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「移住促進のPRを、都市部の若い世代にきちんと届ける方法はない?」
実は、自治体のPR動画と相性が良いのがシネアド(映画館広告)です。暗闇の大スクリーンで、スキップされずに最後まで見てもらえるため、「作った動画を確実に見てもらう」という自治体広報の課題にそのまま応えられます。
この記事では、総合広告代理店フリーザロックエージェントが、自治体がシネアドを選ぶ理由、実際の自治体の活用例、予算化から上映・効果測定までの進め方を、プロの視点で徹底解説します。
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自治体のシネアド活用とは?シティプロモーション・移住PRでの位置づけ
シネアド(映画館広告)とは、映画の本編が始まる前にスクリーンで流れるCMのことです。企業の商品CMのイメージが強いかもしれませんが、シネアドは自治体がシティプロモーション映像や移住促進PR動画を上映する場としても使われています。
自治体広報では、PR動画を「作ること」自体が目的化し、公開後に十分な視聴数を確保できないという課題がよく指摘されます。動画を制作する予算はついても、見てもらうための出稿予算が手薄になりがちだからです。シネアドは、制作済みの動画を15秒・30秒のCM版に編集して流用できるため、既存資産を活かした「届ける施策」として位置づけやすい媒体です。
自治体がシネアドで発信している主なテーマ
- シティプロモーション(都市イメージの向上・知名度向上)
- 移住・定住促進(UIJターン、二地域居住の呼びかけ)
- 観光誘客(観光地・イベント・ふるさと納税の返礼品のPR)
- 政策広報(環境・防災・健康づくりなど市民への周知)
- 職員採用(自治体職員の採用PR)
シネアドは、自治体がすでに持っているPR動画を「確実に見てもらう」ための出口として活用できる媒体です。
自治体がシネアドを選ぶ4つの理由
理由1:スキップされない強制視認性
Web動画広告は数秒でスキップされることが前提ですが、映画館ではながら見できない環境で、暗闇のクローズドな空間と巨大スクリーンと大音量で最後まで視聴されます。自治体の魅力を伝える風景映像や、ストーリー仕立ての動画ほど、この強制視認性の恩恵を受けやすいといえます。
理由2:エリアを絞って届けられる
シネアドは劇場単位で出稿できるため、「名古屋都市圏の若い世代に向けて移住PRを流す」「県内の住民に政策を周知する」といった、エリアを明確にした発信が可能です。県外向けの知名度向上なら大都市圏の劇場、市民向けの周知なら市内・近隣の劇場、というように目的に合わせて選べます。
理由3:ポジティブな心理状態で見てもらえる
映画を楽しみに来場した観客は、ポジティブな心理状態で本編を待っています。押し付けがましい広告ではなく「まちの魅力を知る映像」として受け止められやすく、都市イメージの向上を狙うシティプロモーションと親和性が高いのが特長です。
理由4:小さな予算から始められる
シネアドは「数百万円かかる」と思われがちですが、実際は1劇場・1週間といった単位から出稿でき、5万円からのスモールスタートも検討できます。自治体の単年度予算でも試しやすい価格帯です。
強制視認性・エリア指定・ポジティブな視聴環境・小予算の4点が、自治体広報の課題とよく噛み合います。
自治体のシネアド活用例|公表されている2つのケース
ここでは、自治体自身が広報誌や報道資料で公表している活用例を紹介します。
三重県四日市市:シティプロモーション映像をシネアドで上映
四日市市は、市の魅力発信と都市イメージ向上を目的にシティプロモーション映像を制作し、市の広報誌によれば15秒のCM版を地元の「109四日市シネマズ」と名古屋の「ミッドランドスクエアシネマ」「ミッドランドスクエアシネマ2」の3館でシネアドとして上映しました(2018年)。あわせて東京都内の街頭ビジョンで60秒のダイジェスト版も流しており、名古屋・東京など市外・県外での知名度向上を狙ったクロスメディア戦略の一例です。
新潟県新潟市:環境PRの動画を市内2館で上映
