同じ内容で相見積もりを取ったのに、会社によって金額が全然違う……」
結論から申し上げると、シネアド(映画館広告)の発注先は大きく 「劇場・興行会社の直販」「シネアド枠を保有する一次代理店」「総合広告代理店」の3タイプ に分かれます。そして見積もりが会社ごとに大きくズレる最大の理由は、値引き幅の差ではなく 「見積もりに含まれている費目の範囲が違う」 ことにあります。
この記事では、総合広告代理店であるフリーザロックエージェントが、シネアドを依頼できる会社の3タイプと向き不向き・見積もりの正しい読み解き方・失敗しない7つの比較軸・依頼から放映までの流れ を、プロの視点で徹底解説します。
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シネアドを依頼できる「会社」は3タイプある

シネアド(映画館広告)とは、映画館で本編上映前に流れるCMのことです。ただし、映画館に電話をすれば誰でも出稿できる、という単純な仕組みにはなっていません。広告枠の流通経路が複数あり、どの経路から入るかで価格も自由度も変わります。
広告主から見た「シネアドの依頼先」は、実務上おおむね次の3タイプに整理できます。
① 劇場・興行会社の直販窓口
シネコンチェーンや単館系の劇場が、自館のスクリーン枠を直接販売しているケースです。その劇場に限れば最短経路で、中間マージンも最小になります。一方で、扱えるのは基本的に自館の枠だけなので、複数チェーンをまたぐ出稿や、エリア単位の設計には向きません。
② シネアド枠を保有する一次広告代理店(専門代理店)
全国の興行会社と直接契約し、シネアドの広告枠そのものを仕入れ・保有している専門会社です。空き枠の情報を一次情報として持っているため、複数チェーンを横断した組み合わせを提案できるのが強みです。ただし、シネアド単体の販売が中心で、他媒体との組み合わせや広告全体の設計までは踏み込まないことがあります。
③ 総合広告代理店
シネアドを含む複数媒体を扱い、目的の整理からクリエイティブ制作、他媒体との組み合わせ、効果検証までをワンストップで請け負うタイプです。フリーザロックエージェントもここに位置します。窓口が一本化されるぶん進行管理の負担が小さく、「そもそもシネアドが最適なのか」という段階から相談できます。
なお、一次代理店から枠を仕入れて再販する 二次代理店 も存在します。悪いわけではありませんが、階層が深くなるほど空き枠情報の鮮度が落ちやすく、調整に時間がかかる傾向がある点は知っておいて損はありません。
シネアドの依頼先は「劇場直販」「一次代理店」「総合広告代理店」の3タイプ。どこが優れているかではなく、自社の目的と体制にどれが合うかで選ぶのが正解です。
3タイプの比較|自社に合うシネアド会社はどれか

3タイプの特徴を、広告主が気にするポイントで並べて比較したのが以下の表です。
| 比較軸 | ① 劇場・興行会社の直販 | ② 一次代理店(シネアド専門) | ③ 総合広告代理店 |
|---|---|---|---|
| 扱える劇場の範囲 | 自館・自チェーンのみ | 契約している全国の劇場 | 契約先を通じて全国(他媒体も併用可) |
| 空き枠情報の鮮度 | 自館分は最も高い | 高い(一次情報を保有) | 一次代理店経由で取得 |
| 中間コスト | 最小 | 小 | 小〜中(企画・進行の対価を含む) |
| 提案の幅 | 自館の枠内 | シネアド中心 | 媒体横断で設計 |
| クリエイティブ制作 | 対応しないことが多い | 会社により対応 | 企画から一括対応が一般的 |
| 向いている広告主 | 出稿先の劇場が既に決まっている | 複数劇場を効率よく押さえたい | 目的整理から任せたい・他媒体と併用したい |
出稿したい劇場が1館に決まっていて、素材も社内にあるなら ①の直販が最短です。逆に「商圏に効く劇場が分からない」「素材づくりから相談したい」「TVCMやデジタル広告と合わせて考えたい」という段階なら、③の総合広告代理店に相談したほうが結果的に早く安く着地するケースが少なくありません。
どの劇場チェーンがどのエリアに強いのかを先に把握しておきたい方は、【2026年保存版】日本の映画館興行チェーン全一覧と業界地図もあわせてご覧ください。
「劇場が決まっている=直販」「劇場を選びたい=一次代理店」「戦略から相談したい=総合広告代理店」が大まかな住み分けです。
会社によって見積もりが大きくズレる本当の理由
相見積もりを取ると、同じ劇場・同じ期間なのに金額が倍以上違う、ということが起こります。これは値引き競争の結果ではなく、見積書に含まれている費目の範囲が会社ごとに違うことが主因です。
シネアドの費用は、ざっくり次の費目に分解できます。相見積もりの際は、この表を使って「どこまで入った金額か」を1社ずつ確認してください。
| 費目 | 内容 | 見積もりに入っているか要確認 |
|---|---|---|
| 媒体費(枠費) | 劇場のスクリーン枠を押さえる費用 | 必ず入っている |
| 上映素材の変換費 | 納品素材を劇場で上映できる形式(DCP等)に変換する費用 | 抜けていることが多い |
| クリエイティブ制作費 | CM映像を新規制作する費用。既存素材の流用・尺調整のみなら大幅に圧縮できる | 別見積もりのことが多い |
| 考査・審査対応費 | 表現内容のチェックと修正対応にかかる費用 | 含まれるかは会社次第 |
| 進行・運用手数料 | 劇場調整、入稿、放映確認などの実務費用 | 内数か外数かを要確認 |
特に見落とされやすいのが 上映素材の変換費 です。ここが別建てになっている見積もりは、一見安く見えても最終的な支払総額が膨らみます。「税別・税込」だけでなく、「素材変換込みか」「制作費込みか」を必ず揃えてから比較するのが鉄則です。
費目ごとの相場観を先に押さえておきたい方は、【2026年最新】シネアド料金の完全ガイドで内訳を確認しておくと、見積もりの読み解きが一気に楽になります。
見積もりの差は「安い・高い」ではなく「含まれる費目の差」。媒体費・素材変換費・制作費・手数料の4点を揃えて比較しましょう。
失敗しないシネアド会社選び|7つの比較軸

ここからは、実際に問い合わせる会社を絞り込むための比較軸を7つに整理します。そのままチェックリストとして使える形にしていますので、相談時の質問リストとしてお使いください。
① 希望エリア・劇場を実際に押さえられるか
「全国対応」と書かれていても、実際に押さえられる劇場は会社ごとに異なります。出稿したい商圏の具体的な館名を挙げて、空き状況を確認できるかを最初に聞くのが確実です。
② 見積もりの内訳が費目ごとに開示されるか
一式表記のみで内訳が出てこない場合は要注意です。媒体費・素材変換費・制作費・手数料が分けて書かれている見積もりは、比較もしやすく、後からの追加請求も起きにくくなります。
③ 素材制作・尺調整まで対応できるか
既存のWeb動画やTVCM素材を流用できれば制作費は大きく圧縮できますが、そのままでは劇場の規定に合わないことがあります。尺調整や仕様合わせを引き受けてくれるかは、総額に直結する分岐点です。
④ 入稿規定・考査の実務に精通しているか
シネアドは素材の仕様・提出期限・表現の考査がテレビCMともWeb動画とも異なります。ここに不慣れな会社に任せると、放映開始が1クール後ろ倒しになるリスクがあります。実務の詳細は【2026年最新】シネアドの入稿規定ガイドにまとめています。
⑤ 目的とKPIから逆算した提案をしてくれるか
「この枠が空いています」だけの提案は、枠売りであって広告提案ではありません。認知なのか、来店なのか、採用なのか。目的を聞いたうえで劇場・尺・期間を組み替えてくる会社を選んでください。
⑥ 放映後の報告と効果検証の設計があるか
シネアドは「出して終わり」になりやすい媒体です。放映実績の報告フォーマットがあるか、指名検索や来店の変化をどう追うかを事前に握れるかは、次回以降の判断材料の質を決めます。考え方はシネアドの効果測定完全ガイドで解説しています。
⑦ 小さく始める選択肢を提示してくれるか
シネアドは大型ジャックだけの媒体ではありません。1スクリーン・短期間のスモールスタートなら5万円からという選択肢もあります。いきなり大型プランしか出てこない場合は、他の会社にもあたってみる価値があります。
相談前チェックリスト:希望エリアの館名/出稿したい時期/おおよその予算レンジ/既存の映像素材の有無/達成したい目的(認知・来店・採用など)。この5点を整理して問い合わせると、初回のやり取りで精度の高い提案が返ってきます。
「押さえられる劇場」「内訳の透明性」「素材と入稿の実務力」「目的からの逆算」「検証設計」「小さく始められるか」。この6点が揃う会社なら、まず外しません。
シネアド会社に依頼してから放映までの5ステップ
依頼先が決まったあと、実際にどう進むのかを把握しておくと、社内の稟議やスケジュール調整がぐっと楽になります。標準的な流れは次の5ステップです。
- ヒアリング・目的整理:商圏、ターゲット、予算、放映したい時期、既存素材の有無を共有する