新潟市は、ラムサール条約湿地自治体認証を受けた「国際湿地都市」のPRとして15秒のプロモーション動画2本を制作。報道資料によれば、YouTube広告での配信に加え、市内のシネコン2館(イオンシネマ新潟亀田インター・ユナイテッド・シネマ新潟)で7日間、全作品の上映前に動画を上映しました(2025年3月)。Web広告で広く届け、映画館で深く見てもらうという組み合わせです。
| 項目 | 四日市市(2018年) | 新潟市(2025年) |
|---|---|---|
| 目的 | シティプロモーション・知名度向上 | 環境PR・市民等への周知 |
| 対象エリア | 市内+名古屋(市外向け) | 市内 |
| 劇場数 | 3館 | 2館 |
| 尺 | 15秒(CM版) | 15秒 |
| 組み合わせた媒体 | 東京の街頭ビジョン(60秒版) | YouTube広告・ランディングページ |
どちらも「シネアド単独」ではなく、Web・屋外ビジョン・ランディングページと組み合わせたクロスメディア戦略として実施されている点がポイントです。
公表事例からは、15秒版の流用と、Web施策との組み合わせが自治体シネアドの基本形であることが読み取れます。
目的別|自治体のシネアド設計パターン
同じ自治体のシネアドでも、目的によって劇場の選び方や上映期間の考え方が変わります。代表的な4つのパターンを整理します。
| 目的 | 劇場の選び方 | 作品・期間の考え方 | セットで用意したい受け皿 |
|---|---|---|---|
| シティプロモーション(知名度向上) | ターゲットとする大都市圏の主要シネコン | 全作品で幅広く。2〜4週間で接触回数を確保 | 特設サイト・SNSアカウント |
| 移住・定住促進 | 移住希望者が多い都市圏の劇場 | 20〜40代が多い作品を指定。移住フェア開催前に集中 | 移住相談窓口・オンライン相談予約 |
| 観光誘客 | 主要な来訪者の居住エリアの劇場 | 旅行計画期(大型連休の1〜2か月前)に合わせる | 観光サイト・宿泊予約導線 |
| 市民向け政策広報 | 市内・近隣の劇場 | 幅広い層に届く全作品。施策の開始時期に合わせる | 制度の申請ページ・問い合わせ先 |
移住促進では、ファミリー層が多いアニメ作品や、20〜30代が多い話題作を作品指定することで、ライフステージの変化を迎える層に絞り込むことができます。観光誘客の考え方は観光・レジャー施設のシネアド集客術も参考になります。
目的ごとに「どこの劇場で・どの作品に・いつ流すか」と、見た後の受け皿をセットで設計することが成果を左右します。
自治体がシネアドを実施するまでの5ステップ

- 目的とターゲットエリアを決める(誰に・どこで・何を知ってほしいか)
- 予算化と調達方法を確認する(単年度予算・交付金の活用可否・契約方式)
- 劇場・作品・上映期間を選定し、空き枠を確認する
- 既存PR動画を15秒・30秒のCM版に編集し、DCP変換して入稿する
- 上映後に効果を検証し、次年度の予算要求に活かす
ステップ2:予算化と調達で押さえるポイント
自治体のシネアドで最も時間がかかるのが予算化と調達です。広報予算の中で少額の随意契約として発注するのか、PR動画の制作と配信を一体でプロポーザル(企画提案方式)にかけるのかによって、必要な期間が大きく変わります。なお、少額随意契約の基準額は地方自治法施行令の改正により2025年4月から引き上げられているため、最新の基準額は各自治体の契約規則で確認してください。
移住促進や観光誘客の事業では、国の地方創生関係の交付金を活用した事業の一部として広告費を計上するケースもあります。対象経費になるかどうかは事業計画の内容次第のため、企画段階で財政担当課と確認しておくと安心です。
ステップ4:既存のPR動画をシネアド用に整える
シネアドの素材は映画館の上映規格であるDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)形式への変換が必要です。Web用に制作した長尺のPR動画をそのまま流すのではなく、冒頭3秒で自治体名と魅力が伝わる15秒版に再編集するのが効果的です。入稿の締切や素材の規定は劇場チェーンによって異なるため、詳しくはシネアドの入稿規定ガイドもご覧ください。
自治体のシネアドは、劇場選びよりも「予算化と調達」の段取りが成否を分けます。年度当初の計画段階から逆算しましょう。