- 劇場・尺・期間の選定:空き枠を確認しながらプランを確定し、正式見積もりを取得する
- クリエイティブ準備:新規制作、または既存素材の尺調整・仕様合わせを行う
- 考査・素材変換・入稿:表現の審査を通し、劇場で上映できる形式に変換して期限までに納品する
- 放映開始・実施報告:放映期間中の運用と、終了後の実績報告・振り返りを行う
期間の目安として押さえておきたいのは、素材を新規制作する場合は準備に相応の期間が必要になることです。放映したい月から逆算し、余裕を持って相談を始めるほど、劇場の選択肢も価格条件も有利になります。空き枠は先着で埋まっていくため、「決まってから相談」ではなく「検討段階で相談」が結果的にコストを下げます。
依頼から放映までは5ステップ。素材準備と考査・入稿に時間がかかるため、放映希望月から逆算した早めの相談が有利に働きます。
シネアドの会社選びでよくある失敗3パターン
失敗① 総額を揃えずに相見積もりを比較してしまう
媒体費だけの見積もりと、素材変換・制作込みの見積もりを並べて「A社のほうが安い」と判断してしまうケースです。発注後に追加費用が積み上がり、最終的に高くついたという声は珍しくありません。
失敗② 劇場の知名度だけで出稿先を決めてしまう
大きな劇場ほど媒体費は上がりますが、自社の商圏と来場者が重なっているとは限りません。商圏の重なりを見ずに知名度で選ぶと、単価は高いのに接触が薄いという結果になりがちです。エリアごとの相場感は映画館チェーン別シネアド料金比較が参考になります。
失敗③ 放映開始日から逆算せずに動き出す
シネアドには素材の提出期限と考査の期間があります。入れたい時期の直前に動き出すと、希望の劇場が埋まっていたり、素材が間に合わずに見送りになったりします。逆算スケジュールを最初に引いてくれる会社を選ぶことが、この失敗を防ぐ最短の方法です。
「総額を揃えずに比較」「知名度で劇場を選ぶ」「逆算しない」。この3つを避けるだけで、シネアドの失敗確率は大きく下がります。
シネアドの会社選びに関するよくある質問
問い合わせの際によくいただくご質問をまとめました。
Q. 劇場に直接申し込むのが一番安いのですか?
A. その劇場1館だけに出稿する前提であれば、中間コストは最小になります。ただし複数劇場を組み合わせる場合や、素材の準備・入稿対応まで必要な場合は、まとめて任せられる代理店のほうが総額・工数ともに抑えられることがあります。「1館か、複数館か」「素材があるか、ないか」で判断が変わります。
Q. 小さな会社・個人店でも受けてもらえますか?
A. 受けられます。シネアドは1スクリーン単位・短期間からの出稿が可能で、5万円からのスモールスタートという選択肢があります。地域密着型のビジネスとの相性はむしろ良い媒体です。
Q. 映像素材を持っていなくても相談できますか?
A. 相談できます。新規制作のほか、既存のWeb動画や写真素材を活かして映画館用に仕立てる方法もあります。素材の有無を最初に伝えておくと、現実的な総額の提示が早くなります。
Q. 何社くらいに相見積もりを取るべきですか?
A. 2〜3社が目安です。それ以上に増やしても、費目の揃え方が甘いと比較の精度は上がりません。社数を増やすより、同じ条件(劇場・期間・素材変換の有無)を明記して依頼するほうが有効です。
会社選びの判断は「出稿館数」「素材の有無」「予算規模」の3点でほぼ決まります。迷ったら、この3点を先に整理してみてください。
まとめ:シネアドの会社選びは『枠を売る会社より、逆算してくれる会社』
シネアド(映画館広告)の会社選びについて、要点を整理します。
・依頼先は「劇場・興行会社の直販」「一次代理店」「総合広告代理店」の3タイプ
・見積もりの差は値引きではなく、媒体費・素材変換費・制作費・手数料という費目の範囲の差
・比較すべきは7軸(押さえられる劇場/内訳の透明性/素材対応/入稿・考査の実務力/目的からの逆算/効果検証/スモールスタートの提案)
・よくある失敗は「総額を揃えない相見積もり」「知名度で劇場を選ぶ」「逆算しない進行」
シネアドは、暗闇のクローズドな空間で巨大スクリーンと大音量に向き合う、ながら見できない強制視認性を持った数少ない動画メディアです。だからこそ、枠を売るだけの相手ではなく、目的から逆算して劇場・尺・期間を組み立ててくれる会社を選ぶことが、そのまま成果の差になります。
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