自治体シネアドの効果測定|議会・予算要求で説明できる指標
公費を使う以上、自治体のシネアドには「どれだけ届き、何が変わったか」の説明が欠かせません。シネアドは上映回数と劇場の動員から接触の規模を推計できるため、Web広告と並べて報告しやすい媒体です。
| 指標 | 測り方 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 上映回数・推定接触人数 | 劇場からの上映実績と座席数・動員から推計 | 全目的共通(実施報告) |
| 特設サイトへの流入 | シネアド専用のURL・QRコード、指名検索の推移 | シティプロモーション・観光 |
| 相談・問い合わせ件数 | 移住相談窓口の受付時に認知経路を聞く | 移住・定住促進 |
| 認知度・好感度 | 上映エリアでのWebアンケート(上映前後で比較) | シティプロモーション |
| 制度の申請件数 | 上映期間中と前年同期の申請数を比較 | 市民向け政策広報 |
特に移住促進では、相談窓口で「何を見てお問い合わせいただきましたか」と聞くだけでも、映画館経由の反響を把握できます。計測の設計は上映前に決めておくことが重要です。手法の詳細はシネアドの効果測定完全ガイドで解説しています。
上映実績による接触規模と、サイト流入・相談件数などの行動指標を組み合わせれば、議会や予算要求でも説明しやすくなります。
自治体がシネアドで失敗しないための注意点

- 長尺のPR動画をそのまま流さない:映画館のCM枠は15秒・30秒が中心。冒頭で自治体名が伝わる構成に再編集する
- 見た後の受け皿を用意する:特設サイト・相談予約など、関心を持った人が次に取る行動を明示する
- 上映時期を事業カレンダーに合わせる:移住フェアや観光シーズンの直前に上映を集中させる
- 単発で終わらせない:1回目の結果を次年度の劇場選び・作品指定に反映する
- 劇場の審査を考慮する:政治的な主張と受け取られる表現は審査で調整を求められる場合があるため、事前に確認する
動画の再編集・受け皿・時期・継続・審査の5点を押さえれば、自治体のシネアドは「流して終わり」になりません。
自治体のシネアドに関するよくある質問
Q. 小さな町村でもシネアドは出せますか?
A. 出せます。町村内に映画館がなくても、住民がよく利用する近隣のシネコンや、移住希望者が多い都市圏の劇場を選べば実施可能です。1劇場・1週間からのスモールスタートで反響を見るのがおすすめです。業種ごとの使い方はシネアド活用パターン12業種もご覧ください。
Q. 既存のPR動画は使えますか?
A. 使えます。15秒・30秒のCM版に編集し、DCP形式に変換すれば上映できます。著作権・肖像権の利用範囲が「映画館での上映」まで含まれているかは、制作時の契約を確認してください。
Q. 申し込みから上映までどれくらいかかりますか?
A. 劇場側の手続きは、一般的に上映開始の4週間前の申し込みが目安です。ただし自治体の場合は庁内の予算執行・契約手続きの期間を別途見込む必要があります。
規模の小さな自治体でも、既存動画を活かしてスモールスタートできるのがシネアドの強みです。
まとめ:自治体のシネアドは『作ったPR動画を、確実に届ける出口』
自治体のシネアド活用のポイントを整理します。
・スキップされない強制視認性で、PR動画を最後まで見てもらえる
・劇場単位でエリアを絞れるため、県外向けの知名度向上にも市民向けの周知にも使える
・既存のPR動画を15秒・30秒版に再編集して流用でき、1劇場・1週間から始められる
・成否を分けるのは予算化と調達の段取り、そして見た後の受け皿の設計
・上映実績と行動指標を組み合わせれば、議会や予算要求でも成果を説明できる
シネアドは、「自治体の広報には向かない」「予算が小さいから無理」と諦めるにはあまりに惜しい、コスパと到達品質を両立した動画広告です。
フリーザロックエージェントでは、ターゲットエリアに合わせた劇場選定と空き枠の確認、移住・観光など目的に応じた作品指定の設計、既存PR動画のCM版への再編集、DCP変換・入稿まで、自治体のご担当者さまの手続きに合わせてワンストップでサポートしています。
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